『ブラックボックス』

うどん

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〜第1章〜

⑳『〜みつれの過去編〜初老』

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部屋に通されたみつれ。
そこには落札者の初老が座っていた。

みつ「ほ、本日はポチを買って頂きありがとうございます。」
みつれは深々と頭を下げる。

初老「まぁこっちへ来なさい。」
初老はソファへみつれを手招きする。
みつ「失礼致します。」
みつれはソファへ座る。

みつ「どんな要望でもお応え致します。どうぞポチの身体を…」
みつれは布を脱ごうとしたが初老はみつれの手を止めた。

初老「なにもせんでよい。」
みつ「で、でも…」

初老「お前さん…みつれさん…だね?」
みつ「え?」
ドキッとした。困惑するみつれ。

みつ「・・・なんで私の名前を…」

初老「ワシは今日、お前さんと話をするために会いに来たんじゃ。」

困惑しているみつれに初老は話し続けた。

初老「お前さんのことは調べた。お前さん…トドロキに裏切られてこんなところに居るんじゃろ?」

初老はみつれの今の現状を知っていた。

みつ「あなた…何者ですか?」

初老「ワシはただの老いぼれじゃよ。」
初老はハハハと笑い、話を続ける。

初老「お前さんはテロ組織に家族の命を奪われ、軍に入ったものの上司に裏切られ、組織に売られた。可哀想な娘じゃ。」

みつ「・・・私をどうする気ですか?」

初老「ワシの孫に『しおん』という子がおる。その孫に会って欲しいんじゃ。」

みつ「・・・何故ですか?あなたのお孫さんと私になにか関係が?」

初老「その孫の父親、つまりワシの息子は…テロリストなんじゃ。孫はテロリストの父親を捜しておる。自分と母親を捨てた父親に会いたいらしい。お前さんにその手助けをしてやって欲しい。」

みつ「なるほど。ですがそれは出来ません…。私は監禁されている身なので…」

初老「ワシがその監禁から解放してやる。っと言ったら?」

初老はみつれの手を握る。
初老「お前さんの力が必要なんじゃ。そしてお前さんにもワシの孫『しおん』の力が必要なんじゃ。」

みつ「・・・でも、一体どうやって……」

初老「お前さんが監禁されている場所を襲撃する。そしてお前さんはそこから逃げるんじゃ。」

みつ「襲撃って…あなた本当に何者なんですか?」
初老「今は引退したが、元極道で組を持っておった。だから襲撃などは容易く手配出来る。」

みつれは驚いた。
みつ「でも襲撃しようにも監禁されている場所が自分でも分からないんです。」
すると初老は杖の取っ手を外し、中から小さい発信機を取り出した。

初老「これでお前さんの居場所が分かる。これをバレないように持ってなさい。」

みつ「・・・」

初老「ワシはお前さんを助けたい。そして、孫に協力して欲しい。頼む。」
初老はみつれに頭を下げる。

みつ「あ、頭あげてください。分かりました。」
初老「ありがとう。みつれさん。」

初老は襲撃時の計画をみつれに話す。
初老「襲撃する場所が何処であれ、お前さんをその場から解放する。その後、ワシが世話になっている医者が近くに待機する。お前さんはその医者に会うんじゃ。あとの事の説明は医者に任せておる。」

みつ「・・・分かりました。」

初老「みつれさん。ワシの孫をよろしく頼む。」

初老はまた深々と頭を下げる。

みつ「ひとつお聞きしていいですか?なんで私なんです?」
みつれは疑問だった。
100万程の金を出してわざわざみつれに会いに来た。
それほどの大金を使ってまでみつれを助ける理由。
みつれはイマイチ煮えきらなかった。

初老「お前さんを裏切ったトドロキはワシの息子と同じテロ組織の一員となった。お前さんは組織を潰したくて軍に入ったのじゃろう?つまりワシの孫と目的が同じだからじゃ。それも強い意志を持っておる。」

みつ「・・・なるほど。わかりました。」
初老「ではよろしく頼んだぞ。時間まではまだある。ゆっくり休んでいきなさい。『主人』にはワシをめいっぱい奉仕して満足させたと伝えたらいい。実際ワシは満足じゃからな。」
初老はガハハと笑った。

みつ「・・・ありがとうございます。」

みつれはそのままソファーに座ったまま動こうとしなかった。

初老「なにか茶でも飲むか。よっこいせ…」
初老は腰を上げてお茶をいれようと立ち上がる。

みつ「わ、私やります!座っていてください。」
初老「そうか?すまんな。」

みつれは立ち上がりお茶をいれに行く。

みつ「お茶です。どうぞ。」
初老「おぉ。ありがとう。」
初老はニコッと笑う。


みつ「・・・あの…この発信機、耐久性や防水性とかはあるんですか?」
みつれは衣服のボタン程の発信機を手に持ち、初老に質問した。

初老「あぁ。大丈夫じゃよ。水の中でも壊れん。」
みつ「・・・でしたら隠し場所を思いつきました。」

みつれはソファーに座り脚を開いた。
みつ「ここです。」
指をさした場所はみつれの秘部だった。

初老「・・・なるほどのぉ。じゃが小さくて取れなくなるんじゃないか?」
みつ「多分取り出すのは難しいと思いますがここならまずバレるリスクは低いと思います。」

みつれは初老の前で秘部を露出し、発信機を中に入れた。
みつ「んッ...///」

万が一自然と出てこないように奥に入れた。

初老「オナゴが目の前でそんな姿してるのは年寄りには刺激が強過ぎたな。」
初老は笑いながら言った。

みつ「これで大丈夫かと……」
初老「その発信機は救出した後に医者に取ってもらうように言っておくよ。」
みつ「ありがとうございます。」

その後も話を続け、終了の時間となった。

初老「今日はいい時間を過ごせた。ありがとう。」
みつ「ありがとうございました。よろしくお願いいたします。失礼致します。」

みつれは深々と頭を下げ、部屋を出た。


初老「・・・いい子じゃったな。」

初老はお茶を飲みながら呟いた。。。

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