言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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ログアウト権限を獲得した者たち

アイダさんからのメール

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 通知音が響いた。これは、ポイッターの通知音だ。
 あわててSNSを開く。すると、ポイッターにDMが一通来ていることに気づく。
「アイダさんからだ!」

 思わず叫ぶ。アイダさん。お子さんがいて、お子さんと一緒にゲームにログインして遊んでいたという、アイダさん。彼女もまた、特別スキルの持ち主だ。

『サランさんへ。こちらのDMは、シュウさんへも送らせて頂いております。WFO、大変なことになっていますね。ご無事でしょうか。私はあの日、子どもが熱を出していましたため、ログインしておりませんでした。今、私の母が子どもの世話をしに来てくれており、当分はこちらに滞在予定です。ですので、何か私にもお手伝いできることがありましたら、ぜひ教えてください。子どもは、WFOのゲームをとても楽しみにプレイしていました。ですから、このままゲームにログインできず、プレイできないのは母親としてもかわいそうですし、私自身もあのゲームが大好きですから、できればまたログインしてゲームをプレイしたいです。よろしくお願いします』

 まさか、アイダさんの方から協力してくれることを申し出てくれるなんて!
 私はうれしくなる。早速、返信する。

『お世話になっております。サランです。DM、ありがとうございます。ちょうど、お手伝い頂けるかどうか、打診の連絡をしようと思っていたところでした。私はあの日、ゲームをプレイしていて、とある条件をクリアしたのでログアウトできました。ログインしていても強制的にログアウトさせられた人、ログインしたままゲームに閉じ込められた人がいます。ゲームに閉じ込められた人も、このままだと3日以内に強制ログアウトさせられてしまうようです。そうなればもう、誰もこのゲームをプレイできなくなってしまう可能性があります。私自身もこのゲームが好きですし、まだまだプレイしたいと思っています。ですので、なんとかこの危機を脱するために、協力頂けますと幸いです。ただ、アイダさんは小さい子どもさんいらっしゃるんですよね?』

 すると、すぐに返事が返ってくる。

『ああよかった! ご無事で何よりです。子どもは、母が面倒を見てくれますので、ゲームにログインできる状態なのであれば、ログインしての協力も可能です』

 それは助かる! ゲームにログインできるかどうかはまだ分からないけど、もしログインできるんだとしたら、ゲーム内での協力者が一人増えた!

『本当ですか!? ありがとうございます。そうしましたら、ログインできる人をもう少し集められるか確かめてみて、分かり次第また、ご連絡します』
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