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第5章 ぼっちの俺がリア充みたいな夏休みを過ごしてるのは気のせいか?
第30話 あれがご褒美に感じるのは凄まじくドMな奴だけだろ
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「……酷い目にあった」
「私の水着を選べたんだからご褒美でしょ」
「あれがご褒美に感じるのは凄まじくドMな奴だけだろ」
周りの女性客達からまるでゴミを見るような目で見られ過ぎた俺は完全に疲れ切っていた。
「それでこの後はどうする?」
「うーん、実は特に考えてなかったんだよね」
「まだ時間も早いしどこかで遊んで帰るのもありだと思うけど」
「この辺で何かあるかな……」
アリスはスマホの地図アプリを見ながら近場で遊べそうな場所を探し始める。
「あっ、近くにカラオケがあるよ。そこに行かない?」
「そうだな、思いっきり歌えばストレス発散にもなりそうだしそうしよう」
俺とアリスはデパートを出るとすぐ近くにあったジャンボエコーというカラオケ店に入った。
「時間はどうする?」
「とりあえず2時間くらいでいいんじゃないか? 歌い足りなかったら延長も出来るし」
「じゃあそれで受付するね」
設置されていたタブレットで受付の手続きを済ませた俺達はドリンクバーで飲み物を入れてから部屋へと向かう。
「何歌おうか……」
「私はもう決まってるから先に入れるよ」
アリスがタブレットを操作して曲を予約する様子を見つつ、何の曲を歌うか考え始める。家族以外とカラオケに来るのは実は今回が初めてなので、こういう時に何を歌えばウケが良いのかよく分かっていない。
アリスが知らない曲を歌っても絶対反応に困る事が目に見えているため、なるべく有名な曲を歌うのが無難だろう。
そんな事を考えているうちにアリスの歌う曲のメロディが流れ始める。どうやらアリスは今流行りのラブソングを歌うつもりのようだ。アリスはマイクを持ってシートから立ち上がり歌い始める。
「……いやいや、めちゃくちゃ上手いんだけど」
思わず言葉を失ってしまうレベルであり、正直いつまでも聞いていたい気分だった。そんなアリスの歌声を聞きながら俺はタブレットを操作して曲を入れる。
ひとまず最近CMでよく流れている曲を入れる事にした。これなら絶対アリスも知っているはずだし。しばらくして歌い終わったアリスはすっきりしたような表情で口を開く。
「カラオケは久々に来たけどやっぱり楽しいね」
「気持ちよさそうに歌ってたもんな。じゃあ今度は俺の番か」
アリスからマイクを受け取ると俺は立ち上がって歌い始める。最初はちょっと緊張していた俺だったが歌っているうちにどこかへと吹き飛んだ。
「へー、拓馬も結構上手いじゃん」
「ありがとう、実は歌うのは割と好きだからな」
歌い終わった後アリスから褒められてちょっと嬉しくなった俺は少し照れつつもそう答えた。するとアリスは突然勝負を仕掛けてくる。
「じゃあさ、採点モードの点数で私と勝負しない?」
「断る」
俺はアリスからの提案を即座に拒否した。
「えー、なんで断るの?」
「いやいやどう考えてもアリスに勝てるわけ無いからに決まってるだろ」
勝てる可能性がある勝負ならまだしも、やる前から負ける事が確定している勝負なんてとても引き受ける気にはなれない。
「それなら最近の曲限定にはなるけど私が歌う曲は拓馬が決めてもいいよ、基本なんでも歌えるし」
「なるほど」
アリスのあまり得意では無さそうな曲を選ぶ事が出来れば俺にも十分勝ち目があるかもしれない。
「いや、でも万が一負けた時にどんな無茶振りをされるか分からないし……」
「なら負けた方が勝った方の好きなフードメニューを一品奢るって内容でどう?」
今までの勝負では凄まじい無茶振りをされていたが、フードメニューを一品奢るくらいなら負けてもリスクは少ないだろう。そう思った俺は勝負を引き受ける事にした。まあ、その結果は惨敗だったわけだが。
「約束通り一品奢って貰おうかな」
「……分かったよ」
俺は一番得意な持ち歌を歌い、アリスには明らかに難易度が高そうな曲をチョイスしたのだがそれでも負けてしまった。
ここまでハンデがあればアリスに負ける事はまず無いと思っていたので正直悔しさよりも驚きの方が圧倒的に強い。
「これを注文したから」
「……なあ、カップルジュースって書いてあるのは気のせいか?」
「あっ、よく気付いたね」
アリスはニコニコとした表情でそう口にした。おいおい、これって完全にこの間のカップル限定特大パフェの時と全く同じパターンじゃん。
アリスとカフェに行く時はメニュー表を隅々まで見るようにしていたが、まさかカラオケにこんなフードメニューがあるとは思っていなかったため完全に油断していた。店員による写真撮影が無いだけマシと思うしか無い。
数分して部屋に運ばれてきたカップルジュースには二本のストローが絡み合って上部がハートの形になっているものが差し込まれていた。
「じゃあ早速飲もう」
「一応聞くけど俺も飲まなきゃ駄目か……?」
「勿論だよ」
抵抗しても無意味な事は分かり切っていたため諦めるしか無いようだ。それから俺は恥ずかしいのを必死に我慢しながらカップルジュースをアリスと一緒に飲むのだった。
「私の水着を選べたんだからご褒美でしょ」
「あれがご褒美に感じるのは凄まじくドMな奴だけだろ」
周りの女性客達からまるでゴミを見るような目で見られ過ぎた俺は完全に疲れ切っていた。
「それでこの後はどうする?」
「うーん、実は特に考えてなかったんだよね」
「まだ時間も早いしどこかで遊んで帰るのもありだと思うけど」
「この辺で何かあるかな……」
アリスはスマホの地図アプリを見ながら近場で遊べそうな場所を探し始める。
「あっ、近くにカラオケがあるよ。そこに行かない?」
「そうだな、思いっきり歌えばストレス発散にもなりそうだしそうしよう」
俺とアリスはデパートを出るとすぐ近くにあったジャンボエコーというカラオケ店に入った。
「時間はどうする?」
「とりあえず2時間くらいでいいんじゃないか? 歌い足りなかったら延長も出来るし」
「じゃあそれで受付するね」
設置されていたタブレットで受付の手続きを済ませた俺達はドリンクバーで飲み物を入れてから部屋へと向かう。
「何歌おうか……」
「私はもう決まってるから先に入れるよ」
アリスがタブレットを操作して曲を予約する様子を見つつ、何の曲を歌うか考え始める。家族以外とカラオケに来るのは実は今回が初めてなので、こういう時に何を歌えばウケが良いのかよく分かっていない。
アリスが知らない曲を歌っても絶対反応に困る事が目に見えているため、なるべく有名な曲を歌うのが無難だろう。
そんな事を考えているうちにアリスの歌う曲のメロディが流れ始める。どうやらアリスは今流行りのラブソングを歌うつもりのようだ。アリスはマイクを持ってシートから立ち上がり歌い始める。
「……いやいや、めちゃくちゃ上手いんだけど」
思わず言葉を失ってしまうレベルであり、正直いつまでも聞いていたい気分だった。そんなアリスの歌声を聞きながら俺はタブレットを操作して曲を入れる。
ひとまず最近CMでよく流れている曲を入れる事にした。これなら絶対アリスも知っているはずだし。しばらくして歌い終わったアリスはすっきりしたような表情で口を開く。
「カラオケは久々に来たけどやっぱり楽しいね」
「気持ちよさそうに歌ってたもんな。じゃあ今度は俺の番か」
アリスからマイクを受け取ると俺は立ち上がって歌い始める。最初はちょっと緊張していた俺だったが歌っているうちにどこかへと吹き飛んだ。
「へー、拓馬も結構上手いじゃん」
「ありがとう、実は歌うのは割と好きだからな」
歌い終わった後アリスから褒められてちょっと嬉しくなった俺は少し照れつつもそう答えた。するとアリスは突然勝負を仕掛けてくる。
「じゃあさ、採点モードの点数で私と勝負しない?」
「断る」
俺はアリスからの提案を即座に拒否した。
「えー、なんで断るの?」
「いやいやどう考えてもアリスに勝てるわけ無いからに決まってるだろ」
勝てる可能性がある勝負ならまだしも、やる前から負ける事が確定している勝負なんてとても引き受ける気にはなれない。
「それなら最近の曲限定にはなるけど私が歌う曲は拓馬が決めてもいいよ、基本なんでも歌えるし」
「なるほど」
アリスのあまり得意では無さそうな曲を選ぶ事が出来れば俺にも十分勝ち目があるかもしれない。
「いや、でも万が一負けた時にどんな無茶振りをされるか分からないし……」
「なら負けた方が勝った方の好きなフードメニューを一品奢るって内容でどう?」
今までの勝負では凄まじい無茶振りをされていたが、フードメニューを一品奢るくらいなら負けてもリスクは少ないだろう。そう思った俺は勝負を引き受ける事にした。まあ、その結果は惨敗だったわけだが。
「約束通り一品奢って貰おうかな」
「……分かったよ」
俺は一番得意な持ち歌を歌い、アリスには明らかに難易度が高そうな曲をチョイスしたのだがそれでも負けてしまった。
ここまでハンデがあればアリスに負ける事はまず無いと思っていたので正直悔しさよりも驚きの方が圧倒的に強い。
「これを注文したから」
「……なあ、カップルジュースって書いてあるのは気のせいか?」
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アリスはニコニコとした表情でそう口にした。おいおい、これって完全にこの間のカップル限定特大パフェの時と全く同じパターンじゃん。
アリスとカフェに行く時はメニュー表を隅々まで見るようにしていたが、まさかカラオケにこんなフードメニューがあるとは思っていなかったため完全に油断していた。店員による写真撮影が無いだけマシと思うしか無い。
数分して部屋に運ばれてきたカップルジュースには二本のストローが絡み合って上部がハートの形になっているものが差し込まれていた。
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