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第十四章 運び屋稼業も楽じゃない
第百九十八話 仕事の邪魔をするな
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突然の出来事に皆が呆然としていたが、イズミとベリアだけはケロッとしている。
ベリアは顔が少し引き攣ってはいるが、イズミからするとまだマスタングの対応は紳士的に思えた。
「失礼、話の腰を折ってしまいまして。どこまで話をしてましたっけ?」
死んだ男の身体を一瞥して、イズミが改めてビュテームへ確認をする。
「貴方の後ろにいる方々を屍にすれば、実力不足と言う不安は払拭出来ますかね?」
「面白い話ですが、それは無理でしょう。彼等はSランク冒険者ですから」
「それはそれは…」
イズミは思わず笑ってしまった。
ブロズムナード辺境伯領にて知り合ったゾルダも、Sランク冒険者であったと思い出したのだ。
「Sランク冒険者と聞いて笑うとは、余程の自信家のようですな」
「確か、ゾルダもSランクでしたね」
突然挙がった男の名を聞いたビュテーム達に動揺が走った。
どうやらゾルダは冒険者ギルド界隈で、ちゃんと有名人のようだ。
「貴方達も彼程の実力があるならば…少しは楽しめそうだ」
イズミはマグナムを抜き、男達に向けた。
「戦闘狂か…悪趣味な男だ」
ビュテームを守るようにして立ち塞がった男が、吐き捨てるようにイズミへ言い放つ。
「人の仕事の邪魔をするような無粋な連中に、そんな事を言われるとはな。俺もお前も、戦いを楽しんでいる節は…少しくらいあるだろ?」
「冒険者でも無い男が…分かったような口を聞くな!」
激昂した男が腰に下げた剣を静かに抜き、上段に構える。
この手の相手が敵の場合は、先手必勝である。
イズミはマグナムを男の足に向けて3発撃った。
近接戦に持ち込まれる前に、相手の足を潰すのだ。
1発目で防御魔法が潰れ2発が足に命中し地面に崩れたもの、男は膝をつくまでに留まり構えていた剣をイズミへ投げつける。
剣を投げつける動作にギリギリで反応したイズミが、身を伏せて何とか避けつつ4発目を撃つ。
4発目の銃弾は男の身体を守るプレートを貫通し、胸に深刻なダメージを与えた。
「急いで治療してもらうと良い。でなきゃ死ぬぞ?」
立ち上がったイズミはそう言ったものの、背後を見ると剣が深々と地面に突き刺さっているのが分かり冷や汗をかいていた。
「…あれを食らったら、確実に死ぬよな」
「マスターの身体が真っ二つです」
「考えたくもないな…」
背筋に冷たいものが駆け抜け、思わず身震いしてしまった。
「ヒール!」
死にかけの男へ駆け寄った女が、大急ぎで回復魔法をかける。
その姿を見たイズミは、マグナムをホルスターへ仕舞う。
「ぐぅ…何故、殺さない?」
「殺す意味が無い」
息も絶え絶えではあるが、回復魔法のお陰で一命は取り留めたようだ。
「お前は俺の仕事の邪魔をした、だから対応した。その方法が好戦的なのは、その方が単純だからだ」
「戦いが、単純だと?」
「そうだ。此方が提案を断ったら、アンタらはすぐに実力行使を選んだ。ならば実力で黙らせれば文句は言えなくなる」
イズミはビュテーム達に問いかける。
「頭が潰れた男については残念ですが、高い勉強代になったと思って頂くほかありませんな…まだ、仕事の邪魔をするつもりで?」
「…いえ、今回は手を引きましょう。ギルド全体にも通達しておきますよ、我々からの手出しは無用と」
ビュテームは笑顔を崩さぬまま、連れに死んだ男と負傷した男の対応を急がせた。
そそくさと去って行く手際は良かった。
「俺の仕事って、カーネリア達をハルハンディアへ送り届ける事だよな?」
「そうだな」
ビュテーム達が退散してから、イズミは愚痴を零した。
「ギルドとして仕事のサポートをします、とか言ってくれたら向こうへの評価も上がったのにな」
2人でマスタングへ戻りつつ、ギルドへの不満を愚痴った。
「運び屋で食っていこうとか考えてたが、止めておいた方が良さそうだ」
「行く先々で戦う運び屋か!ははっ!面白いけど、イズミには気楽な旅が似合ってるぞ」
ベリアが笑いながらイズミの背中を叩く。
やはりこの気軽さ、気楽さが良い。
そう感じつつ、イズミはマスタングに乗り込んだ。
ベリアは顔が少し引き攣ってはいるが、イズミからするとまだマスタングの対応は紳士的に思えた。
「失礼、話の腰を折ってしまいまして。どこまで話をしてましたっけ?」
死んだ男の身体を一瞥して、イズミが改めてビュテームへ確認をする。
「貴方の後ろにいる方々を屍にすれば、実力不足と言う不安は払拭出来ますかね?」
「面白い話ですが、それは無理でしょう。彼等はSランク冒険者ですから」
「それはそれは…」
イズミは思わず笑ってしまった。
ブロズムナード辺境伯領にて知り合ったゾルダも、Sランク冒険者であったと思い出したのだ。
「Sランク冒険者と聞いて笑うとは、余程の自信家のようですな」
「確か、ゾルダもSランクでしたね」
突然挙がった男の名を聞いたビュテーム達に動揺が走った。
どうやらゾルダは冒険者ギルド界隈で、ちゃんと有名人のようだ。
「貴方達も彼程の実力があるならば…少しは楽しめそうだ」
イズミはマグナムを抜き、男達に向けた。
「戦闘狂か…悪趣味な男だ」
ビュテームを守るようにして立ち塞がった男が、吐き捨てるようにイズミへ言い放つ。
「人の仕事の邪魔をするような無粋な連中に、そんな事を言われるとはな。俺もお前も、戦いを楽しんでいる節は…少しくらいあるだろ?」
「冒険者でも無い男が…分かったような口を聞くな!」
激昂した男が腰に下げた剣を静かに抜き、上段に構える。
この手の相手が敵の場合は、先手必勝である。
イズミはマグナムを男の足に向けて3発撃った。
近接戦に持ち込まれる前に、相手の足を潰すのだ。
1発目で防御魔法が潰れ2発が足に命中し地面に崩れたもの、男は膝をつくまでに留まり構えていた剣をイズミへ投げつける。
剣を投げつける動作にギリギリで反応したイズミが、身を伏せて何とか避けつつ4発目を撃つ。
4発目の銃弾は男の身体を守るプレートを貫通し、胸に深刻なダメージを与えた。
「急いで治療してもらうと良い。でなきゃ死ぬぞ?」
立ち上がったイズミはそう言ったものの、背後を見ると剣が深々と地面に突き刺さっているのが分かり冷や汗をかいていた。
「…あれを食らったら、確実に死ぬよな」
「マスターの身体が真っ二つです」
「考えたくもないな…」
背筋に冷たいものが駆け抜け、思わず身震いしてしまった。
「ヒール!」
死にかけの男へ駆け寄った女が、大急ぎで回復魔法をかける。
その姿を見たイズミは、マグナムをホルスターへ仕舞う。
「ぐぅ…何故、殺さない?」
「殺す意味が無い」
息も絶え絶えではあるが、回復魔法のお陰で一命は取り留めたようだ。
「お前は俺の仕事の邪魔をした、だから対応した。その方法が好戦的なのは、その方が単純だからだ」
「戦いが、単純だと?」
「そうだ。此方が提案を断ったら、アンタらはすぐに実力行使を選んだ。ならば実力で黙らせれば文句は言えなくなる」
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「…いえ、今回は手を引きましょう。ギルド全体にも通達しておきますよ、我々からの手出しは無用と」
ビュテームは笑顔を崩さぬまま、連れに死んだ男と負傷した男の対応を急がせた。
そそくさと去って行く手際は良かった。
「俺の仕事って、カーネリア達をハルハンディアへ送り届ける事だよな?」
「そうだな」
ビュテーム達が退散してから、イズミは愚痴を零した。
「ギルドとして仕事のサポートをします、とか言ってくれたら向こうへの評価も上がったのにな」
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「運び屋で食っていこうとか考えてたが、止めておいた方が良さそうだ」
「行く先々で戦う運び屋か!ははっ!面白いけど、イズミには気楽な旅が似合ってるぞ」
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