4 / 6
4.悪役令嬢、土地を奪い取る
しおりを挟む
ルリアが追放されて数年後、ある知らせが舞い込む。
「今、何と?」
「ですから、新しい国バシレイア帝国が出来ました」
「ルドガー大陸に?」
「ええ、史上最大の都市で交易路もあります」
「あそこは各国が共同で使用している罪人追放地だぞ⁉︎」
「ですが、それは暗黙の了解のようなもので実際のルドガー大陸は誰の物でもありません」
あんぐりと口を開き絶句するアリオン。ルリアを断罪し、ルドガー大陸に追放した1人である。
ルリアがいなくなってから何故か経済の周りが悪くなり、国はデフレ(※デフレーションの略。物が売れないこと)に苦しんでいた。そこにもう一つ最悪な情報が流れ込んできた。
「それからもう一つ、真実をお話しさせていただきます。僕の元義姉ですが、断罪の場で読まれた罪はほとんど犯しておりません。完全なる濡れ衣です」
「は⁉︎ だ、だがマリアはルリアに虐められたと……」
「身嗜みや作法で注意は受けておりましたがイジメなどは確認されておりません。こちらを見てもらえれば分かるかと」
差し出された資料に目を通した王子ルドルフの表情はどんどん険しくなっていく。
「ルリアを追放した後にこの建国……もしやルリアが⁉︎」
「そ、それならば最近商人が減っているの原因も私たちへの報復なのでは⁉︎」
静かに全てを話していくユーリに断罪をしたメンバー達が青ざめていく。その様子を見ながらユーリは高笑いしている姉の幻影を見た。
『うふふふふ、やってるかやってないかなんて、ちゃんと調べれば分かるはずよ? それで間違った判決をしたなら責任を取る必要があると思わなくて?』
あれは絶対調べないの分かってて言ったな‼︎ ユーリはこれから起こるであろう未来を予想し、顔を顰めるのだった。
「今、何と?」
「ですから、新しい国バシレイア帝国が出来ました」
「ルドガー大陸に?」
「ええ、史上最大の都市で交易路もあります」
「あそこは各国が共同で使用している罪人追放地だぞ⁉︎」
「ですが、それは暗黙の了解のようなもので実際のルドガー大陸は誰の物でもありません」
あんぐりと口を開き絶句するアリオン。ルリアを断罪し、ルドガー大陸に追放した1人である。
ルリアがいなくなってから何故か経済の周りが悪くなり、国はデフレ(※デフレーションの略。物が売れないこと)に苦しんでいた。そこにもう一つ最悪な情報が流れ込んできた。
「それからもう一つ、真実をお話しさせていただきます。僕の元義姉ですが、断罪の場で読まれた罪はほとんど犯しておりません。完全なる濡れ衣です」
「は⁉︎ だ、だがマリアはルリアに虐められたと……」
「身嗜みや作法で注意は受けておりましたがイジメなどは確認されておりません。こちらを見てもらえれば分かるかと」
差し出された資料に目を通した王子ルドルフの表情はどんどん険しくなっていく。
「ルリアを追放した後にこの建国……もしやルリアが⁉︎」
「そ、それならば最近商人が減っているの原因も私たちへの報復なのでは⁉︎」
静かに全てを話していくユーリに断罪をしたメンバー達が青ざめていく。その様子を見ながらユーリは高笑いしている姉の幻影を見た。
『うふふふふ、やってるかやってないかなんて、ちゃんと調べれば分かるはずよ? それで間違った判決をしたなら責任を取る必要があると思わなくて?』
あれは絶対調べないの分かってて言ったな‼︎ ユーリはこれから起こるであろう未来を予想し、顔を顰めるのだった。
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
攻略対象の王子様は放置されました
白生荼汰
恋愛
……前回と違う。
お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。
今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。
小説家になろうにも投稿してます。
悪役令嬢より取り巻き令嬢の方が問題あると思います
蓮
恋愛
両親と死別し、孤児院暮らしの平民だったシャーリーはクリフォード男爵家の養女として引き取られた。丁度その頃市井では男爵家など貴族に引き取られた少女が王子や公爵令息など、高貴な身分の男性と恋に落ちて幸せになる小説が流行っていた。シャーリーは自分もそうなるのではないかとつい夢見てしまう。しかし、夜会でコンプトン侯爵令嬢ベアトリスと出会う。シャーリーはベアトリスにマナーや所作など色々と注意されてしまう。シャーリーは彼女を小説に出て来る悪役令嬢みたいだと思った。しかし、それが違うということにシャーリーはすぐに気付く。ベアトリスはシャーリーが嘲笑の的にならないようマナーや所作を教えてくれていたのだ。
(あれ? ベアトリス様って実はもしかして良い人?)
シャーリーはそう思い、ベアトリスと交流を深めることにしてみた。
しかしそんな中、シャーリーはあるベアトリスの取り巻きであるチェスター伯爵令嬢カレンからネチネチと嫌味を言われるようになる。カレンは平民だったシャーリーを気に入らないらしい。更に、他の令嬢への嫌がらせの罪をベアトリスに着せて彼女を社交界から追放しようともしていた。彼女はベアトリスも気に入らないらしい。それに気付いたシャーリーは怒り狂う。
「私に色々良くしてくださったベアトリス様に冤罪をかけようとするなんて許せない!」
シャーリーは仲良くなったテヴァルー子爵令息ヴィンセント、ベアトリスの婚約者であるモールバラ公爵令息アイザック、ベアトリスの弟であるキースと共に、ベアトリスを救う計画を立て始めた。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
ジャンルは恋愛メインではありませんが、アルファポリスでは当てはまるジャンルが恋愛しかありませんでした。
本当にあなたは”ヒロイン”なのですか?
凪崎凪
恋愛
スヴァン王国にある国内の貴族が学ぶ王立学院。 その卒業式においてある騒動が上がった。
そこには、悪役令嬢と呼ばれたスヴァン王国の公爵令嬢ロゼリア・ハイダ・エルメストと、男爵令嬢であるアメリア・バダムの姿があった。
物語は終わった。 アメリアの敗北という形で。
そして……
他には何もいらない
ウリ坊
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した。
悪役令嬢のナタリア。
攻略対象のロイスに、昔から淡い恋心を抱いている。
ある日前世の記憶が戻り、自分が転生して悪役令嬢だと知り、ショックを受ける。
だが、記憶が戻っても、ロイスに対する恋心を捨てきれなかった。
そのハッピーエンドに物申します!
あや乃
恋愛
社畜OLだった私は過労死後、ガチ恋相手のいる乙女ゲームに推しキャラ、悪役令嬢として異世界転生した。
でも何だか様子が変……何と私が前世を思い出したのは大好きな第一王子が断罪されるざまあの真っ最中!
そんなことはさせない! ここから私がざまあをひっくり返して見せる!
と、転生ほやほやの悪役令嬢が奮闘する(でも裏では王子も相当頑張っていた)お話。
※「小説家になろう」さまにも掲載中
初投稿作品です。よろしくお願いします!
断罪されて婚約破棄される予定のラスボス公爵令嬢ですけど、先手必勝で目にもの見せて差し上げましょう!
ありあんと
恋愛
ベアトリクスは突然自分が前世は日本人で、もうすぐ婚約破棄されて断罪される予定の悪役令嬢に生まれ変わっていることに気がついた。
気がついてしまったからには、自分の敵になる奴全部酷い目に合わせてやるしか無いでしょう。
婚約破棄されたのたが、兄上がチートでツラい。
藤宮
恋愛
「ローズ。貴様のティルナシア・カーターに対する数々の嫌がらせは既に明白。そのようなことをするものを国母と迎え入れるわけにはいかぬ。よってここにアロー皇国皇子イヴァン・カイ・アローとローザリア公爵家ローズ・ロレーヌ・ローザリアの婚約を破棄する。そして、私、アロー皇国第二皇子イヴァン・カイ・アローは真に王妃に相応しき、このカーター男爵家令嬢、ティルナシア・カーターとの婚約を宣言する」
婚約破棄モノ実験中。名前は使い回しで←
うっかり2年ほど放置していた事実に、今驚愕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる