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⑪『姉妹の作戦会議』
しおりを挟むかんなと話した後、
無事(?)に自宅に着いたいちご。
その数十分後に帰ってきたゆき。
2人はいつものように、2人でお風呂に入る。
い「ねぇ。お姉ちゃん。」
ゆ「ん~?」
い「お姉ちゃんは卒業したらどうするんだっけ?」
ゆ「私?私は…就職かなぁ?なんでぇ?」
い「いや、これから先のこと考えてるのかなぁ…って思ってさ…」
これから先のこと。
2人が最も気にしてることは、卒業した後のことより、『父親』だった。
遅かれ早かれ姉妹の秘密の関係はちゃんと話さなきゃならない。
い「実は前に夢みたんだけどさぁ」
いちごが夢の内容を話し始めた。
い「私の部屋に小さかった頃のお姉ちゃんが出てきて、昔やってた"お母さんごっこ"をしようってなったんだけど、その時にパパが出てきてさ。私たちのこの関係もいつかは話さないとなぁ…って思ってさ。」
ゆ「それ………」
ゆきは驚いた。
ゆ「私も同じ夢をみたよ。夢の中でもちゃんと姉妹だね」
2人は見つめあい、キスをした。
ゆ「よし!パパに言おう!『私たち付き合ってる』って!」
い「う、うん…」
いちごはあまり乗り気ではない。
それもそうだろう。
気軽にカミングアウト出来る内容ではない。
最悪父親と縁を切る…なんてことにもなりかねる。
そんなことは2人とも望んでいない。
い「やっぱり段階をふむべきだよ。まずはパパがそういうのに寛容かどうか調べようよ」
ゆ「例えばどんな風に?」
2人は頭を悩ませた。
とりあえず出た案としては、
『同棲愛を題材にした映画を父親と観て反応をみる。』
『同棲愛についてどう思ってるか聞く。』
などなど……
ゆ「じゃあ、手始めに映画鑑賞で反応を見ますか」
い「パパは土曜日休みだから、金曜日の夜に映画鑑賞会しよっか。」
ゆ「よし、カミングアウト大作戦と命名しよう!」
い「いや、そういうのいらないから。」
さらっと却下された。
い「パパが帰ってきたら金曜日の夜みんなで映画観ようって伝えようよ」
ゆ「そうだねっ!ちょっと楽しみ♡」
こういう楽観的なところは似てないなと思う妹のいちごであった。
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