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犯人捜し
2人のスキル
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「サランさんは、わたしたちに自分のスキルの話をしてくれました。わたしも、お話しますね」
「お、おい、ヒナコ! やめとけって」
ヒナコさんの言葉に、あわてて制止に入るヒナタさん。
「わたしは、現実世界ではただお菓子のアイデアを空想することだけが楽しみのごく普通の人間でした。でも、この世界では、少しだけ違います」
ヒナコさんは、私の方をまっすぐ見て言った。
「この世界では、理想のお菓子を作ることができます。誰にも邪魔されることなく。作りたいものを、作りたいだけ」
ヒナコさんは、隣の空いた席からメニュー表を手に取ると、愛おしそうな目で見る。
「わたしが求めていたもの、それがこの世界でなら実現させることができる。それは、わたしに与えられたスキル『空想・実現(菓子のみ)』のおかげです」
「あーあ、言っちゃったよ……」
ヒナタさんがためいきをつく。ヒナコさんは言葉を続ける。
「わたしのスキルで作り出したものを、ヒナタさんのスキルで量産し提供する。それは、わたしの夢でした。この世界で夢がかなったんです。こんなところで、その夢をつぶされるわけにはいかない」
「ま、それはオレも一緒だけどさ」
ヒナタさんがぼそっと言う。
「しゃーねー。オレも手伝う。なんか作戦はあるんだろうなぁ?」
じろっと私を見るヒナタさん。
「オレのスキルは、作品を量産することだけだ。それ以外には使えない」
「ヒナコさんのスキルは、自分で考えたアイデアを形にするスキル。ヒナタさんは形にされたものを量産するスキル。……その2つと、私が使えるスキル。これらを組み合わせれば、きっと詐欺師さんを捕まえられます」
証拠とか確信はないけれど。でも、3人で力を合わせればきっと、うまくいく。なぜだかそう思えた。
「そのために。お2人にも知恵をお借りしたいのです」
私はそう言うと、さっき私が作ったアイテムの話を共有する。そして多分相手は、1人身の女性を狙っているということも。
「ですから、私は1人でこのカフェに来ているお客さんという設定でここに居座ります。お2人には、お菓子でサポートをお願いしたいのです」
「なるほど。それでしたら」
ヒナコさんは頷きながら言う。
「わたしにも考えがあります」
それだけ言うと、体をぐっと乗り出してくる。わたしは思わず、耳をヒナコさん側に寄せる。
「あ! なんだよオレだけ仲間外れにする気かッ」
ヒナタさんが怒ったように自分も身を寄せてくる。こうして3人での作戦会議が始まった。
「お、おい、ヒナコ! やめとけって」
ヒナコさんの言葉に、あわてて制止に入るヒナタさん。
「わたしは、現実世界ではただお菓子のアイデアを空想することだけが楽しみのごく普通の人間でした。でも、この世界では、少しだけ違います」
ヒナコさんは、私の方をまっすぐ見て言った。
「この世界では、理想のお菓子を作ることができます。誰にも邪魔されることなく。作りたいものを、作りたいだけ」
ヒナコさんは、隣の空いた席からメニュー表を手に取ると、愛おしそうな目で見る。
「わたしが求めていたもの、それがこの世界でなら実現させることができる。それは、わたしに与えられたスキル『空想・実現(菓子のみ)』のおかげです」
「あーあ、言っちゃったよ……」
ヒナタさんがためいきをつく。ヒナコさんは言葉を続ける。
「わたしのスキルで作り出したものを、ヒナタさんのスキルで量産し提供する。それは、わたしの夢でした。この世界で夢がかなったんです。こんなところで、その夢をつぶされるわけにはいかない」
「ま、それはオレも一緒だけどさ」
ヒナタさんがぼそっと言う。
「しゃーねー。オレも手伝う。なんか作戦はあるんだろうなぁ?」
じろっと私を見るヒナタさん。
「オレのスキルは、作品を量産することだけだ。それ以外には使えない」
「ヒナコさんのスキルは、自分で考えたアイデアを形にするスキル。ヒナタさんは形にされたものを量産するスキル。……その2つと、私が使えるスキル。これらを組み合わせれば、きっと詐欺師さんを捕まえられます」
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「ですから、私は1人でこのカフェに来ているお客さんという設定でここに居座ります。お2人には、お菓子でサポートをお願いしたいのです」
「なるほど。それでしたら」
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それだけ言うと、体をぐっと乗り出してくる。わたしは思わず、耳をヒナコさん側に寄せる。
「あ! なんだよオレだけ仲間外れにする気かッ」
ヒナタさんが怒ったように自分も身を寄せてくる。こうして3人での作戦会議が始まった。
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