34 / 143
第三章 旅
冒険の開始
しおりを挟む
フローラが倒れている麗人を見ながら、リンリンに話しかけた。
「リンリン君、いったい何をしたの?」
麗人はぴくりとも動かない。
「すいません。そのう、その人の胸を触っているときに、すこしだけ不謹慎なことを考えてしまいました。多分、スキルが発動しちゃったんだと思います」
(これ、行っちゃってるってこと? リンリン君って、こんなに凄いの? 確かにいつも気絶しそうなほど上手だけど、私、悪魔じゃなきゃ、いったいどうなってるの?)
何か考え込んでいるフローラにリンリンが声をかける。
「あのう、フローラさん、その人は?」
「あ、ええ、シックスダイスのリーダーのオスカルよ」
「あ、そうだったんですか。えーと、この人どうしましょう」
「そうね。死んではいないし、いっそのこと、このままにして、冒険に出発しましょうか」
「え? さすがにそれはまずくないですか」
「でも、いつ気がつくかわからないでしょ。思い込みの激しい人だし、リンリン君につきまとったりしたら面倒よ。待ち合わせの時間も迫っているし、マリを呼んできて、すぐに出発しましょう。リンリン君、マリを起こして来てくれる?」
「はい、わかりました」
リンリンが2階に上っていく。
フローラはオスカルに着替えを用意してあげた。
(ちょっとこのままだとオスカルがかわいそうね。下着だけでも替えてあげないと。
やっぱりこうなっちゃってたか。リンリン君、恐ろしい人ね。これでよしっと)
30分後、オスカルをベッドに寝かせ、リンリン、フローラ、マリの3人は小屋を出た。
***
リンリン達の待ち合わせ場所は町の中心の噴水広場だった。
当初集合場所として予定していた冒険者組合は、リンリンのことを血眼になって探している受付嬢がいるため、使えなくなってしまったからだ。
リンリン、フローラ、マリの3人が噴水広場に着いたときには、すでにルミが来ていた。
4人で軽く挨拶していたら、ユカリ、カトリーヌが小走りで近づいて来た。
全員揃った。よし、出発だ。
歩きながら、パーティー名を決めた。パーティ名は「リンズ」とした。リンリンの仲間たちという意味だ。
リンリンは「リンリンとクールファイブ」がいいと主張したのだが、みんなに聞こえないふりをされた。
ちなみに、現在のメンバーの年齢と胸の大きさはこんな感じだ。
戦士 カトリーヌ ヒト 17 E 最前衛
剣士 ユカリ ヒト 18 E 前衛
盗賊 ルミ ヒト 16 E 中堅
神官 マリ ヒト 7 N/A 後衛
魔使 フローラ 悪魔 24 E 後衛
女使 リンリン ヒト 5(38) 最後衛
マリが成長してEになったら、「RIN5E」と書いて「リンズ」と呼ぼうよ、上手いこと言うでしょ、と言ったのだが、これもみんなにスルーされた。
一度、実際に隊形を組んで、お互いの位置取りを確認してみたのだが、最後衛の俺からはみんなのお尻が見えて、とてもよかった。
それで、みんなの心を一つにしよう、という崇高な目的のために、露出多めのユニフォームを着てみようと提案してみたのだが、案の定、ここでも聞こえないふりをされた。
実はこのメンバーはかなり強い。戦士、剣士、魔法使いがそれぞれ大陸筆頭クラスの実力者ということで、攻撃力は大陸No.1だ。
ルミの盗賊としての実力は高いし、俺も変な魔法と女性にとっては恐怖のスキルを持っている。
唯一の弱点がマリの神官だが、チームの攻撃力が圧倒的なため、あまり弱点にはなっていない。
ただ、マリはまじめな性格なので、自分がみんなのお荷物になっていると思い込んでしまって、毎日毎日キツい修行を頑張っている。いつかきっと偉大な神官になるだろう。
最初の目的地はここから北へ300キロの港町リマだ。
依頼も受けている。リマに行く途中にある森のサーベルウルフの群れの討伐だ。
初日の今日は、野営ポイントまでの移動で終わりそうだったのだが、どうもそうはいかないようだ。
ルミの索敵能力が敵を感知したのだ。
「リンリン君、いったい何をしたの?」
麗人はぴくりとも動かない。
「すいません。そのう、その人の胸を触っているときに、すこしだけ不謹慎なことを考えてしまいました。多分、スキルが発動しちゃったんだと思います」
(これ、行っちゃってるってこと? リンリン君って、こんなに凄いの? 確かにいつも気絶しそうなほど上手だけど、私、悪魔じゃなきゃ、いったいどうなってるの?)
何か考え込んでいるフローラにリンリンが声をかける。
「あのう、フローラさん、その人は?」
「あ、ええ、シックスダイスのリーダーのオスカルよ」
「あ、そうだったんですか。えーと、この人どうしましょう」
「そうね。死んではいないし、いっそのこと、このままにして、冒険に出発しましょうか」
「え? さすがにそれはまずくないですか」
「でも、いつ気がつくかわからないでしょ。思い込みの激しい人だし、リンリン君につきまとったりしたら面倒よ。待ち合わせの時間も迫っているし、マリを呼んできて、すぐに出発しましょう。リンリン君、マリを起こして来てくれる?」
「はい、わかりました」
リンリンが2階に上っていく。
フローラはオスカルに着替えを用意してあげた。
(ちょっとこのままだとオスカルがかわいそうね。下着だけでも替えてあげないと。
やっぱりこうなっちゃってたか。リンリン君、恐ろしい人ね。これでよしっと)
30分後、オスカルをベッドに寝かせ、リンリン、フローラ、マリの3人は小屋を出た。
***
リンリン達の待ち合わせ場所は町の中心の噴水広場だった。
当初集合場所として予定していた冒険者組合は、リンリンのことを血眼になって探している受付嬢がいるため、使えなくなってしまったからだ。
リンリン、フローラ、マリの3人が噴水広場に着いたときには、すでにルミが来ていた。
4人で軽く挨拶していたら、ユカリ、カトリーヌが小走りで近づいて来た。
全員揃った。よし、出発だ。
歩きながら、パーティー名を決めた。パーティ名は「リンズ」とした。リンリンの仲間たちという意味だ。
リンリンは「リンリンとクールファイブ」がいいと主張したのだが、みんなに聞こえないふりをされた。
ちなみに、現在のメンバーの年齢と胸の大きさはこんな感じだ。
戦士 カトリーヌ ヒト 17 E 最前衛
剣士 ユカリ ヒト 18 E 前衛
盗賊 ルミ ヒト 16 E 中堅
神官 マリ ヒト 7 N/A 後衛
魔使 フローラ 悪魔 24 E 後衛
女使 リンリン ヒト 5(38) 最後衛
マリが成長してEになったら、「RIN5E」と書いて「リンズ」と呼ぼうよ、上手いこと言うでしょ、と言ったのだが、これもみんなにスルーされた。
一度、実際に隊形を組んで、お互いの位置取りを確認してみたのだが、最後衛の俺からはみんなのお尻が見えて、とてもよかった。
それで、みんなの心を一つにしよう、という崇高な目的のために、露出多めのユニフォームを着てみようと提案してみたのだが、案の定、ここでも聞こえないふりをされた。
実はこのメンバーはかなり強い。戦士、剣士、魔法使いがそれぞれ大陸筆頭クラスの実力者ということで、攻撃力は大陸No.1だ。
ルミの盗賊としての実力は高いし、俺も変な魔法と女性にとっては恐怖のスキルを持っている。
唯一の弱点がマリの神官だが、チームの攻撃力が圧倒的なため、あまり弱点にはなっていない。
ただ、マリはまじめな性格なので、自分がみんなのお荷物になっていると思い込んでしまって、毎日毎日キツい修行を頑張っている。いつかきっと偉大な神官になるだろう。
最初の目的地はここから北へ300キロの港町リマだ。
依頼も受けている。リマに行く途中にある森のサーベルウルフの群れの討伐だ。
初日の今日は、野営ポイントまでの移動で終わりそうだったのだが、どうもそうはいかないようだ。
ルミの索敵能力が敵を感知したのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる