言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

特別スキルレベルアップ編その１

明日の予定を立てる。

　ジョブを変更したい場合や、新規でジョブを追加したい場合どうやって変更するかはゲームによって異なる。

　このゲームみたいに、ジョブ申請所みたいなものがあってそこで特定の行動をしないとジョブを変更できない場合。

　ゲームのメニュー画面のステータス画面などで好きに変更できるゲーム。

　どちらのゲームの場合でも最初から装備できるジョブと、ゲームの進行度やプレイヤーレベルが上がると新しく開放されるジョブがある。

　でもこのゲームの場合、どうやらジョブ申請所に行かないと今自分がなれるジョブすら分からないみたい。ゲームによっては、ステータス画面とかから、今なれるジョブの一覧が表示できるシステムもあるんだけど。

　こうなったら、明日の夜はまずはジョブ申請所に行こう。そうしよう。私は一人決定する。

　そして、私は『Wonderland Fantasy Online』の公式サイトでマイページにログインする。ここから、ゲーム内の自分のアイテムを確認・売却したりもできる。

　アイテム一覧から、さっきシュウさんからもらったメモを確認する。まだ、中身を確認してなかったんだよね。

　メモの真ん中に、ちょこんと三行の文言。余白。余白が！　いっぱい！！
　これは。これは、シュウさんのリアルメールアドレスと、電話番号じゃあないか！
　あと、無料通話トークできるアプリのＩＤ！
　そして、メッセージも何も添えないところが、シュウさんらしい！

　今なら、シュウさんの言ってた意味が分かる。
「……迷惑だったらすまないが。何かあったときのための、保険だ」

　あれは、自分のリアルのメールアドレスと電話番号を記載したメモなんか渡したら、私が変な意味で捉えるんじゃないかって、心配しての発言だったんだ。

　私としては、シュウさんにはいつかリアルの連絡先を聞いておきたいと思ってたところだから、嬉しいんだけど。迷惑なんかじゃない、むしろ心強い。

　さっそく、私は自分のスマートフォンにシュウさんの連絡先を追加して、無料通話トークアプリのＩＤも登録しておく。そしてそのままアプリからメッセージを送る。

　こういうＳＮＳとかのアカウントのアイコンをどんな風にしてるかによって人柄が出たりするよね。景色にしてる人とか、ぬい撮りの写真にしてる人とか、アニメアイコンにしてる人とか。あと、自分の写真の人とか。

　ちなみに私は二次元アイコン。自分の小説のキャラクターを絵描きさんに描いてもらったときに許可をもらって、アイコンに使わせてもらってる。

　シュウさんは、水族館で撮った感じのアザラシの写真。あー、水族館行きたくなってきた。

『サランです。先ほどは助けて頂き、本当にありがとうございました。連絡先、ありがとうございます。登録させて頂きました。今後とも何卒よろしくお願いします』

　私はそう送ったあと、ベッドに飛び込んだ。まさか、ゲームでの知り合いとリアルでも繋がれるようになるなんて、今までだったら考えられないことだったな。