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社会人×学生
一人きりになるとひどく寂しくなる薬
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恋人に素直になれない20歳なんてヤバくない?
僕には勉強も料理も出来て清潔感溢れるカッコいい恋人がいる。
大学に通う僕とは4つ歳が離れていて、恋人である朝陽は商社で働いていて、親の許可を貰って一緒に住んでいる。
そんな朝陽に僕はいつも素直に気持ちを伝えられない。
恥ずかしくてツンとした態度になっちゃうんだ。
今日だって、朝お見送りをするために玄関に立っていると、靴を履いた朝陽がコチラを振り向いて僕の頭を撫でながらこう言ったんだ。
「明日は休みだし詩音とイチャイチャできるって考えると今日も頑張れる気がするよ」
こんなことをサラッと言えちゃう僕の恋人、余裕があってカッコ良すぎない!?
それなのに僕の返事ときたら...
「そっか。お仕事がんばってね」
可愛げもない返事しか出来なかった...
すごく嬉しかったのに、絶対伝わってなかっただろうな。
こんなのが続いたらいつか別れを告げられちゃうかもしれない....
いってらっしゃいと見送ってから、僕も大学へ行く。
朝の事を引きずって大学でも意気消沈していると、休み時間に親友である悠斗が話しかけてきた。
「最近彼氏と倦怠期?」
そんなに暗い顔をしていたのだろうか???
僕に彼氏がいることを知っている悠斗はニヤニヤ笑っている。
「そんなんじゃないよ!
ただ、僕が悪いんだ...
気持ちとか、上手く伝えられなくて...」
そう、倦怠期とかじゃない!
ただただ僕の愛想が悪いだけなのだ
朝の失敗を思い出してまた病んでいると、
良い薬があるぞ!!
とバシバシ僕の背中を叩き嫌な予感がするほど嬉しそうにカバンを探り始めた。
「変なのとかお断りだからな」
「大丈夫だって!
はいこれ!彼氏が帰ってくる2時間前に飲んでね」
自信満々に出された薬はどこにでもあるようなピンクの錠剤だった。
アレグラかな??
「危ないものじゃないんでしょ?
どういう薬なの?」
「言ったら面白くないじゃんー
でも違法なお薬じゃないよ」
「ふーん....」
まぁ、ポワポワしている悠斗にヤクザの伝手があるとも思えないので危なくはないのかもしれない
「まぁ、飲んでみよっかな」
______________________
2時間前、ということで薬は大学から帰宅してすぐに飲んでみた。
「はぁ、さびしい」
薬を飲んで1時間後、ソファに寝っ転がりながら自然とそう呟いてしまう。
なんだか心にポッカリ穴が空いたみたいだ。
これは薬の効果なのかな
静かな部屋に響き渡る時計の音がいつもより大きく響いてる。
なんだか朝陽に抱きしめてもらったら落ち着く気がするなぁ
一度そう思ったら頭の中は朝陽のことで埋め尽くされて、会いたくて会いたくて堪らなくなってしまった。
もう仕事は終わっている時間だ。
いつもは我慢できるのに、今日は気が付いたらスマホを取って朝陽に連絡していた。
“早く帰ってきて”
“寂しい”
送信してから恥ずかしくなって消そうと思ったけれど秒で既読が付いてしまった。
“すぐ帰るから待ってて”
迷惑かけちゃったりしてないかな
そう思いつつも、朝陽がすぐ帰ってきてくれる嬉しさと今は居ない寂しさでソワソワしてしまい、待っている間ずっと朝陽の部屋に篭っていた。
______________________
「ただいまー、詩音?」
「朝陽お帰り!!ずっと待ってた!」
待ちかねた恋人が帰ってきた!
トットットッと朝陽の部屋から玄関に飛び出して思いっきり抱きつく。
バスケをやっている朝陽はしっかりと受け止めてくれた。
成人済みがこんなことして...と恥ずかしくなってきたけれど既に抱きついてしまったのだからと開き直って朝陽が手を洗ったり荷物を置いたりしている時もずっとくっついていた。
ポッカリ穴が空いているようだった心も、朝陽がいるってだけで満たされていくのを感じた。
「なに~どうしてそんな甘えたなの?」
ソファに座った朝陽が僕を膝に乗せながら尋ねる。
ギューとハグされて朝陽の体温を感じるといつもより素直に言葉が出せる謎の自信が湧いてくる
「1人がさびしくて、」
「うん」
「あいたかった、あさひにぎゅーしてもらいたかった」
「うん。かわいい...」
「あと、沢山キスもしてほしいの」
「そっか、、、それで?」
「....え?」
「あともう一つ言わなきゃいけないことがあるんじゃない?」
なんのことだろう?
ずっと抱きしめてくれているし、声音も優しいので怒っているわけではなさそうだ。
「うーん...
へんなくすりのんでごめんなさい?」
「...薬?
いや、そういう話じゃなi...え?薬??やばいやつじゃないよね?」
「うん、たぶん」
「まぁ、一旦その話は置いておいて、詩音は僕に会いたくてハグそてキスしたかったんだよね?」
「うん」
「それで終わりでいいの?その先はなんかないの?」
その先、、、
ハグしてキスしてそしたら、、、
そしたら、、、
「あさひといっぱいせっくすしてギューしながら寝たい...朝起きた時もあさひにギューされたままがいい」
「...っそうだね。
じゃあ詩音のお願い通りに今からいっぱいセックスしようか」
「うん!うれしい...!」
「はぁぁぁかぁわいい....」
チュッチュと首筋に啄むようなキスを落とされてから、ガバッと横抱きされて寝室に連れて行かれた。
「沢山甘やかさせてね」
その言葉通り、翌日立てなくなるほどドロドロに甘やかしてもらったのであった。
_________________
朝起きると、朝陽の胸板が目に飛び込んできた。約束通り朝までハグしてもらえて気分が急上昇する。
いや、目が覚めた時にハグされていたっていうのはよくあるんだけど、朝陽の腕を下敷きにしてしまっているのが申し訳なくてすぐに退いちゃうんだ。
でも今日は遠慮しないぞ!
朝陽も願い聞いてくれるって言ってたし。
すごい鍛えられているなぁ
細マッチョって感じで最高
なんてこと思いながら腕の中にいる幸せを噛み締めていると、朝陽が目を覚ました。
「おはよう詩音。愛してるよ」
微笑みながら額にキスされる。
幸せだなぁ
「僕も朝陽のこと結婚したいくらい好き」
薬の効果は切れている筈なのに、言いたい言葉がスラスラ出てきた。
これをきっかけにもうちょっと素直に言葉を伝えていきたい...!
そうニコニコしていると、
「えーじゃあもう結婚しちゃおっか!」
なんて嬉しそうに笑う朝陽が神々しすぎて
「え、うん...どうぞ...?」
とまた通常運営に戻ってしまった。
可愛げのある恋人になるにはまだほど遠そうだ...
______________________
お題箱で出た薬です!
ありがとうございました!
僕には勉強も料理も出来て清潔感溢れるカッコいい恋人がいる。
大学に通う僕とは4つ歳が離れていて、恋人である朝陽は商社で働いていて、親の許可を貰って一緒に住んでいる。
そんな朝陽に僕はいつも素直に気持ちを伝えられない。
恥ずかしくてツンとした態度になっちゃうんだ。
今日だって、朝お見送りをするために玄関に立っていると、靴を履いた朝陽がコチラを振り向いて僕の頭を撫でながらこう言ったんだ。
「明日は休みだし詩音とイチャイチャできるって考えると今日も頑張れる気がするよ」
こんなことをサラッと言えちゃう僕の恋人、余裕があってカッコ良すぎない!?
それなのに僕の返事ときたら...
「そっか。お仕事がんばってね」
可愛げもない返事しか出来なかった...
すごく嬉しかったのに、絶対伝わってなかっただろうな。
こんなのが続いたらいつか別れを告げられちゃうかもしれない....
いってらっしゃいと見送ってから、僕も大学へ行く。
朝の事を引きずって大学でも意気消沈していると、休み時間に親友である悠斗が話しかけてきた。
「最近彼氏と倦怠期?」
そんなに暗い顔をしていたのだろうか???
僕に彼氏がいることを知っている悠斗はニヤニヤ笑っている。
「そんなんじゃないよ!
ただ、僕が悪いんだ...
気持ちとか、上手く伝えられなくて...」
そう、倦怠期とかじゃない!
ただただ僕の愛想が悪いだけなのだ
朝の失敗を思い出してまた病んでいると、
良い薬があるぞ!!
とバシバシ僕の背中を叩き嫌な予感がするほど嬉しそうにカバンを探り始めた。
「変なのとかお断りだからな」
「大丈夫だって!
はいこれ!彼氏が帰ってくる2時間前に飲んでね」
自信満々に出された薬はどこにでもあるようなピンクの錠剤だった。
アレグラかな??
「危ないものじゃないんでしょ?
どういう薬なの?」
「言ったら面白くないじゃんー
でも違法なお薬じゃないよ」
「ふーん....」
まぁ、ポワポワしている悠斗にヤクザの伝手があるとも思えないので危なくはないのかもしれない
「まぁ、飲んでみよっかな」
______________________
2時間前、ということで薬は大学から帰宅してすぐに飲んでみた。
「はぁ、さびしい」
薬を飲んで1時間後、ソファに寝っ転がりながら自然とそう呟いてしまう。
なんだか心にポッカリ穴が空いたみたいだ。
これは薬の効果なのかな
静かな部屋に響き渡る時計の音がいつもより大きく響いてる。
なんだか朝陽に抱きしめてもらったら落ち着く気がするなぁ
一度そう思ったら頭の中は朝陽のことで埋め尽くされて、会いたくて会いたくて堪らなくなってしまった。
もう仕事は終わっている時間だ。
いつもは我慢できるのに、今日は気が付いたらスマホを取って朝陽に連絡していた。
“早く帰ってきて”
“寂しい”
送信してから恥ずかしくなって消そうと思ったけれど秒で既読が付いてしまった。
“すぐ帰るから待ってて”
迷惑かけちゃったりしてないかな
そう思いつつも、朝陽がすぐ帰ってきてくれる嬉しさと今は居ない寂しさでソワソワしてしまい、待っている間ずっと朝陽の部屋に篭っていた。
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「ただいまー、詩音?」
「朝陽お帰り!!ずっと待ってた!」
待ちかねた恋人が帰ってきた!
トットットッと朝陽の部屋から玄関に飛び出して思いっきり抱きつく。
バスケをやっている朝陽はしっかりと受け止めてくれた。
成人済みがこんなことして...と恥ずかしくなってきたけれど既に抱きついてしまったのだからと開き直って朝陽が手を洗ったり荷物を置いたりしている時もずっとくっついていた。
ポッカリ穴が空いているようだった心も、朝陽がいるってだけで満たされていくのを感じた。
「なに~どうしてそんな甘えたなの?」
ソファに座った朝陽が僕を膝に乗せながら尋ねる。
ギューとハグされて朝陽の体温を感じるといつもより素直に言葉が出せる謎の自信が湧いてくる
「1人がさびしくて、」
「うん」
「あいたかった、あさひにぎゅーしてもらいたかった」
「うん。かわいい...」
「あと、沢山キスもしてほしいの」
「そっか、、、それで?」
「....え?」
「あともう一つ言わなきゃいけないことがあるんじゃない?」
なんのことだろう?
ずっと抱きしめてくれているし、声音も優しいので怒っているわけではなさそうだ。
「うーん...
へんなくすりのんでごめんなさい?」
「...薬?
いや、そういう話じゃなi...え?薬??やばいやつじゃないよね?」
「うん、たぶん」
「まぁ、一旦その話は置いておいて、詩音は僕に会いたくてハグそてキスしたかったんだよね?」
「うん」
「それで終わりでいいの?その先はなんかないの?」
その先、、、
ハグしてキスしてそしたら、、、
そしたら、、、
「あさひといっぱいせっくすしてギューしながら寝たい...朝起きた時もあさひにギューされたままがいい」
「...っそうだね。
じゃあ詩音のお願い通りに今からいっぱいセックスしようか」
「うん!うれしい...!」
「はぁぁぁかぁわいい....」
チュッチュと首筋に啄むようなキスを落とされてから、ガバッと横抱きされて寝室に連れて行かれた。
「沢山甘やかさせてね」
その言葉通り、翌日立てなくなるほどドロドロに甘やかしてもらったのであった。
_________________
朝起きると、朝陽の胸板が目に飛び込んできた。約束通り朝までハグしてもらえて気分が急上昇する。
いや、目が覚めた時にハグされていたっていうのはよくあるんだけど、朝陽の腕を下敷きにしてしまっているのが申し訳なくてすぐに退いちゃうんだ。
でも今日は遠慮しないぞ!
朝陽も願い聞いてくれるって言ってたし。
すごい鍛えられているなぁ
細マッチョって感じで最高
なんてこと思いながら腕の中にいる幸せを噛み締めていると、朝陽が目を覚ました。
「おはよう詩音。愛してるよ」
微笑みながら額にキスされる。
幸せだなぁ
「僕も朝陽のこと結婚したいくらい好き」
薬の効果は切れている筈なのに、言いたい言葉がスラスラ出てきた。
これをきっかけにもうちょっと素直に言葉を伝えていきたい...!
そうニコニコしていると、
「えーじゃあもう結婚しちゃおっか!」
なんて嬉しそうに笑う朝陽が神々しすぎて
「え、うん...どうぞ...?」
とまた通常運営に戻ってしまった。
可愛げのある恋人になるにはまだほど遠そうだ...
______________________
お題箱で出た薬です!
ありがとうございました!
応援ありがとうございます!
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好みど真ん中の作品をありがとうございます。読んでいるとにやけてしまうような話ばかりでとても面白かったです。また更新気が向いたらよろしくお願いします!
ありがとうございますッッ!!
不定期更新で文字数も少ないですが色んなハピエンss更新できたら良いなと思っております( ´ ▽ ` )
これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!