『ブラックボックス』

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〜第5章〜

129.『新たな手掛かり』

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みつれは3時間半程バイクを走らせた。

『ドッグオーディション』の会場に使われている廃校舎。
その下見に来たみつれ。


みつれはようやく目的地に到着した。


みつ「ふぅ……。ここが廃校舎か…。」

みつれはしおんに電話を掛ける。


みつ「・・・しおん。頼んでおいた住所、調べておいてくれたか?」


しお「うん。調べたよ。随分辺鄙(へんぴ)なところにある学校だね。中学校だったけど既に廃校になってるよ。」


みつ「見取り図とかあったか?あと、廃校後改装している形跡は?」


しお「いや、改装した形跡は無いよ。…なんでこんな場所調べてるの?」


しおんは疑問に思っていた。


みつ「・・・来月、ハナさんがここに連れてこられるかも知れない。」


しお「え!?どういうこと?」


みつ「詳しくは帰ってから説明する。まわりに防犯カメラが無いか確認していてくれ。今月のカメラの映像を知りたい。」


しお「う、うん。わかったよ。調べとく。」


しおんはわけのわからないままみつれの頼まれごとを引き受けた。


みつ「私は学校を見てから戻るよ。じゃあな。」


みつれは電話を切った。


みつれは一人、廃校に潜入した。




一方その頃、しおんはわけも分からず調べ物をする。


しお「ハナさんがここに連れてこられるってどういうこと?…全く分からない。」

するとカエデから電話が掛かってきた。


しお「ん?カエデちゃんからだ。もしもし。」


カエ「しおんさん、お疲れ様です。」

しお「学校お疲れ様。どうしたの?」

カエ「・・・いや、みつれさんとリンさん…大丈夫だったか心配で……。」

カエデは2人が心配だったようだ。


しお「みつれさんは大丈夫だと思うけど…リンさんがちょっと心配だね。朝こっちに来たけどだいぶ参ってる様子だったよ。」

しおんは今朝のリンの様子をカエデに話した。


カエ「そうだったんですか……。早くハナさんを見つけないとですね…。」


しお「みつれさんがなにか手掛かりを見つけたらしくて、それを調べてるところだよ。」


カエ「えっ!?そうなんですか!?」

カエデの声が少し明るくなる。

しお「けど僕もそれが何かまだ分からないんだ。帰ってから話すってみつれさんに言われたけど…」

カエ「そうなんですね。…あの、分かったら私にも教えてくれませんか?」


しお「もちろん。カエデちゃんも『カモミール』の一員だからね。」


カエ「ありがとうございます…///」


その後少し話した後、しおんは電話を切った。





しお「・・・みつれさんが見つけた手掛かりがいいものだったらいいけど……」

しおんはスマホを置き、作業に戻った。




夜になった頃、みつれが事務所に戻ってきた。



みつ「ただいま。しおん?」

しおんはモニターの前で眠っていた。


みつ「・・・そういえば徹夜してたんだったな…。寝かせてやるか」

みつれはしおんを起こさないようにシャワーを浴びに浴室にむかった。


みつ「((『ドッグオーディション』は来月……それまでにハナさんを救出したいが……。))」


『ドッグオーディション』で何をされられるかを身をもって経験しているみつれ。

その時のことを鮮明に思い出していた。



『犬』は舞台の上に立たされ、大勢の観客の前で醜態を晒す。
そしてそれを気に入った観客がその『犬』との一夜を買う。


みつれは運が良くしおんの祖父に一夜を買われたが、通常はめちゃくちゃにされる。


ハナに耐えれるか……。

そうなる前になんとしてでも奪還しなければならない。




リンの為にも。




そう意気込んだみつれは浴室を出た。


みつ「・・・」

みつれは寝ているしおんを見つめる。


みつ「明日にしようか。」

みつれはしおんに毛布をかけ、自分の部屋に入っていった。。。
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