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ムトウさんを追って
人事部の知り合いから
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シュウさんからすぐに返信があった。
『それなら、こちらで人事部に掛け合ってみよう。ちょうど人事部に知り合いがいる。なんとか情報を手に入れられるかもしれない。ついでに、なぜ彼がクビになったのか、その理由も』
それは助かる。入社が決まったばかりの新人が探りを入れるのと、既に入社し仕事をこなしているシュウさんが人事部に掛け合うのとでは違う。
それにシュウさんは人事部に知り合いがいるって言ってる。それなら、さらに動きやすくなるよね。
『お願いします』
これでムトウさんに詳しく知ることができるかもしれない。このことに関しては、シュウさんに任せよう。
SNSの新しいポイートも、検索エンジンでの検索も、それ以上の収穫はなかった。パソコンの電源を切って寝る準備を始める。
―――
次の日の夜。メールを確認すると、シュウさんからメールが飛んできていることに気づく。メール件名は、『本日の報告』。ビジネスメールだなぁ。思わず苦笑が漏れる。でもそこが、シュウさんらしいところなのかなぁとも思う。
『昨日、指摘されたことに関して、人事部に掛け合ってみた。そしたら、昨日分かったメールアドレス以外にも、分かったことがあった。住所や緊急連絡先として、電話番号も登録されていた。もちろん、内緒で教えてもらったことだ。実際は人事部本体から教えてもらったというよりは、人事部の知り合いに教えてもらった形だ』
やっぱり、人事部に掛け合ったというよりは、シュウさんが個人的に人事部の知り合いに掛け合ってくれて得た情報だったんだね。
『このことは、とりあえず田尻には秘密にしてある。あいつも、何を考えているのかよく分からないことがあるからな』
そういうシュウさんも、何を考えているのかよく分からない人って、他者から認識されてそうだけどね。
そう一人思いながら、読み進めていく。
『人事部の知り合いから聞いた話によると、ムトウのクビは、急に決定されたものだったようだ。その知り合いもクビになった理由は知らなかった。相当上の人間しか、知らない機密事項だったのかもしれないな。ただ、一つ分かったことがある。WFOの開発にムトウが関わっていたということだ。そして、あのゲームの詳しい内容について考え、企画書にして提出したというウワサを聞いた』
ムトウさんがWFOのゲームに関わっていた。確かにムトウさん、
「ぼくのゲームだ」
って言ってたもんね。それが本当なら、そしてシュウさんの聞いた噂が本当なら、ムトウさんはWFOというゲームに深く関わっていたということだ。
『それなら、こちらで人事部に掛け合ってみよう。ちょうど人事部に知り合いがいる。なんとか情報を手に入れられるかもしれない。ついでに、なぜ彼がクビになったのか、その理由も』
それは助かる。入社が決まったばかりの新人が探りを入れるのと、既に入社し仕事をこなしているシュウさんが人事部に掛け合うのとでは違う。
それにシュウさんは人事部に知り合いがいるって言ってる。それなら、さらに動きやすくなるよね。
『お願いします』
これでムトウさんに詳しく知ることができるかもしれない。このことに関しては、シュウさんに任せよう。
SNSの新しいポイートも、検索エンジンでの検索も、それ以上の収穫はなかった。パソコンの電源を切って寝る準備を始める。
―――
次の日の夜。メールを確認すると、シュウさんからメールが飛んできていることに気づく。メール件名は、『本日の報告』。ビジネスメールだなぁ。思わず苦笑が漏れる。でもそこが、シュウさんらしいところなのかなぁとも思う。
『昨日、指摘されたことに関して、人事部に掛け合ってみた。そしたら、昨日分かったメールアドレス以外にも、分かったことがあった。住所や緊急連絡先として、電話番号も登録されていた。もちろん、内緒で教えてもらったことだ。実際は人事部本体から教えてもらったというよりは、人事部の知り合いに教えてもらった形だ』
やっぱり、人事部に掛け合ったというよりは、シュウさんが個人的に人事部の知り合いに掛け合ってくれて得た情報だったんだね。
『このことは、とりあえず田尻には秘密にしてある。あいつも、何を考えているのかよく分からないことがあるからな』
そういうシュウさんも、何を考えているのかよく分からない人って、他者から認識されてそうだけどね。
そう一人思いながら、読み進めていく。
『人事部の知り合いから聞いた話によると、ムトウのクビは、急に決定されたものだったようだ。その知り合いもクビになった理由は知らなかった。相当上の人間しか、知らない機密事項だったのかもしれないな。ただ、一つ分かったことがある。WFOの開発にムトウが関わっていたということだ。そして、あのゲームの詳しい内容について考え、企画書にして提出したというウワサを聞いた』
ムトウさんがWFOのゲームに関わっていた。確かにムトウさん、
「ぼくのゲームだ」
って言ってたもんね。それが本当なら、そしてシュウさんの聞いた噂が本当なら、ムトウさんはWFOというゲームに深く関わっていたということだ。
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