異世界転生者はもうおなかいっぱいです!

無月

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後章

閑話。その頃秘島では2

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 ◇ヴェイズサイド◇

 僕は天才だ。
 テンの為なら何でもこなしてきた。
 その僕がどうしても成しえない屈辱的な場面に直面している。

 「どうやっても高級フレンチレベルの料理しか出来ない……!」

 何故か少ない食材、少ないスパイスを用いても、出来上がるのはどんなに安く見積もってもレストランのポワレレベルになってしまうのだ。天才過ぎて凡人の作る物が作れない。何たる屈辱的な大誤算だ。

 「くはっ……。良いだろう。僕にもプライドがある。何としてもテンの胃袋を掴んでみせる」

 掴めた暁にはあの人間を足蹴に高笑いをしてあげよう。
 僕は人参と包丁を持って明日の勝利の為に高笑いを上げた。

 「何してんだヴィー」

 背後で聞こえた愛しい声に振り向けば、僕のテンが朝陽に照らされ輝く髪を靡かせて立っている。

 「おはようテン」

 くふふっ、胡乱な目の君も素敵だねぇ。
 テンは朝食の用意された席に着くと直ぐにフォークを手に取って食べ始めた。
 僕もテンの顔を伺いつつ席に着く。

 「どうかな?」
 「んあ?あー、ふつー」

 ぐぅっ!今日も美味しいと言って貰えなかった……!
 ショックを受けつつ僕もナイフとフォークで優雅に食事を開始する。
 うん、やはりレストランの味だ。僕のテンはレストランの味では納得してくれない。

 「ユタママン……どこいったのかな……」

 ある程度食べて腹が満たされた頃になると、決まってテンはそう言った。
 くはっ。あの人間、居ても居なくても目障りだね……。僕は嫉妬の炎で焼かれてしまいそうだよ。

 「……くふふ……。テン?今帰られても困るんじゃない?」

 せめてもの意趣返しに庭を指して問えば、テンはわかりやすくビックゥ!と肩を震わせ固まった。
 くふふ、そうだよねぇ。僕はあの人間にどう思われようが知ったことじゃないけど、君は嫌われたら大好きなご飯が食べられなくなるもんねぇ。

 でもね?安心してよ。

 直ぐにあんな人間如き忘れさせてあげるから。



 ◇テンサイド◇

 ヴィーが俺の為に頑張ってるのは知ってる。
 けどなー、おふくろの味って真似しようとして出来るもんじゃねーんじゃね?
 んだってよ、あれって食うと「あー帰って来たなー」って気分になる奴じゃん。ヴィーのだとなんつーか、んー、何だ?何て言やいーんだ?
 ……とにかくあれだ!外食の味は余所行きってやつだな!だからヴィーのはガツガツ出来ねぇの!してるけどな!
 でも俺だってヴィーの重い思いを袖に振るとかしてねーんだぞ!夜は俺だって、俺だって頑張ってんだ!

 「やぁん!そればっかやらぁ!」

 全然巨乳美女になってくんねーヴィーに抱かれてやってるんだぞ!

 「くふふふ、嫌がってる割に、ほら、また吸いついて離さないね」

 後ろ手に縛られた俺はM字開脚でヴィーの長い指を受け入れてやってるんだ!

 「あっあん!そこらめぇ!」
 「イイ、でしょう?自分から押し付けて、本当にイヤらしい体だねぇ」
 「ちが!ちがうぅ!こえは!ヴぃのためにぃぃっ!」

 そうだ、俺から求めてるなんて、そんな訳ないんだ!

 「ふぅん?それじゃあまだコレ、入れないでも頑張れるよね?」

 !!?
 俺、俺もうさっきからイキたいのにっ。根本止められてイケなくて辛いのにっ。そんなにガチガチに硬くなったの見せつけるだけとかっ。

 「や、やぁ!ヴぃおれいきた……!ヴぃもヴぃもぉ!」
 「くはっ。くふふふ。いやいやするテンは可愛いね。欲しい?コレ」

 ヴィーが俺のに擦り付けて硬くて太いのを強調してくる。

 「はくはくしてるテン、可愛い。ね?いらないのかな?」

 ヴィーが意地悪な事言ってる。俺は頭がもーろーとしてて、ただ横にふるふる振ったのはわかった。

 「じゃぁいる?」

 こくこく頷く。

 「ふは……口で言ってくれなきゃ伝わらないよ?」

 頷いたのに硬いの全然くれない。俺は泣きたくないのに視界が歪んだ。

 「や、いじわるなのやぁ……」
 「ぐふ……本当にベッドの上のテンは小悪魔だね……。いいよ、今日はそれで勘弁してあげる」

 ズクリ。
 中を押される衝撃が来て。
 そこからの記憶は、もう、ない。

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