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「さてっと、改めてお話をしようか」
お茶を飲んで一息ついたのか、先ほどまでとは違って穏やか……
あくまで先ほどまでと比較してであり、今だ二人の間に緊張状態を保ちながらもエクレアが切り出した。
「話もなにも、香奈。俺からはとくにないぞ」
「今の私は香奈じゃなくエクレアなんだけど……」
「どっちでも変わりないだろう。転生直後のまっさらな身の時ならともかく今は顔も性格も力も気質、人の飲み物に変なモノを仕込むところなんてまんま瓜二つじゃないか。違うのは髪色がブラウンからピンクに変化したぐらいじゃないのか?」
「はぁ……もういいよ。私はこんな話をするために来たわけじゃないし」
そう言いながら香奈……もとい、エクレアがどんっと置いたのは一冊の本。
レヴィンが10年ぐらい前から書いていたある物語を一冊の本としてまとめ、先日異世界書店へ卸したものだ。
ラヴェルもその編集を兄権限で無理やり手伝わされたからよく知っていた。
ちなみにレヴィンは詩人なだけあって物語を綴るのも上手かった。
戯れに書いた詩集がベストセラーとなるぐらいの文才を持っていた。
レヴィンに付き合う形でラヴェルが出した詩集も一応同じぐらいの売り上げはあるが……
それはレヴィンの詩集の抱き合わせなおまけ扱いとして売られてるからにすぎないもの。
大半は購入と同時に捨てられるか、薪代わりに燃やされるかのどちらか。ラヴェルとしては売れてるのに全く喜べない心境にさせられているわけだ。
そんな話はさておいて……エクレアがテーブルの上に置いたのはレヴィン作なエクレアの生涯を綴った物語。
エクレアが『神』の戯れとも娯楽ともいうべき糞シナリオの駒……『乙女ゲームのお花畑ヒロイン』としてある異世界に強制転生させられるも、成長過程で前世の記憶を思い出し……前世の力を取り戻したエクレアは糞シナリオを『神』諸共ぶっ潰すという壮大なざまぁ劇を描いたもの。そして、最期は『真実の愛』である恋人とある場所である誓いを交わして死したという、エクレアの生涯を綴ったノンフィクション小説だ。
異世界で繰り広げられていた出来事をレヴィンはどうやって把握していたのか、気にはなるが……聞いたところではぐらかされるのが関の山だろう。
ラヴェルはちらりとエクレアをみる。
彼女の生涯は本を通して知っていた、『神』の戯れのせいで歪んだ人生を送る羽目となった事に同情はするも……ラヴェルはどちらかというとエクレアより『神』の方に同情していた。
なにせ香奈は21年前にレヴィンと共に神を殺した……いわゆる『神殺し』を達成した英雄なのだ。
属性は二人とも完全な『悪』だが、英雄は英雄。二人とも神を殺した事で魂に『神殺し』の業が刻まれた英雄なのだ。
そんな彼女を転生させて、半ば強制で糞シナリオに付き合わせようとしたわけだ。
エクレアが怒るのは当然。報復されるのは当然。ましてやエクレアの魂は『神殺し』の業が刻まれてるのだ。相手が例え『神』であろうとも、神殺しまで達した前世の……『神殺しの英雄』としての力を取り戻したエクレアであれば難なくぶん殴れる。地獄へ叩き落せる。死んだ方がマシ級のお仕置きを実行できる。
ラヴェルも過去にうっかり香奈を怒らせたせいでその『死んだほうがマシ級のお仕置き』を何度も食らった事がある。もちろんラヴェルが弱っちい人間だからお仕置きも気持ち程度の手心は加えてくれた。精神が崩壊することなく、トラウマとして刻まれる程度で済ませてもらっていた。
だが……相手が『神』なら手心なんか加えない。全力全壊で持てる力全てを、考えうる限りの絶望を『神』に与える。
一切合切の慈悲なく、未来永劫二度と安らぎが訪れない真の絶望を与えるだろう。
考えただけでも恐ろしい……が、そんな彼女も転生した事で性格が多少丸くなったような気がする。
敵対者や逆鱗に触れた者には全く容赦しない所は変わらなくとも、身内にまで向けていた苛烈さが成りをひそめていた。
愛なんて全く知らない『まさに悪魔』としか思えなかった彼女が、全うな部類の『真実の愛』を手にしたいと願うぐらいの人らしい心を持ったわけだ。
もしかしたらレヴィンも香奈と同様に一度死んで転生すれば……
(それは無理か。内に潜んでる化け物と仲良しこよしだった香奈さんと違って、レヴィンの方はお互い寝首を掻くチャンスをうかがってるほど険悪。下手すれば転生どころか…………)
うっかり最悪な未来を想像してしまった事で急ぎ思考を中断。目の前の現実の問題に向き直した。
エクレアが今回レヴィンの元に訪れたのは、知らないところで自分を題材にされた本を出版した事による抗議だった。
そのためだけに世界の壁どころか、生死の境目とされる三途の川すら飛び越えてやって来たのだ。
言葉にすればどれだけ滑稽か計り知れるも、ラヴェルは気にしない。
いくら丸くなったとしても、今のエクレアは怒りボルテージが順調に溜まるほどに不機嫌。平穏無事で居たいならなおさら気にしてはいけないのだ。
「改めて聞くけど……この本について何か言うことは?」
「言うことか……ついカッとなってやってしまった。今では反省してるかもしれん……これでいいか?」
いやいや、それ全然反省してないだろ!!むしろ喧嘩売ってるだろ!!っと言わんばかりの態度はエクレアの怒りを煽るのに十分だった。
先ほどまで鎮静化していた重圧が再び現れた。
エクレアの全身から殺気どころか、現世に顕界させたらまずいであろうSAN値直葬もんな『力』の片鱗が漏れだしていた。
「ふっ、その様子だと前世時代から全く衰えてないようだな」
「そっちもね。昔と全く変わらない恰好のまま……23歳当時でも痛々しかったのに、40超えた中年だと痛々しいどころじゃないんじゃないの?レヴィン兄ちゃん改めレヴィンおっちゃん」
にっこり笑いながらも、目が全然笑ってない笑顔で放ったエクレアの反撃はまさに買い言葉。売り言葉に対しての買い言葉で今度はレヴィンが切れる番であった。
レヴィンから殺気と共に、天災を巻き起こすに足る魔力を全身から放出し始めた。
その魔力はエクレアの顕界させたらまずいであろう『力』の片鱗とテーブル中央で激突。周囲に見えない力場を生み出す。
物理現象こそ起きてないも、見えざるモノを見る目でみればとんでもない嵐が巻き起こってるのがわかる。
耳をすませばパリンパリンっと城に施されていたであろう魔力結界が次々と砕け散っているのがわかる。
(やばい……これはやばい)
ラヴェルは狼狽えるも……彼にできる事はない。
今下手に介入すれば、確実に巻き添えを食らう。
それでも……
「まぁまぁまぁまぁ二人とも落ち着こう。香n……じゃなくてエクレアさん。まずは何が不満か話さないと、ね」
ラヴェルは仲裁するしかない。
先ほど言った通り、ラヴェルに逃げ道は用意されてない。
生き残るには、二人の対談を平穏無事に終わらせてもらうしかないのだ。
そんなラヴェルの仲裁は……
「そうだな。不満があるなら聞こう。聞くだけだがな」
レヴィンは天災クラスの力を持ち、なおかつアレな性格をしてても肉親の情はある。
一応……本当に一応、弟の顔を立てる意味も含めた最低限の譲歩を見せる形でレヴィンが引いてくれた。
エクレアの方もレヴィンの態度がどうあれ、一歩引いたのであれば踏み込む事はせず大人しく引いた。
こうして場は一時的に平穏がもどったわけである。
そう、ラヴェルはレヴィンに対して諫めたりお願いが出来たりする数少ない人材だ。
その事実こそ彼が王の側近として登用されている最大の理由であった。
代償として胃薬が手放せない生活を送る羽目になってたりするが……
今は関係ない話なので本題に戻ろう。
「不満だけど……なにこれ?私の知らないところで本にするどころか、普通ならオフレコになるようなこっぱずかしい出来事を何懇切丁寧に書いちゃってるわけ?ばかなの?死ぬの?」
「読者サービスというものだ。売上のためなら仕方なかろう」
「うん、売り上げのためなら仕方ないね。なら印税の5割よこせ」
「ぼったくるな。渡せて1割だな」
「話にならん!!せめて6割」
「しれっと増やすな。仕方ないからおまけとして愚弟を付けてやる、召使いとして遠慮なくこき使え」
「召使いならたくさんいるし、今更増えてもねぇ……」
「実験台ならどうだ?」
「それは……ちょっと惹かれるかも」
「…………」
途中から自分の身売り話となって戦々恐々となるラヴェル。
だが、口ははさめない。
レヴィンとエクレアは『神殺し』を達成した英雄。
二人の力量は完全に人を超えた神クラスだ。
故に二人のやりとりは天上のやりとり。
ただの人間ごときでは口をはさめない。
はさんではいけないのだ。
ラヴェルはキリキリと痛む胃を抑えながら……時折催促されるお茶を差し出しながらも進む対談。
喧々諤々とした対談で二人が出した最終決断は……
「「表に出ろ!!」」
実力行使による決闘であった。
お茶を飲んで一息ついたのか、先ほどまでとは違って穏やか……
あくまで先ほどまでと比較してであり、今だ二人の間に緊張状態を保ちながらもエクレアが切り出した。
「話もなにも、香奈。俺からはとくにないぞ」
「今の私は香奈じゃなくエクレアなんだけど……」
「どっちでも変わりないだろう。転生直後のまっさらな身の時ならともかく今は顔も性格も力も気質、人の飲み物に変なモノを仕込むところなんてまんま瓜二つじゃないか。違うのは髪色がブラウンからピンクに変化したぐらいじゃないのか?」
「はぁ……もういいよ。私はこんな話をするために来たわけじゃないし」
そう言いながら香奈……もとい、エクレアがどんっと置いたのは一冊の本。
レヴィンが10年ぐらい前から書いていたある物語を一冊の本としてまとめ、先日異世界書店へ卸したものだ。
ラヴェルもその編集を兄権限で無理やり手伝わされたからよく知っていた。
ちなみにレヴィンは詩人なだけあって物語を綴るのも上手かった。
戯れに書いた詩集がベストセラーとなるぐらいの文才を持っていた。
レヴィンに付き合う形でラヴェルが出した詩集も一応同じぐらいの売り上げはあるが……
それはレヴィンの詩集の抱き合わせなおまけ扱いとして売られてるからにすぎないもの。
大半は購入と同時に捨てられるか、薪代わりに燃やされるかのどちらか。ラヴェルとしては売れてるのに全く喜べない心境にさせられているわけだ。
そんな話はさておいて……エクレアがテーブルの上に置いたのはレヴィン作なエクレアの生涯を綴った物語。
エクレアが『神』の戯れとも娯楽ともいうべき糞シナリオの駒……『乙女ゲームのお花畑ヒロイン』としてある異世界に強制転生させられるも、成長過程で前世の記憶を思い出し……前世の力を取り戻したエクレアは糞シナリオを『神』諸共ぶっ潰すという壮大なざまぁ劇を描いたもの。そして、最期は『真実の愛』である恋人とある場所である誓いを交わして死したという、エクレアの生涯を綴ったノンフィクション小説だ。
異世界で繰り広げられていた出来事をレヴィンはどうやって把握していたのか、気にはなるが……聞いたところではぐらかされるのが関の山だろう。
ラヴェルはちらりとエクレアをみる。
彼女の生涯は本を通して知っていた、『神』の戯れのせいで歪んだ人生を送る羽目となった事に同情はするも……ラヴェルはどちらかというとエクレアより『神』の方に同情していた。
なにせ香奈は21年前にレヴィンと共に神を殺した……いわゆる『神殺し』を達成した英雄なのだ。
属性は二人とも完全な『悪』だが、英雄は英雄。二人とも神を殺した事で魂に『神殺し』の業が刻まれた英雄なのだ。
そんな彼女を転生させて、半ば強制で糞シナリオに付き合わせようとしたわけだ。
エクレアが怒るのは当然。報復されるのは当然。ましてやエクレアの魂は『神殺し』の業が刻まれてるのだ。相手が例え『神』であろうとも、神殺しまで達した前世の……『神殺しの英雄』としての力を取り戻したエクレアであれば難なくぶん殴れる。地獄へ叩き落せる。死んだ方がマシ級のお仕置きを実行できる。
ラヴェルも過去にうっかり香奈を怒らせたせいでその『死んだほうがマシ級のお仕置き』を何度も食らった事がある。もちろんラヴェルが弱っちい人間だからお仕置きも気持ち程度の手心は加えてくれた。精神が崩壊することなく、トラウマとして刻まれる程度で済ませてもらっていた。
だが……相手が『神』なら手心なんか加えない。全力全壊で持てる力全てを、考えうる限りの絶望を『神』に与える。
一切合切の慈悲なく、未来永劫二度と安らぎが訪れない真の絶望を与えるだろう。
考えただけでも恐ろしい……が、そんな彼女も転生した事で性格が多少丸くなったような気がする。
敵対者や逆鱗に触れた者には全く容赦しない所は変わらなくとも、身内にまで向けていた苛烈さが成りをひそめていた。
愛なんて全く知らない『まさに悪魔』としか思えなかった彼女が、全うな部類の『真実の愛』を手にしたいと願うぐらいの人らしい心を持ったわけだ。
もしかしたらレヴィンも香奈と同様に一度死んで転生すれば……
(それは無理か。内に潜んでる化け物と仲良しこよしだった香奈さんと違って、レヴィンの方はお互い寝首を掻くチャンスをうかがってるほど険悪。下手すれば転生どころか…………)
うっかり最悪な未来を想像してしまった事で急ぎ思考を中断。目の前の現実の問題に向き直した。
エクレアが今回レヴィンの元に訪れたのは、知らないところで自分を題材にされた本を出版した事による抗議だった。
そのためだけに世界の壁どころか、生死の境目とされる三途の川すら飛び越えてやって来たのだ。
言葉にすればどれだけ滑稽か計り知れるも、ラヴェルは気にしない。
いくら丸くなったとしても、今のエクレアは怒りボルテージが順調に溜まるほどに不機嫌。平穏無事で居たいならなおさら気にしてはいけないのだ。
「改めて聞くけど……この本について何か言うことは?」
「言うことか……ついカッとなってやってしまった。今では反省してるかもしれん……これでいいか?」
いやいや、それ全然反省してないだろ!!むしろ喧嘩売ってるだろ!!っと言わんばかりの態度はエクレアの怒りを煽るのに十分だった。
先ほどまで鎮静化していた重圧が再び現れた。
エクレアの全身から殺気どころか、現世に顕界させたらまずいであろうSAN値直葬もんな『力』の片鱗が漏れだしていた。
「ふっ、その様子だと前世時代から全く衰えてないようだな」
「そっちもね。昔と全く変わらない恰好のまま……23歳当時でも痛々しかったのに、40超えた中年だと痛々しいどころじゃないんじゃないの?レヴィン兄ちゃん改めレヴィンおっちゃん」
にっこり笑いながらも、目が全然笑ってない笑顔で放ったエクレアの反撃はまさに買い言葉。売り言葉に対しての買い言葉で今度はレヴィンが切れる番であった。
レヴィンから殺気と共に、天災を巻き起こすに足る魔力を全身から放出し始めた。
その魔力はエクレアの顕界させたらまずいであろう『力』の片鱗とテーブル中央で激突。周囲に見えない力場を生み出す。
物理現象こそ起きてないも、見えざるモノを見る目でみればとんでもない嵐が巻き起こってるのがわかる。
耳をすませばパリンパリンっと城に施されていたであろう魔力結界が次々と砕け散っているのがわかる。
(やばい……これはやばい)
ラヴェルは狼狽えるも……彼にできる事はない。
今下手に介入すれば、確実に巻き添えを食らう。
それでも……
「まぁまぁまぁまぁ二人とも落ち着こう。香n……じゃなくてエクレアさん。まずは何が不満か話さないと、ね」
ラヴェルは仲裁するしかない。
先ほど言った通り、ラヴェルに逃げ道は用意されてない。
生き残るには、二人の対談を平穏無事に終わらせてもらうしかないのだ。
そんなラヴェルの仲裁は……
「そうだな。不満があるなら聞こう。聞くだけだがな」
レヴィンは天災クラスの力を持ち、なおかつアレな性格をしてても肉親の情はある。
一応……本当に一応、弟の顔を立てる意味も含めた最低限の譲歩を見せる形でレヴィンが引いてくれた。
エクレアの方もレヴィンの態度がどうあれ、一歩引いたのであれば踏み込む事はせず大人しく引いた。
こうして場は一時的に平穏がもどったわけである。
そう、ラヴェルはレヴィンに対して諫めたりお願いが出来たりする数少ない人材だ。
その事実こそ彼が王の側近として登用されている最大の理由であった。
代償として胃薬が手放せない生活を送る羽目になってたりするが……
今は関係ない話なので本題に戻ろう。
「不満だけど……なにこれ?私の知らないところで本にするどころか、普通ならオフレコになるようなこっぱずかしい出来事を何懇切丁寧に書いちゃってるわけ?ばかなの?死ぬの?」
「読者サービスというものだ。売上のためなら仕方なかろう」
「うん、売り上げのためなら仕方ないね。なら印税の5割よこせ」
「ぼったくるな。渡せて1割だな」
「話にならん!!せめて6割」
「しれっと増やすな。仕方ないからおまけとして愚弟を付けてやる、召使いとして遠慮なくこき使え」
「召使いならたくさんいるし、今更増えてもねぇ……」
「実験台ならどうだ?」
「それは……ちょっと惹かれるかも」
「…………」
途中から自分の身売り話となって戦々恐々となるラヴェル。
だが、口ははさめない。
レヴィンとエクレアは『神殺し』を達成した英雄。
二人の力量は完全に人を超えた神クラスだ。
故に二人のやりとりは天上のやりとり。
ただの人間ごときでは口をはさめない。
はさんではいけないのだ。
ラヴェルはキリキリと痛む胃を抑えながら……時折催促されるお茶を差し出しながらも進む対談。
喧々諤々とした対談で二人が出した最終決断は……
「「表に出ろ!!」」
実力行使による決闘であった。
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