言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

ムトウさんを追って

三人へのメール返信

　シュウさんのメールには続きがあった。

『他にも噂を聞いた。ムトウはどうやら、WFOのゲーム内にもゲーム開発チームが知らない様々な仕掛けを考え、勝手に仕込んでいるらしい。それが具体的にどういったものなのかは分からない。ただ、彼にはそういったゲームの要素を考え、追加したりする才能があるんだろう』

　ムトウさんは、モノ作りに長けた人だったんだ。ゲームの内容を考える天才。でもそんな人をどうしてクビにしちゃったんだろう。だけどそれ以上に、ムトウさんが何を考えて、何をしようとしているのかを考えることの方が重要かも。

　それなら私は、ＳＮＳなどを通じてムトウさんに接触した人を探しつつ、ゲーム内ではムトウさんが作り出し、追加したっていうゲーム内要素を見つけるのを目標にしよう。

『シュウさんへ。メール確認しました。ムトウさんの個人情報が見つかったとのこと、よかったです。そうしましたら、現実世界でのムトウさんに関してはシュウさん側にお任せすることにします。私は、ネットやゲームでムトウさんに接触した人に連絡を取りながら、情報を集めつつムトウさんが作ったと思われるゲーム内要素についても探ってみます』

　そう返信を書く。それから、パソコンを開いてメールやＳＮＳを確認する。すると、昨日ＤＭした相手から返信が返ってきていた。

『連絡遅くなり、申し訳ありませんでした。そちらがお持ちの情報をご提供頂き、ありがとうございます。イタズラ目的で連絡をくれる方が多かったので、こちらから情報を先だしするのはどうかと思い……。疑ってしまいすみませんでした。こちらが持っている情報についてもお話します』

　そしてそれ以降の内容も確認して返信する。そしてメールを確認すると、メールの受信ボックスには、以前ブログから連絡した人からメールが来ていた。

『ブログより連絡頂きありがとうございます。お返事に時間がかかってしまい、申し訳なかったです。ブログを通じての連絡ですと、どうしても確認に時間がかかってしまいますので、こちらのメールアドレスに以後はご連絡頂けますと幸いです』

　その下には、メールアドレス。また、ブログに載っていた『特別スキル』に関しての話が少し。それを読み込み、これまた返信をすると私はゲームにダイブすることにした。