71 / 71
番外編
ロー兄様視点
しおりを挟む
「義父上!今度の義父上の休暇に二人で旅行に行こう!僕が計画を立てたんだよ」
いつも旅行はランベル公爵家の皆と一緒に行っていたのだが、二人だけで行くのは初めてだ。
それもいつの間にか計画まで立てたと言う。
可愛い息子のお誘いだ。僕の返事は決まっている。
「いいよ。どこに行くんだい?」
「到着するまでは秘密だよ」
カーティスが珍しくイタズラっ子のような顔をする。
使用人の手も借りずに楽しそうに荷造りする息子も子供らしくて可愛い。
この頃には僕たちはもう本当の親子のように二人の間に遠慮なんてものは無かった。
旅行日和にぴったりの晴れた日に僕たちは出発した。
日程は二泊三日の予定だそうだ。
もちろん馬車での移動で、周りには護衛も連れている。
到着したのは馬車から見える景色と方向から予測していた通り海辺の街だった。
確かにここは観光地だが、今の寒い時期には向かない場所だが⋯⋯カーティスには何か目的があるのだろう。
観光地だと言うこともあり、貴族向けの宿は沢山あるが中でも公爵家に相応しい安心安全な高級宿までをカーティスが手配していたのには驚いた。
「義父上!お腹がすきました!早く服を着替えて食事に行こう!」
貴族には見えないラフな格好に着替え、早く!早く!とはしゃぐカーティスに手を引かれた先には平民が利用するような食堂が見えてきた。
「あそこだよ!美味しいって有名なんだって!」
いつの間にそんな事まで調べていたのか⋯⋯
カーティスは余程楽しみにしていたようだ。
ただ、お腹が空いているだけかもしれないが⋯⋯
「いいじゃないか。一度くらい付き合ってくれよ」
「困ります」
「おい!こっちが下手に出てるからって調子に乗るなよ!」
「は、離して下さい」
どう見ても無理やりだ。
これは黙って見てられないな。
それに⋯⋯この声は知っている。
それに、あの後ろ姿も。
そう思った時にはカーティスを護衛に任せて走り出していた。
「義父上頑張って!」とカーティスの応援が聞こえた気がしたが気の所為だろう。
「うるせえ!お前のような年増を相手にしてやるって言ってんだ!言うこと聞かないと痛い目に合わせるぞ」
「おい!彼女に何をしようとした?」
女性を背に庇い男の腕を捻りあげた⋯⋯が、勢いがあり過ぎたのかゴキっと鳴る音と、男の悲鳴は同時だった。
すぐに護衛の一人が男を縛りあげてたのであとは任せて⋯⋯振り向いた。
「大丈夫かい?」
少し痩せたかな?
震えながらも彼女は「あ、ありがとうございました」とお礼を言ちながら顔を上げた。
彼女の赤いルビーのような瞳が見開かれ僕を映した。
「え?ど、どうして⋯⋯ここに?」
「うん、僕の息子がここに連れて来てくれたんだ」
誰から聞いたのか⋯⋯閣下しか居ないか。
カーティスは僕と彼女を会わせるためにここに連れて来たんだと気付いた。
「息子⋯⋯さん」
「そう、養子だけど本当の息子のように思っている」
「公爵様は今幸せですか?」
「⋯⋯そうだね。今が一番幸せかな」
良かったですと優しく微笑む。
「君は?」
身分を返上した彼女たち家族がこの海辺の街で暮らしているのは分かるが⋯⋯
「義父上!カッコよかったです!」
カーティスが駆け寄ってきた。丁度いいと彼女の僕の自慢の息子を紹介する。
「紹介するよ。僕の息子のカーティスだ」
「はじめまして。カーティス・スティアートです」
「はじめまして。リディアと申します」
「義父上、義父上、久しぶりに会ったんでしょう?僕は先に宿に帰っているから少し話をしてきたら?」
⋯⋯カーティスめ!
そうだな。僕も彼女のことはずっと気になっていたから⋯⋯
「少し話せるかな?」
彼女とゆっくり話したことは過去を振り返っても最後のあの時だけだ。
既にいい人かいれば断られるかもしれない。
「よろしいのですか?わたくしは今は平民ですよ」
「街の案内もお願いしたいな」
意外とあっさり彼女は頷いてくれた。
相変わらず彼女は控えめで、僕より少し後ろを歩こうとする彼女を横に並ばせた。
遠慮する彼女とランチを取り、歩き疲れるとカフェでお茶をする。
少しづつ彼女から今の生活を聞き出すと、爵位を返上したあとご両親とこの街で慎ましやかだが穏やかな生活を送っていたらしい。
三年前に父親が、七年前に母親が亡くなって今は商家の子供たちの家庭教師をしながら一人で暮らしていると。
彼女と砂浜にあるベンチに座って気になっていた事を聞いた。「結婚は?」と。見目もいい彼女はここで異性との出会いもあっただろう。
「わたくしには一生に一度の恋がありますから⋯⋯その思いだけでこの先もずっと一人で生きていけるのです」
そう言って微笑む君は⋯⋯あの頃と同じ真っ直ぐな眼差しを海に向けていた。
思いだけで生きて行けるなんて⋯⋯言わないで欲しい。
それが君の選んだ幸せなのか?女として子を産み育て母になりたくはなかったのか?僕は君の幸せを願っていたのに。
「そうか⋯⋯」
この先の言葉は出なかった。
まずはカーティスに相談が必要だ。彼の気持ちを優先する。彼さえ良ければ⋯⋯そう考えていた時だ。
「義父上情けないよ」
後ろからカーティスの呆れた声がした。
「カーティス」
「カーティスさん」
「僕には父様と義父上二人の父親がいるよ。だったら母様と義母上が居てもいいと思うんだ。⋯⋯ 義父上も素直になろうね」
まだ10歳のカーティスに諭されるなんてな。
ありがとうカーティス。
もう40にも近い僕だけど妻を迎えてもいいかな?
ベンチに座っている彼女の前に跪いて手を握る。
「僕も一生に一度の恋を胸に生きていくつもりだった。でも⋯⋯今も君が僕と同じ気持ちでいてくれると言うのなら僕と結婚してくれないか?」
「で、でも⋯⋯わたくしは平民で⋯⋯それに妹が⋯⋯」
「そんなことは関係ない。僕とカーティスと家族にならないか?」
家族に?⋯⋯と呟いてぽろぽろと涙をこぼす彼女は心からの気持ちを伝える。
「ずっと君が、リディアが好きだったよ。愛している。妻になってくれないか?」
次の日にはリディアの家庭教師先の商家に辞める旨を伝えるために挨拶に行ったり、リディアの荷物をまとめ予定よりも一日伸びてしまったが帰路に着いた。
馬車の中で平民になってからのことを人懐っこい笑顔でカーティスが上手く聞き出していた。(我が息子ながら末恐ろしいなカーティスはリディアをすでに義母上と呼んでいる)
リディアは今までにも男たちから強引な誘いはあったそうだが、その度にどこかから知らない男が現れて助けられていたそうだ。お礼を言う前にいつの間にか姿を消していたそだ。
閣下⋯⋯いつからリディアに見守り隊を付けていたんだ?
まずは閣下に報告と⋯⋯お礼だ。
こうなる事を予想していたのかランベル家の応接間のテーブルには婚姻届まで用意されていた。
有り難いが閣下のニヤついた顔がなんだがムカつくのだが⋯⋯
そして、今は僕の部下のフェリクスも閣下とニヤつく顔が似ていてムカつくな!
それに比べルナの「ロー兄様良かったですね」と喜んでくれる可愛らしさよ。
まあ、有り難く婚姻届を使わせてもらい、リディアと一緒にサインをする。
もちろん保証人欄は閣下だ。
そのまま教会に届けを出してから我が家に戻った。
⋯⋯どれだけ手筈を整えていたんだよ!
カーティスが今日はランベル家に泊まると言い出した時に気付くべきだった。
すでに公爵夫人の部屋も、夫婦の寝室も出来上がっていた⋯⋯
⋯⋯初夜?
え?いいのか?
僕は思春期の頃には諦めていたから実践で伽教育を受けていない。本の中でしか知らないぞ。
落ち着け。まずは夕食だ。それにリディアを疲れているだろう。ゆっくり休ませてあげたい。
そう思っていたのだが⋯⋯結局はリディアをさらに疲れさせてしまった。
リディアとの口付けも、夜の行為も、幸せそうに眠るリディアの寝顔を見るのも初めてだった。
ルナがあの家を追い出されて、初めて姪っ子に会えた時も、ルナに子供たちが生まれた時も、カーティスが僕の息子になってくれると言った時も幸せを感じていた。
閣下⋯⋯幸せって増えていくんですね。
ありがとうございます閣下。
貴方が僕の義兄上で良かった。
今度は僕が家族を幸せにします。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
これで番外編も完結です。
最後まで稚拙な小説にお付き合い下さりありがとうございましたm(_ _)m
沢山の感想とエールといいねをありがとうございました。
ずっと励みになっておりました。
結婚後のルナとフェイのイチャイチャやロー兄様とリディアのイチャイチャが描けなかったことは少し心残りですが読者様のご想像にお任せ致します。(*˘︶˘*).。.:*♡
これからもkanaをよろしくお願い致します。
いつも旅行はランベル公爵家の皆と一緒に行っていたのだが、二人だけで行くのは初めてだ。
それもいつの間にか計画まで立てたと言う。
可愛い息子のお誘いだ。僕の返事は決まっている。
「いいよ。どこに行くんだい?」
「到着するまでは秘密だよ」
カーティスが珍しくイタズラっ子のような顔をする。
使用人の手も借りずに楽しそうに荷造りする息子も子供らしくて可愛い。
この頃には僕たちはもう本当の親子のように二人の間に遠慮なんてものは無かった。
旅行日和にぴったりの晴れた日に僕たちは出発した。
日程は二泊三日の予定だそうだ。
もちろん馬車での移動で、周りには護衛も連れている。
到着したのは馬車から見える景色と方向から予測していた通り海辺の街だった。
確かにここは観光地だが、今の寒い時期には向かない場所だが⋯⋯カーティスには何か目的があるのだろう。
観光地だと言うこともあり、貴族向けの宿は沢山あるが中でも公爵家に相応しい安心安全な高級宿までをカーティスが手配していたのには驚いた。
「義父上!お腹がすきました!早く服を着替えて食事に行こう!」
貴族には見えないラフな格好に着替え、早く!早く!とはしゃぐカーティスに手を引かれた先には平民が利用するような食堂が見えてきた。
「あそこだよ!美味しいって有名なんだって!」
いつの間にそんな事まで調べていたのか⋯⋯
カーティスは余程楽しみにしていたようだ。
ただ、お腹が空いているだけかもしれないが⋯⋯
「いいじゃないか。一度くらい付き合ってくれよ」
「困ります」
「おい!こっちが下手に出てるからって調子に乗るなよ!」
「は、離して下さい」
どう見ても無理やりだ。
これは黙って見てられないな。
それに⋯⋯この声は知っている。
それに、あの後ろ姿も。
そう思った時にはカーティスを護衛に任せて走り出していた。
「義父上頑張って!」とカーティスの応援が聞こえた気がしたが気の所為だろう。
「うるせえ!お前のような年増を相手にしてやるって言ってんだ!言うこと聞かないと痛い目に合わせるぞ」
「おい!彼女に何をしようとした?」
女性を背に庇い男の腕を捻りあげた⋯⋯が、勢いがあり過ぎたのかゴキっと鳴る音と、男の悲鳴は同時だった。
すぐに護衛の一人が男を縛りあげてたのであとは任せて⋯⋯振り向いた。
「大丈夫かい?」
少し痩せたかな?
震えながらも彼女は「あ、ありがとうございました」とお礼を言ちながら顔を上げた。
彼女の赤いルビーのような瞳が見開かれ僕を映した。
「え?ど、どうして⋯⋯ここに?」
「うん、僕の息子がここに連れて来てくれたんだ」
誰から聞いたのか⋯⋯閣下しか居ないか。
カーティスは僕と彼女を会わせるためにここに連れて来たんだと気付いた。
「息子⋯⋯さん」
「そう、養子だけど本当の息子のように思っている」
「公爵様は今幸せですか?」
「⋯⋯そうだね。今が一番幸せかな」
良かったですと優しく微笑む。
「君は?」
身分を返上した彼女たち家族がこの海辺の街で暮らしているのは分かるが⋯⋯
「義父上!カッコよかったです!」
カーティスが駆け寄ってきた。丁度いいと彼女の僕の自慢の息子を紹介する。
「紹介するよ。僕の息子のカーティスだ」
「はじめまして。カーティス・スティアートです」
「はじめまして。リディアと申します」
「義父上、義父上、久しぶりに会ったんでしょう?僕は先に宿に帰っているから少し話をしてきたら?」
⋯⋯カーティスめ!
そうだな。僕も彼女のことはずっと気になっていたから⋯⋯
「少し話せるかな?」
彼女とゆっくり話したことは過去を振り返っても最後のあの時だけだ。
既にいい人かいれば断られるかもしれない。
「よろしいのですか?わたくしは今は平民ですよ」
「街の案内もお願いしたいな」
意外とあっさり彼女は頷いてくれた。
相変わらず彼女は控えめで、僕より少し後ろを歩こうとする彼女を横に並ばせた。
遠慮する彼女とランチを取り、歩き疲れるとカフェでお茶をする。
少しづつ彼女から今の生活を聞き出すと、爵位を返上したあとご両親とこの街で慎ましやかだが穏やかな生活を送っていたらしい。
三年前に父親が、七年前に母親が亡くなって今は商家の子供たちの家庭教師をしながら一人で暮らしていると。
彼女と砂浜にあるベンチに座って気になっていた事を聞いた。「結婚は?」と。見目もいい彼女はここで異性との出会いもあっただろう。
「わたくしには一生に一度の恋がありますから⋯⋯その思いだけでこの先もずっと一人で生きていけるのです」
そう言って微笑む君は⋯⋯あの頃と同じ真っ直ぐな眼差しを海に向けていた。
思いだけで生きて行けるなんて⋯⋯言わないで欲しい。
それが君の選んだ幸せなのか?女として子を産み育て母になりたくはなかったのか?僕は君の幸せを願っていたのに。
「そうか⋯⋯」
この先の言葉は出なかった。
まずはカーティスに相談が必要だ。彼の気持ちを優先する。彼さえ良ければ⋯⋯そう考えていた時だ。
「義父上情けないよ」
後ろからカーティスの呆れた声がした。
「カーティス」
「カーティスさん」
「僕には父様と義父上二人の父親がいるよ。だったら母様と義母上が居てもいいと思うんだ。⋯⋯ 義父上も素直になろうね」
まだ10歳のカーティスに諭されるなんてな。
ありがとうカーティス。
もう40にも近い僕だけど妻を迎えてもいいかな?
ベンチに座っている彼女の前に跪いて手を握る。
「僕も一生に一度の恋を胸に生きていくつもりだった。でも⋯⋯今も君が僕と同じ気持ちでいてくれると言うのなら僕と結婚してくれないか?」
「で、でも⋯⋯わたくしは平民で⋯⋯それに妹が⋯⋯」
「そんなことは関係ない。僕とカーティスと家族にならないか?」
家族に?⋯⋯と呟いてぽろぽろと涙をこぼす彼女は心からの気持ちを伝える。
「ずっと君が、リディアが好きだったよ。愛している。妻になってくれないか?」
次の日にはリディアの家庭教師先の商家に辞める旨を伝えるために挨拶に行ったり、リディアの荷物をまとめ予定よりも一日伸びてしまったが帰路に着いた。
馬車の中で平民になってからのことを人懐っこい笑顔でカーティスが上手く聞き出していた。(我が息子ながら末恐ろしいなカーティスはリディアをすでに義母上と呼んでいる)
リディアは今までにも男たちから強引な誘いはあったそうだが、その度にどこかから知らない男が現れて助けられていたそうだ。お礼を言う前にいつの間にか姿を消していたそだ。
閣下⋯⋯いつからリディアに見守り隊を付けていたんだ?
まずは閣下に報告と⋯⋯お礼だ。
こうなる事を予想していたのかランベル家の応接間のテーブルには婚姻届まで用意されていた。
有り難いが閣下のニヤついた顔がなんだがムカつくのだが⋯⋯
そして、今は僕の部下のフェリクスも閣下とニヤつく顔が似ていてムカつくな!
それに比べルナの「ロー兄様良かったですね」と喜んでくれる可愛らしさよ。
まあ、有り難く婚姻届を使わせてもらい、リディアと一緒にサインをする。
もちろん保証人欄は閣下だ。
そのまま教会に届けを出してから我が家に戻った。
⋯⋯どれだけ手筈を整えていたんだよ!
カーティスが今日はランベル家に泊まると言い出した時に気付くべきだった。
すでに公爵夫人の部屋も、夫婦の寝室も出来上がっていた⋯⋯
⋯⋯初夜?
え?いいのか?
僕は思春期の頃には諦めていたから実践で伽教育を受けていない。本の中でしか知らないぞ。
落ち着け。まずは夕食だ。それにリディアを疲れているだろう。ゆっくり休ませてあげたい。
そう思っていたのだが⋯⋯結局はリディアをさらに疲れさせてしまった。
リディアとの口付けも、夜の行為も、幸せそうに眠るリディアの寝顔を見るのも初めてだった。
ルナがあの家を追い出されて、初めて姪っ子に会えた時も、ルナに子供たちが生まれた時も、カーティスが僕の息子になってくれると言った時も幸せを感じていた。
閣下⋯⋯幸せって増えていくんですね。
ありがとうございます閣下。
貴方が僕の義兄上で良かった。
今度は僕が家族を幸せにします。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
これで番外編も完結です。
最後まで稚拙な小説にお付き合い下さりありがとうございましたm(_ _)m
沢山の感想とエールといいねをありがとうございました。
ずっと励みになっておりました。
結婚後のルナとフェイのイチャイチャやロー兄様とリディアのイチャイチャが描けなかったことは少し心残りですが読者様のご想像にお任せ致します。(*˘︶˘*).。.:*♡
これからもkanaをよろしくお願い致します。
7,544
お気に入りに追加
8,413
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(463件)
あなたにおすすめの小説
俺はお前ではなく、彼女を一生涯愛し護り続けると決めたんだ! そう仰られた元婚約者様へ。貴方が愛する人が、夜会で大問題を起こしたようですよ?
柚木ゆず
恋愛
※9月20日、本編完結いたしました。明日21日より番外編として、ジェラール親子とマリエット親子の、最後のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
お前の家ティレア家は、財の力で爵位を得た新興貴族だ! そんな歴史も品もない家に生まれた女が、名家に生まれた俺に相応しいはずがない! 俺はどうして気付かなかったんだ――。
婚約中に心変わりをされたクレランズ伯爵家のジェラール様は、沢山の暴言を口にしたあと、一方的に婚約の解消を宣言しました。
そうしてジェラール様はわたしのもとを去り、曰く『お前と違って貴族然とした女性』であり『気品溢れる女性』な方と新たに婚約を結ばれたのですが――
ジェラール様。貴方の婚約者であるマリエット様が、侯爵家主催の夜会で大問題を起こしてしまったみたいですよ?
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の名門公爵家の出身であるエレンは幼い頃から婚約者候補である第一王子殿下に全てを捧げて生きてきた。
彼を数々の悪意から守り、彼の敵を排除した。それも全ては愛する彼のため。
しかし、王太子となった彼が最終的には選んだのはエレンではない平民の女だった。
悲しみに暮れたエレンだったが、家族や幼馴染の公爵令息に支えられて元気を取り戻していく。
その一方エレンを捨てた王太子は着々と破滅への道を進んでいた・・・
【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~
塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます!
2.23完結しました!
ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。
相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。
ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。
幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。
好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。
そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。
それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……?
妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話
切なめ恋愛ファンタジー
【完結】愛され公爵令嬢は穏やかに微笑む
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
恋愛
「シモーニ公爵令嬢、ジェラルディーナ! 私はお前との婚約を破棄する。この宣言は覆らぬと思え!!」
婚約者である王太子殿下ヴァレンテ様からの突然の拒絶に、立ち尽くすしかありませんでした。王妃になるべく育てられた私の、存在価値を否定するお言葉です。あまりの衝撃に意識を手放した私は、もう生きる意味も分からくなっていました。
婚約破棄されたシモーニ公爵令嬢ジェラルディーナ、彼女のその後の人生は思わぬ方向へ転がり続ける。優しい彼女の功績に助けられた人々による、恩返しが始まった。まるで童話のように、受け身の公爵令嬢は次々と幸運を手にしていく。
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過
2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過
2022/02/15 小説家になろう 異世界恋愛(日間)71位
2022/02/12 完結
2021/11/30 小説家になろう 異世界恋愛(日間)26位
2021/11/29 アルファポリス HOT2位
2021/12/03 カクヨム 恋愛(週間)6位
王命での結婚がうまくいかなかったので公妾になりました。
しゃーりん
恋愛
婚約解消したばかりのルクレツィアに王命での結婚が舞い込んだ。
相手は10歳年上の公爵ユーグンド。
昔の恋人を探し求める公爵は有名で、国王陛下が公爵家の跡継ぎを危惧して王命を出したのだ。
しかし、公爵はルクレツィアと結婚しても興味の欠片も示さなかった。
それどころか、子供は養子をとる。邪魔をしなければ自由だと言う。
実家の跡継ぎも必要なルクレツィアは子供を産みたかった。
国王陛下に王命の取り消しをお願いすると三年後になると言われた。
無駄な三年を過ごしたくないルクレツィアは国王陛下に提案された公妾になって子供を産み、三年後に離婚するという計画に乗ったお話です。
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
巻き戻り令嬢は長生きしたい。二度目の人生はあなた達を愛しません
せいめ
恋愛
「アナ、君と私の婚約を解消することに決まった」
王太子殿下は、今にも泣きそうな顔だった。
「王太子殿下、貴方の婚約者として過ごした時間はとても幸せでした。ありがとうございました。
どうか、隣国の王女殿下とお幸せになって下さいませ。」
「私も君といる時間は幸せだった…。
本当に申し訳ない…。
君の幸せを心から祈っているよ。」
婚約者だった王太子殿下が大好きだった。
しかし国際情勢が不安定になり、隣国との関係を強固にするため、急遽、隣国の王女殿下と王太子殿下との政略結婚をすることが決まり、私との婚約は解消されることになったのだ。
しかし殿下との婚約解消のすぐ後、私は王命で別の婚約者を決められることになる。
新しい婚約者は殿下の側近の公爵令息。その方とは個人的に話をしたことは少なかったが、見目麗しく優秀な方だという印象だった。
婚約期間は異例の短さで、すぐに結婚することになる。きっと殿下の婚姻の前に、元婚約者の私を片付けたかったのだろう。
しかし王命での結婚でありながらも、旦那様は妻の私をとても大切にしてくれた。
少しずつ彼への愛を自覚し始めた時…
貴方に好きな人がいたなんて知らなかった。
王命だから、好きな人を諦めて私と結婚したのね。
愛し合う二人を邪魔してごめんなさい…
そんな時、私は徐々に体調が悪くなり、ついには寝込むようになってしまった。後で知ることになるのだが、私は少しずつ毒を盛られていたのだ。
旦那様は仕事で隣国に行っていて、しばらくは戻らないので頼れないし、毒を盛った犯人が誰なのかも分からない。
そんな私を助けてくれたのは、実家の侯爵家を継ぐ義兄だった…。
毒で自分の死が近いことを悟った私は思った。
今世ではあの人達と関わったことが全ての元凶だった。もし来世があるならば、あの人達とは絶対に関わらない。
それよりも、こんな私を最後まで見捨てることなく面倒を見てくれた義兄には感謝したい。
そして私は死んだはずだった…。
あれ?死んだと思っていたのに、私は生きてる。しかもなぜか10歳の頃に戻っていた。
これはもしかしてやり直しのチャンス?
元々はお転婆で割と自由に育ってきたんだし、あの自分を押し殺した王妃教育とかもうやりたくたい。
よし!殿下や公爵とは今世では関わらないで、平和に長生きするからね!
しかし、私は気付いていなかった。
自分以外にも、一度目の記憶を持つ者がいることに…。
一度目は暗めですが、二度目の人生は明るくしたいです。
誤字脱字、申し訳ありません。
相変わらず緩い設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
天花 様
感想ありがとうございます😊💕
作者はハッピーエンドが大好きなので、ほとんどの作品がそうなっています(๑´罒`๑)ʊʊʊ
まあ、ざまぁ好きなんですけどね( ̄▽ ̄;)💦
返信が遅れて申し訳ございません🙇♀️💦
みんながロー兄様の幸せを願っていました😊😊😊💕
カーティスという息子と、好きだったリディアを妻に迎えもう寂しくないですね(*•̀ᴗ•́*)👍
最後まで読んで頂きありがとうございました٩(๑>ᴗ<๑)۶
これも迷夢様を含む読者様のお陰です😊💕
ありがとうございました꒰ˆ꜆⸝⸝⸝⸝꜀ˆ꒱💓