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かつて

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先祖には、最初の王と良き友であり続けた弓の名手がいた。

災いを退け、平和な世を迎えた時には
王は統治に、太陽の国を創立し
弓の名手は、闇の地へ旅立っていったそうだ。

『別れの時には、光り輝く太陽を支える月のように力を送る。
例え遠い地に在っても。』

そうして、太陽と月の国は今に至るまで反映を続けた。
太陽の輝きを支える月。

両方の存在が、国を支えている。

王の子孫達は、太陽の力を宿した王を戴き国を治めていた。
しかし、今代の太陽の王子が、弟を虐げているのが問題とされる

苦言を呈しても、諭してみても直らない。

「王子よ、太陽の如き国を照らす貴方がなぜ弟を虐げるのです?」

「私は太陽である!従うのは当然であろう?」

その傲慢さは、沈まらず。燃え盛るようであった。
そこで弟として、彼は告げる事にする。

「国興しの話に出る月の方のように、貴方を支えておりました。
しかし、他の者を、貴方を支える家臣をも虐げる貴方を支える事はできず、
受け入れられません。」

「誰がおまえなんぞの、力を求めるものか?太陽の力を持つ私だからこそ皆付き従うというもの。」


「いいえ、貴方は暴虐の光になってしまった。
その行いをなおすのは、私の役目でしょう。」

「弱い月の光には、できないであろう?」

「いいえ、貴方の光が届くことはない」

そして光は…
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