134 / 197
〜第5章〜
129.『新たな手掛かり』
しおりを挟むみつれは3時間半程バイクを走らせた。
『ドッグオーディション』の会場に使われている廃校舎。
その下見に来たみつれ。
みつれはようやく目的地に到着した。
みつ「ふぅ……。ここが廃校舎か…。」
みつれはしおんに電話を掛ける。
みつ「・・・しおん。頼んでおいた住所、調べておいてくれたか?」
しお「うん。調べたよ。随分辺鄙(へんぴ)なところにある学校だね。中学校だったけど既に廃校になってるよ。」
みつ「見取り図とかあったか?あと、廃校後改装している形跡は?」
しお「いや、改装した形跡は無いよ。…なんでこんな場所調べてるの?」
しおんは疑問に思っていた。
みつ「・・・来月、ハナさんがここに連れてこられるかも知れない。」
しお「え!?どういうこと?」
みつ「詳しくは帰ってから説明する。まわりに防犯カメラが無いか確認していてくれ。今月のカメラの映像を知りたい。」
しお「う、うん。わかったよ。調べとく。」
しおんはわけのわからないままみつれの頼まれごとを引き受けた。
みつ「私は学校を見てから戻るよ。じゃあな。」
みつれは電話を切った。
みつれは一人、廃校に潜入した。
一方その頃、しおんはわけも分からず調べ物をする。
しお「ハナさんがここに連れてこられるってどういうこと?…全く分からない。」
するとカエデから電話が掛かってきた。
しお「ん?カエデちゃんからだ。もしもし。」
カエ「しおんさん、お疲れ様です。」
しお「学校お疲れ様。どうしたの?」
カエ「・・・いや、みつれさんとリンさん…大丈夫だったか心配で……。」
カエデは2人が心配だったようだ。
しお「みつれさんは大丈夫だと思うけど…リンさんがちょっと心配だね。朝こっちに来たけどだいぶ参ってる様子だったよ。」
しおんは今朝のリンの様子をカエデに話した。
カエ「そうだったんですか……。早くハナさんを見つけないとですね…。」
しお「みつれさんがなにか手掛かりを見つけたらしくて、それを調べてるところだよ。」
カエ「えっ!?そうなんですか!?」
カエデの声が少し明るくなる。
しお「けど僕もそれが何かまだ分からないんだ。帰ってから話すってみつれさんに言われたけど…」
カエ「そうなんですね。…あの、分かったら私にも教えてくれませんか?」
しお「もちろん。カエデちゃんも『カモミール』の一員だからね。」
カエ「ありがとうございます…///」
その後少し話した後、しおんは電話を切った。
しお「・・・みつれさんが見つけた手掛かりがいいものだったらいいけど……」
しおんはスマホを置き、作業に戻った。
夜になった頃、みつれが事務所に戻ってきた。
みつ「ただいま。しおん?」
しおんはモニターの前で眠っていた。
みつ「・・・そういえば徹夜してたんだったな…。寝かせてやるか」
みつれはしおんを起こさないようにシャワーを浴びに浴室にむかった。
みつ「((『ドッグオーディション』は来月……それまでにハナさんを救出したいが……。))」
『ドッグオーディション』で何をされられるかを身をもって経験しているみつれ。
その時のことを鮮明に思い出していた。
『犬』は舞台の上に立たされ、大勢の観客の前で醜態を晒す。
そしてそれを気に入った観客がその『犬』との一夜を買う。
みつれは運が良くしおんの祖父に一夜を買われたが、通常はめちゃくちゃにされる。
ハナに耐えれるか……。
そうなる前になんとしてでも奪還しなければならない。
リンの為にも。
そう意気込んだみつれは浴室を出た。
みつ「・・・」
みつれは寝ているしおんを見つめる。
みつ「明日にしようか。」
みつれはしおんに毛布をかけ、自分の部屋に入っていった。。。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる