114 / 288
第十一章 本戦
第114話 チュートリアル:バルテウス
しおりを挟む
――王の○宝という名を聞いたことがあるだろうか。
基は同人ゲームで今は大衆に認識されている某運命の主要人物。その彼が持つ宝具の名称だ。
彼が所有する宝物庫そのものであり、その鍵でもある。
ではただの一般人がゲートオブ○ビロンを使用したとしよう。波紋を広げるゲート、そこからヌルっと出てくるのはタンスや物置に閉まった家具や小物が精々。俺だったら間違いなくテ○ガが出てくる。
だが運命の主要人物の彼が、ゲートオブバビロンの持ち主の彼が使用すると話が違う。
人間の範囲がまだ矮小かつ神がそこにいる神代。ありとあらゆる財宝を集めた彼の宝物庫。様々な神話に出てくる原典が収められていた。
巨人を、怪物を、神を、人を討った、誰もが一度は聞いたことのある神話の武器。それをゲートオブバビロンから出てくるものだからあぁ^~たまらねぇぜ。
色々と言ったけど、とどのつまり、背後に無数のゲートが開き、そこから射出される神代武器の数々。ゲートオブバビロンを見たものは、そのあまりにも異様な光景を脳裏に刻まれるだろう。
要は男心くすぐるほどにカッコいいのだ。
背後に広がる無数の魔法陣。バビロニアを統べた彼と同様に丁寧な腕組み。惜しくも黄金の甲冑ではなく黒装束だが、マスクの下でほくそ笑む顔は似たり寄ったりだろう。
そう。それは俺の目の前で模造という形で再現されている。
「♰――魔法発動 アルテミット・スレイズッ!!♰」
三回戦第二試合にして今宵最後の試合。
レフェリーの獅童さんが開始の合図を出したと同時に展開された十個の魔法陣。
魔法陣の大きさは、巨大魔法陣を有しながらも二回戦で敗退したアズにゃんとは全く違う一般的な大きさだけど、ぽつぽつとアルテミット・スレイズの複数の先端が一つの魔法陣から顔を見せた。
「――」
瞬間。魔法陣から放たれたアルテミット・スレイズ。
無数の音と無数の軌道。両方が唸りをあげ一斉にターゲットである俺目掛けて襲ってくるではないか。
「バル〇ウスかよ」
妙な既視感を覚えたのは、苦節百億年の果てに発売されたアーマードコア6のボス、バルテウス。
あ~もうめちゃくちゃだよ――でお馴染み、ナショジオのシェフの吹き替え担当である杉田氏もびっくりなミサイルの雨あられ。文字通り初心者も玄人も木っ端微塵に爆ぜさせたバル○ウスのミサイルを彷彿とさせるアルテミット・スレイズだ。
正直に白状しよう。バル○ウスくん。キミのおかげでコントローラーぶっ潰しちゃった☆ もっと細かく言えば、LRトリガーとL2R2トリガーを圧し潰し、アナログスティックが背面を割って陥没。持ち手はもちろん潰した。
機体のアセンを変えつつトライアルアンドエラーを繰り返し、やっとこさ倒した。
え? ワンダと○像みたいなスロー演出で最後の一撃は切ない?
何言ってんの? 超爽快で思いっ切り唾飛ばしたわ!
「――」
でだ。近年稀に見る弩級のミサイル攻撃だったけど、なぜゲームの中だけじゃなく現実でもバル○ウスミサイルを見なくちゃならんのか……。
このままダッシュで回避したとしよう。一瞬画面から消えたミサイルが横と後ろから猛撃。撮影された精子みたいにぶっかけられる事になるだろう。
じゃあ避ける選択肢ではなく、オーラ剣による撃墜を選択するのはどうだろう。
確かに出力を上げたオーラ剣なら束になったアルテミット・スレイズの一個団体を消すことは可能だろう。でもそれじゃ別の魔法陣から出たスレイズにカマを掘られるのがオチだ。
では諸悪の根源であるバル○ウスもといダーク=ノワールを直接狙うのはどうだろうか。
アルテミット・スレイズが俺に着弾するよりまえに一瞬で決着をつければ問題ない。
でもそれは現実的じゃない。
バルテウスが火炎放射器をブレードみたく振り回す近接攻撃。むろんダーク=ノワールも近接武器――ソードオブライトをぶん回して来るだろう。
確か、合計で三本のソードオブライトを生成でき、しかも浮遊して独自で剣が俺を襲う使用にもなっていた。バル○ウスの火炎放射器による二連撃の方がまだマシである。
「ッチ、フゥーーーーー」
てな感じで普段しない舌打ちをし、バルテウスに五連続敗退を帰した時と同じように苛まれる。
結果、事は単純明快。
張り付いて張り付いての完全ゴリ押しでバルテウスから勝利を捥ぎ取った単純戦法と同様に、俺の行動も単純が良い。
「――おおおおおおおおお!!!!」
目を見開いた俺はオーラ剣を両手持ち。
(貴様! 人が死んだんだぞ!(プレイヤー)いっぱい人が死んだんだぞ!!(ブレイヤー))
最大に近い出力を上げ――
「遊びでやってんじゃないんだよ!」
ドワオッ!!
ストレスの要因であるバルテウスのミサイル、アルテミット・スレイズを出している複数の魔法陣に向け大出力のオーラ斬り。
アルテミット・スレイズごと魔法陣を両断し、そのまま下段列に並ぶ魔法陣を捕らえる。
「ここからいなくなれー!!」
ガラスが割れた様に魔法陣が崩壊。開始間際に放ったアルテミット・スレイズは俺の怒りを受けその一切を消滅した。
《なッ!? なんと言うことでしょうかあああああああ!! 戸島の魔法が魔法陣もろとも一刀両断ッ!! クゥ^~~!!》
急にワーワーと会場が大いに騒がしくなる。
「萌えええええええええええ!! カッコいいいいいいいい!!」
「押忍ッ!! 押忍ッッ!! きたあああああああああああ!!!!」
「……やるな、萌」
俺に近しい友の歓声も聞こえてきた。
《まさに破壊の一撃!! これが花房 萌だああああああああああ!!》
《驚かされるばかりですねぇ》
そう。西田メンバーが俺の攻撃力に驚くと同じ、まったく動じないダーク=ノワールの態度に俺は内心驚かされた。
己の魔法陣がことごとく破壊されたと言うのに、未だに腕組みをして俺を睨みつけてくる。
「♰小手調べと思い攻撃したが、やはり此れしきの魔法では貴様を倒せんか……♰」
「……」
「♰さすがは我が好敵手……! 貴様の女の乳と同じく、貴様自身の力も強大……! まさに我に立ちはだかる強大な壁としてふさわしい!!♰」
「……」
……いやまぁ。急にビシッと指さされたし、なんか黒マスクがもぞもぞ動いてるから喋ってるのかなぁって思ったけどその通りだったようだ。
しかも俺の毒電波受信乳首アンテナがあいつのセクハラ発言を受信した。サラッとセクハラしてんじゃねーよ中二野郎。
そんなことを想っていると。
「♰魔法剣――ソードオブライト♰」
おもむろにソードオブライトを生成。右手に剣、左手にも剣な二刀流だ。
「♰フフフ。近接戦がやや不出来だと思われているからな。それを払拭するため、貴様にも一興を興じて貰うぞ!!」
脚に魔力を纏い強化。それを見た俺はダーク=ノワールと同じくもう片方の手にオーラ剣を持った。
瞬間――
ギギャンッ!!
「おおお!!」
「ッ」
腕にも魔力を纏い縦に振り下ろされるソードオブライト。それを迎え撃つ形で斜めで受け止めた。
オーラの欠片と光の欠片が爆ぜる様に散る。
《ここでまさかの接近戦ッ!! 超攻撃型である花房の土俵に戸島が自ら上がったあああああああ!!》
縦、横、斜め。下から上へ、突きも織り交ぜるダーク=ノワールの剣捌き。魔力を帯びた身体強化に驚くが、加えてソードオブライトの質も上がっているようだ。
予選の時からずっと強くなっている。
ブオンッ!
「!」
「♰ソードオブライトはファンネルを有していると忘れたか!!♰」
奴の頭後ろからソードが襲ってきた。しかし首を傾けて回避に成功。光の剣が床に突き刺さり光って消える。
「――」
縦一閃。
「――」
横一閃。
剣どうしがぶつかり合う度に欠片という光が舞う。
お互いのスキを作らせる殺陣。それが今行われている剣のしばき合い。したがい、俺と戸島、両名の剣劇は拮抗。バリアも当然無傷。
だがそれは――
「――ッガハ!?♰」
俺がダーク=ノワールの一興に付き合っていたからだ。
《唐突の前蹴りいいいいいいい!! 腹部に突き刺さった脚の威力が吹き飛んだ戸島の苦悶な表情で伺えます!!》
《わかりやすく言うとヤクザキックですね。腹からのバリアのヒビが肩まで伸びてる様子……。戸島くんは気が気じゃないでしょうねぇ》
バリアの具合を目視したダーク=ノワール。目を細め俺を睨んできた。
「これでもまだ手加減してる方なんだ。むやみやたらに俺の土俵でイキるのやめてもらっていいですか?」
「♰……攻撃力は論破王のひろゆき並だがぁ、どうやら論破したいおつむは銀魂の将軍の将軍ほどらしいな♰」
「しょうちゃんに謝れダーク=ノワール!? 最高にかっこよかったろ!?」
回りくどい事言いやがって! 要は煽ってる俺と同じく煽ってるて事だろ。
「♰……さて♰」
ダーク=ノワールの雰囲気が冷たくなり、急にガラリと変わった。
「♰認めよう。貴様の土俵ではまだまだ敵わないと再認識した♰」
「一応認識はしてたんだ……」
「♰悔しいが、我が土俵で戦うしかあるまい!!♰」
瞬間、薄紫の魔法陣が音を立てて展開。二つ、四つ、八つ、そして十を通り越して二十ほど。
俺の目視では従来の倍は展開された魔法陣が出現した。
《……ウソだろ?》
《戸島の魔法陣が無数に展開!! クゥ^~~!!》
これで決める。
その意志が現れた様に魔法陣が発光。
「――アルテミット――スレイズ」
上げた手を下したダーク=ノワール。
その言葉が皮切りに、彼が最もあつかい易い魔法が一斉に射出された。
筆舌に尽くし難い攻撃。
俺はトラウマを乗り越えるが如くオーラ剣を使って再度魔法陣ごと破壊。
だが倍以上になった魔法陣を全て斬る事は叶わず、そのまま本体へ直行。
「――!」
ソードオブライトを構えるダーク=ノワール。
「――」
俺はそのままオーラ剣で受け立たれたソードオブライトを破壊。
砕けるソード。
見開く戸島。
勢いのまま胸へ突き。
「――マジック・シリンダー♰」
突如剣先に出現した魔法の筒。
その中にオーラ剣の剣先が入り、眼前に現れた別の筒からオーラ剣の剣先が見えた。
「ッッ~~」
辛くも直撃を避け頬のバリアにダメージを負わせられた。
このまま右手のオーラ剣で戸島を斬る。
「♰聖なる――」
だが――
「――ミラーフォース!!」
まるで初めから戸島を守っていたかの様に目視できた鏡の障壁。
まさかの魔法二段構え。
しかし、俺は寸ででオーラ剣を手放し、敵意無い力の抜いた手でミラーフォースを搔い潜る。
そのまま全力の握撃で戸島の顔面のバリアを握った。
「「――――」」
パリンとバリアが割れた音が響いた。
騒然とする会場。
冷静なレフェリーの獅童。
「勝者ッ――――」
彼の一声で、勝敗が決まった。
基は同人ゲームで今は大衆に認識されている某運命の主要人物。その彼が持つ宝具の名称だ。
彼が所有する宝物庫そのものであり、その鍵でもある。
ではただの一般人がゲートオブ○ビロンを使用したとしよう。波紋を広げるゲート、そこからヌルっと出てくるのはタンスや物置に閉まった家具や小物が精々。俺だったら間違いなくテ○ガが出てくる。
だが運命の主要人物の彼が、ゲートオブバビロンの持ち主の彼が使用すると話が違う。
人間の範囲がまだ矮小かつ神がそこにいる神代。ありとあらゆる財宝を集めた彼の宝物庫。様々な神話に出てくる原典が収められていた。
巨人を、怪物を、神を、人を討った、誰もが一度は聞いたことのある神話の武器。それをゲートオブバビロンから出てくるものだからあぁ^~たまらねぇぜ。
色々と言ったけど、とどのつまり、背後に無数のゲートが開き、そこから射出される神代武器の数々。ゲートオブバビロンを見たものは、そのあまりにも異様な光景を脳裏に刻まれるだろう。
要は男心くすぐるほどにカッコいいのだ。
背後に広がる無数の魔法陣。バビロニアを統べた彼と同様に丁寧な腕組み。惜しくも黄金の甲冑ではなく黒装束だが、マスクの下でほくそ笑む顔は似たり寄ったりだろう。
そう。それは俺の目の前で模造という形で再現されている。
「♰――魔法発動 アルテミット・スレイズッ!!♰」
三回戦第二試合にして今宵最後の試合。
レフェリーの獅童さんが開始の合図を出したと同時に展開された十個の魔法陣。
魔法陣の大きさは、巨大魔法陣を有しながらも二回戦で敗退したアズにゃんとは全く違う一般的な大きさだけど、ぽつぽつとアルテミット・スレイズの複数の先端が一つの魔法陣から顔を見せた。
「――」
瞬間。魔法陣から放たれたアルテミット・スレイズ。
無数の音と無数の軌道。両方が唸りをあげ一斉にターゲットである俺目掛けて襲ってくるではないか。
「バル〇ウスかよ」
妙な既視感を覚えたのは、苦節百億年の果てに発売されたアーマードコア6のボス、バルテウス。
あ~もうめちゃくちゃだよ――でお馴染み、ナショジオのシェフの吹き替え担当である杉田氏もびっくりなミサイルの雨あられ。文字通り初心者も玄人も木っ端微塵に爆ぜさせたバル○ウスのミサイルを彷彿とさせるアルテミット・スレイズだ。
正直に白状しよう。バル○ウスくん。キミのおかげでコントローラーぶっ潰しちゃった☆ もっと細かく言えば、LRトリガーとL2R2トリガーを圧し潰し、アナログスティックが背面を割って陥没。持ち手はもちろん潰した。
機体のアセンを変えつつトライアルアンドエラーを繰り返し、やっとこさ倒した。
え? ワンダと○像みたいなスロー演出で最後の一撃は切ない?
何言ってんの? 超爽快で思いっ切り唾飛ばしたわ!
「――」
でだ。近年稀に見る弩級のミサイル攻撃だったけど、なぜゲームの中だけじゃなく現実でもバル○ウスミサイルを見なくちゃならんのか……。
このままダッシュで回避したとしよう。一瞬画面から消えたミサイルが横と後ろから猛撃。撮影された精子みたいにぶっかけられる事になるだろう。
じゃあ避ける選択肢ではなく、オーラ剣による撃墜を選択するのはどうだろう。
確かに出力を上げたオーラ剣なら束になったアルテミット・スレイズの一個団体を消すことは可能だろう。でもそれじゃ別の魔法陣から出たスレイズにカマを掘られるのがオチだ。
では諸悪の根源であるバル○ウスもといダーク=ノワールを直接狙うのはどうだろうか。
アルテミット・スレイズが俺に着弾するよりまえに一瞬で決着をつければ問題ない。
でもそれは現実的じゃない。
バルテウスが火炎放射器をブレードみたく振り回す近接攻撃。むろんダーク=ノワールも近接武器――ソードオブライトをぶん回して来るだろう。
確か、合計で三本のソードオブライトを生成でき、しかも浮遊して独自で剣が俺を襲う使用にもなっていた。バル○ウスの火炎放射器による二連撃の方がまだマシである。
「ッチ、フゥーーーーー」
てな感じで普段しない舌打ちをし、バルテウスに五連続敗退を帰した時と同じように苛まれる。
結果、事は単純明快。
張り付いて張り付いての完全ゴリ押しでバルテウスから勝利を捥ぎ取った単純戦法と同様に、俺の行動も単純が良い。
「――おおおおおおおおお!!!!」
目を見開いた俺はオーラ剣を両手持ち。
(貴様! 人が死んだんだぞ!(プレイヤー)いっぱい人が死んだんだぞ!!(ブレイヤー))
最大に近い出力を上げ――
「遊びでやってんじゃないんだよ!」
ドワオッ!!
ストレスの要因であるバルテウスのミサイル、アルテミット・スレイズを出している複数の魔法陣に向け大出力のオーラ斬り。
アルテミット・スレイズごと魔法陣を両断し、そのまま下段列に並ぶ魔法陣を捕らえる。
「ここからいなくなれー!!」
ガラスが割れた様に魔法陣が崩壊。開始間際に放ったアルテミット・スレイズは俺の怒りを受けその一切を消滅した。
《なッ!? なんと言うことでしょうかあああああああ!! 戸島の魔法が魔法陣もろとも一刀両断ッ!! クゥ^~~!!》
急にワーワーと会場が大いに騒がしくなる。
「萌えええええええええええ!! カッコいいいいいいいい!!」
「押忍ッ!! 押忍ッッ!! きたあああああああああああ!!!!」
「……やるな、萌」
俺に近しい友の歓声も聞こえてきた。
《まさに破壊の一撃!! これが花房 萌だああああああああああ!!》
《驚かされるばかりですねぇ》
そう。西田メンバーが俺の攻撃力に驚くと同じ、まったく動じないダーク=ノワールの態度に俺は内心驚かされた。
己の魔法陣がことごとく破壊されたと言うのに、未だに腕組みをして俺を睨みつけてくる。
「♰小手調べと思い攻撃したが、やはり此れしきの魔法では貴様を倒せんか……♰」
「……」
「♰さすがは我が好敵手……! 貴様の女の乳と同じく、貴様自身の力も強大……! まさに我に立ちはだかる強大な壁としてふさわしい!!♰」
「……」
……いやまぁ。急にビシッと指さされたし、なんか黒マスクがもぞもぞ動いてるから喋ってるのかなぁって思ったけどその通りだったようだ。
しかも俺の毒電波受信乳首アンテナがあいつのセクハラ発言を受信した。サラッとセクハラしてんじゃねーよ中二野郎。
そんなことを想っていると。
「♰魔法剣――ソードオブライト♰」
おもむろにソードオブライトを生成。右手に剣、左手にも剣な二刀流だ。
「♰フフフ。近接戦がやや不出来だと思われているからな。それを払拭するため、貴様にも一興を興じて貰うぞ!!」
脚に魔力を纏い強化。それを見た俺はダーク=ノワールと同じくもう片方の手にオーラ剣を持った。
瞬間――
ギギャンッ!!
「おおお!!」
「ッ」
腕にも魔力を纏い縦に振り下ろされるソードオブライト。それを迎え撃つ形で斜めで受け止めた。
オーラの欠片と光の欠片が爆ぜる様に散る。
《ここでまさかの接近戦ッ!! 超攻撃型である花房の土俵に戸島が自ら上がったあああああああ!!》
縦、横、斜め。下から上へ、突きも織り交ぜるダーク=ノワールの剣捌き。魔力を帯びた身体強化に驚くが、加えてソードオブライトの質も上がっているようだ。
予選の時からずっと強くなっている。
ブオンッ!
「!」
「♰ソードオブライトはファンネルを有していると忘れたか!!♰」
奴の頭後ろからソードが襲ってきた。しかし首を傾けて回避に成功。光の剣が床に突き刺さり光って消える。
「――」
縦一閃。
「――」
横一閃。
剣どうしがぶつかり合う度に欠片という光が舞う。
お互いのスキを作らせる殺陣。それが今行われている剣のしばき合い。したがい、俺と戸島、両名の剣劇は拮抗。バリアも当然無傷。
だがそれは――
「――ッガハ!?♰」
俺がダーク=ノワールの一興に付き合っていたからだ。
《唐突の前蹴りいいいいいいい!! 腹部に突き刺さった脚の威力が吹き飛んだ戸島の苦悶な表情で伺えます!!》
《わかりやすく言うとヤクザキックですね。腹からのバリアのヒビが肩まで伸びてる様子……。戸島くんは気が気じゃないでしょうねぇ》
バリアの具合を目視したダーク=ノワール。目を細め俺を睨んできた。
「これでもまだ手加減してる方なんだ。むやみやたらに俺の土俵でイキるのやめてもらっていいですか?」
「♰……攻撃力は論破王のひろゆき並だがぁ、どうやら論破したいおつむは銀魂の将軍の将軍ほどらしいな♰」
「しょうちゃんに謝れダーク=ノワール!? 最高にかっこよかったろ!?」
回りくどい事言いやがって! 要は煽ってる俺と同じく煽ってるて事だろ。
「♰……さて♰」
ダーク=ノワールの雰囲気が冷たくなり、急にガラリと変わった。
「♰認めよう。貴様の土俵ではまだまだ敵わないと再認識した♰」
「一応認識はしてたんだ……」
「♰悔しいが、我が土俵で戦うしかあるまい!!♰」
瞬間、薄紫の魔法陣が音を立てて展開。二つ、四つ、八つ、そして十を通り越して二十ほど。
俺の目視では従来の倍は展開された魔法陣が出現した。
《……ウソだろ?》
《戸島の魔法陣が無数に展開!! クゥ^~~!!》
これで決める。
その意志が現れた様に魔法陣が発光。
「――アルテミット――スレイズ」
上げた手を下したダーク=ノワール。
その言葉が皮切りに、彼が最もあつかい易い魔法が一斉に射出された。
筆舌に尽くし難い攻撃。
俺はトラウマを乗り越えるが如くオーラ剣を使って再度魔法陣ごと破壊。
だが倍以上になった魔法陣を全て斬る事は叶わず、そのまま本体へ直行。
「――!」
ソードオブライトを構えるダーク=ノワール。
「――」
俺はそのままオーラ剣で受け立たれたソードオブライトを破壊。
砕けるソード。
見開く戸島。
勢いのまま胸へ突き。
「――マジック・シリンダー♰」
突如剣先に出現した魔法の筒。
その中にオーラ剣の剣先が入り、眼前に現れた別の筒からオーラ剣の剣先が見えた。
「ッッ~~」
辛くも直撃を避け頬のバリアにダメージを負わせられた。
このまま右手のオーラ剣で戸島を斬る。
「♰聖なる――」
だが――
「――ミラーフォース!!」
まるで初めから戸島を守っていたかの様に目視できた鏡の障壁。
まさかの魔法二段構え。
しかし、俺は寸ででオーラ剣を手放し、敵意無い力の抜いた手でミラーフォースを搔い潜る。
そのまま全力の握撃で戸島の顔面のバリアを握った。
「「――――」」
パリンとバリアが割れた音が響いた。
騒然とする会場。
冷静なレフェリーの獅童。
「勝者ッ――――」
彼の一声で、勝敗が決まった。
115
あなたにおすすめの小説
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
我らダンジョン攻略部〜もしも現実世界にダンジョンができて、先行者利益を得られたら〜
一日千秋
ファンタジー
昨今、話題の現実にダンジョンができる系の作品です。
高校生達のダンジョン攻略と日常の学校生活、ビジネス活動を書いていきます。
舞台は2025年、
高校2年生の主人公の千夏将人(チナツマサト)は
異世界漫画研究部の部長をしています。
同じ部活の友人たちとある日突然できたダンジョンに
できてすぐ侵入します。
オタクは知っている、ダンジョンには先行者利益があることを。
そして、得たスキルでこつこつダンジョンを攻略していき、日本で影響力をつけていった先に待ち受ける困難とは!?
ダンジョンの設定はステータス、レベル、スキルあり、ダンジョン内のモンスターの死体はしっかり消えます。
一話につき1000〜2500文字くらいの読みやすい量になっているので初心者には読みやすい仕様になっております。
キャラクターはところどころ新キャラが出てきますがメインストーリーは主に3人なので複雑になりすぎないように心がけています。
「いいね」頂けるととても嬉しいです!
「お気に入り」登録も最高に嬉しいです!
よろしくお願いします!
※契約書、経済システムの書式、掲示板テンプレはAI生成を活用して制作しております。修正、加筆は行っております。ご了承下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる