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第一章

はぁ、異世界ですか。

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 朝、起きて体が動かない日が増えてきた。最初は、疲れだと思っていたが、ひょっとしてストレス?と疑うようになってきた。

 8時~22時のアホみたいな就業体制よりも、国や県に提出する書類の数字改ざんが嫌だった。
 お局様がやめて、新たなお局様になった私に回ってきた仕事。

 部長は、「みんなやっていること。いざとなれば管理職や経営陣が対処する。」と。

 そのみんなの中に入りたくない。面倒臭い性格とは思うが、やりたくない仕事にだんだん感情が出なくなってきた。考えがまとまらず、書類作成時の、自称高速タイピングもできなくなった。

 だから、自称神様に魂が消滅する危機と言われても、異世界に転移する話を聞いても何も響かなかった。今世も前世も搾取され続けた話を聞いても他人事の様に聞いていた。

 はぁ、異世界ですか。

 と、思っていましたが、翌朝手元に麻袋があって小説やゲームに出てくるマジックバック?(麻袋)を見たら、意識が覚醒してきました。

 1ヶ月後に異世界転移だと?
  









よくよく、会社行きのバスの中で思い出してみる。

 自称神様の話では、前世は巫女だったらしい。
 が、異世界あるあるの魔法などはなく、神殿の象徴として祭られた巫女で、いい様に使われて最後は治水の為の人柱。
 このままでは、魂が傷つき過ぎている為、憐れんだ自称神様が地球で養療の為送ったが、搾取され、いい様に使われる人生を歩み、魂が消滅の危機にあるらしい。
 このまま転生しても、搾取されて消滅しそう。
 このまま転移しても、現代社会の生活に慣れた魂が不具合を起こして消滅しそう。

 理想は、地球で穏やかな生を終えて戻ってきて欲しいが、今世の家族や周囲を見る限り搾取され続ける人生がほぼほぼ決まっているらしい。うん、知っていた。

 そこで、現代社会の生活をキープしつつ異世界生活を送り生を終えて欲しいとのこと。たった一つの魂の為に、自称神様優しいな。久しぶりに人(自称神様)に優しくされて涙が出そうになる。壺を売られたら、買ってしまうかもしれない。

 1ヶ月後に迎えに来るから準備しておきなさいと言われて、マジックバック(麻袋)を渡された。

 夢だと思うよね。30代で脳内お花畑とか痛いわぁーって思ってたら、麻袋あった。
 枕元に。

 マジックバック(麻袋)は、魔法じゃないのかな?
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