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第十二章 辺境伯領にて
第百五十五話 銀狼の騎士
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ゾルダが立ち上がって話を聞く準備を整えたので、イズミが色々と聞く。
「まずはさっき使ってた氷の剣だ。無詠唱で出したのと、俺の攻撃を防いだのは分かったが、原理が分からなかった」
「無詠唱まで分かったのか。体得には苦労したよ…風魔法を利用したんだ。剣先を中心に竜巻を起こして弓矢を逸らす技術を応用した」
ゾルダが無詠唱で氷の剣を出すと、剣先に小さな竜巻を起こしてくれた。
「おぉ、格好良いな!」
イズミは思わず声を上げてしまった。
剣自体に魔法を付与するのではく、術者の技術で付与したかのような技を使う。
これは格好良い。
「氷の剣でも矢でも沢山出して、風魔法で勢いをつけて一気に投げ付けたりってのは出来ないのか?」
イズミは興味本位で質問を続ける。
これが出来たら、戦闘はかなり楽になるのだ。
「…出来ない事は無いが、かなり魔力を消費するぞ」
「そうなのか…氷魔法が大変なら水魔法で水球を沢山作って、風魔法で相手の顔をめがけて投げつけて呼吸を封じるだけでも有効だと思ったのだが」
イズミが落胆しつつボヤいた台詞を聞いた途端、周りの人達から一斉にツッコミを貰った。
「攻撃の殺意が高過ぎないか?」
「え?この手の戦術を利用すれば、大抵の魔物なら簡単に討伐出来るだろ」
ゾルダは何を思ったのか、試しに氷の矢を作り出した。
矢が10本出来たら、風魔法で一斉に飛ばして見せる。
「凄い!ならコレは出来るか?」
イズミは水を得た魚のようにゾルダへと畳みかける。
それは氷で大量の矢を作り出し、一斉に放つのでは無く連射する攻撃だった。
「あまり攻撃の想像が出来ないな」
考え込むゾルダを見たイズミは、マスタングに頼んでアサルトライフルを実体化させた。
「イメージはこんなだ…」
弾を氷の矢、ライフルが風魔法と見立てて、土の壁に向かってフルオートで連射した。
サプレッサーを装着しているとは言え、土の壁に穴が開いていくのを見たゾルダの顔には冷や汗のようなものが浮かんでいた。
「これなら、最初の数発は防げても後半からは厳しくなるだろ?相手が移動しても、攻撃も直ぐに移動が出来るから便利だ」
アサルトライフルを仕舞ったイズミがゾルダに言った。
「俺の攻撃は一直線な物が多いが…風魔法で飛ばすなら途中で曲げたりも出来るんじゃないか。そしたら物陰に隠れた奴も狙い撃ち出来る」
「待ってくれ!そんな恐ろしい戦闘方法を、何故私に話す?」
あまりにも殺意マシマシの運用方法を語るイズミに、ゾルダが止めに入った。
「そうだぞ、ゾルダは厳密に言うとイズミの仲間って訳では無いんだぞ」
ベリアがゾルダの言葉を聞いて、頷きながらイズミを諭すように言った。
「銀狼の騎士の再来なんて格好良い通り名があるなら、格好良い技が出来るかな?って思って聞きたかっただけなのだが」
イズミは浪漫的思考に傾き始めていた。
「敵に対して氷の矢でボコボコにした後で『剣を使う必要は無かったな』とか言ったら格好良いだろ!?」
「たまにイズミが何を言っているのか、分からない」
イズミの語る浪漫に関して、ベリアは理解が出来ていなかった。
「そんなに私に戦闘の術を教えて、大丈夫なのですか?」
ゾルダの質問は、未来の敵に塩を送っているのだぞと言っているようにも聞こえたので、イズミは返事がてら牽制をしておく事にした。
「大丈夫ですよ。もしゾルダと肩を並べる実力のある冒険者と戦闘になるようでしたら…その際は私の最強武器で葬ります」
先程使った武器も強いが、他にも強い武器が沢山あるので何一つ問題は無いと説明した。
笑顔で言い放った言葉だったが、それを聞いた皆の表情が凍り付いていた。
「まずはさっき使ってた氷の剣だ。無詠唱で出したのと、俺の攻撃を防いだのは分かったが、原理が分からなかった」
「無詠唱まで分かったのか。体得には苦労したよ…風魔法を利用したんだ。剣先を中心に竜巻を起こして弓矢を逸らす技術を応用した」
ゾルダが無詠唱で氷の剣を出すと、剣先に小さな竜巻を起こしてくれた。
「おぉ、格好良いな!」
イズミは思わず声を上げてしまった。
剣自体に魔法を付与するのではく、術者の技術で付与したかのような技を使う。
これは格好良い。
「氷の剣でも矢でも沢山出して、風魔法で勢いをつけて一気に投げ付けたりってのは出来ないのか?」
イズミは興味本位で質問を続ける。
これが出来たら、戦闘はかなり楽になるのだ。
「…出来ない事は無いが、かなり魔力を消費するぞ」
「そうなのか…氷魔法が大変なら水魔法で水球を沢山作って、風魔法で相手の顔をめがけて投げつけて呼吸を封じるだけでも有効だと思ったのだが」
イズミが落胆しつつボヤいた台詞を聞いた途端、周りの人達から一斉にツッコミを貰った。
「攻撃の殺意が高過ぎないか?」
「え?この手の戦術を利用すれば、大抵の魔物なら簡単に討伐出来るだろ」
ゾルダは何を思ったのか、試しに氷の矢を作り出した。
矢が10本出来たら、風魔法で一斉に飛ばして見せる。
「凄い!ならコレは出来るか?」
イズミは水を得た魚のようにゾルダへと畳みかける。
それは氷で大量の矢を作り出し、一斉に放つのでは無く連射する攻撃だった。
「あまり攻撃の想像が出来ないな」
考え込むゾルダを見たイズミは、マスタングに頼んでアサルトライフルを実体化させた。
「イメージはこんなだ…」
弾を氷の矢、ライフルが風魔法と見立てて、土の壁に向かってフルオートで連射した。
サプレッサーを装着しているとは言え、土の壁に穴が開いていくのを見たゾルダの顔には冷や汗のようなものが浮かんでいた。
「これなら、最初の数発は防げても後半からは厳しくなるだろ?相手が移動しても、攻撃も直ぐに移動が出来るから便利だ」
アサルトライフルを仕舞ったイズミがゾルダに言った。
「俺の攻撃は一直線な物が多いが…風魔法で飛ばすなら途中で曲げたりも出来るんじゃないか。そしたら物陰に隠れた奴も狙い撃ち出来る」
「待ってくれ!そんな恐ろしい戦闘方法を、何故私に話す?」
あまりにも殺意マシマシの運用方法を語るイズミに、ゾルダが止めに入った。
「そうだぞ、ゾルダは厳密に言うとイズミの仲間って訳では無いんだぞ」
ベリアがゾルダの言葉を聞いて、頷きながらイズミを諭すように言った。
「銀狼の騎士の再来なんて格好良い通り名があるなら、格好良い技が出来るかな?って思って聞きたかっただけなのだが」
イズミは浪漫的思考に傾き始めていた。
「敵に対して氷の矢でボコボコにした後で『剣を使う必要は無かったな』とか言ったら格好良いだろ!?」
「たまにイズミが何を言っているのか、分からない」
イズミの語る浪漫に関して、ベリアは理解が出来ていなかった。
「そんなに私に戦闘の術を教えて、大丈夫なのですか?」
ゾルダの質問は、未来の敵に塩を送っているのだぞと言っているようにも聞こえたので、イズミは返事がてら牽制をしておく事にした。
「大丈夫ですよ。もしゾルダと肩を並べる実力のある冒険者と戦闘になるようでしたら…その際は私の最強武器で葬ります」
先程使った武器も強いが、他にも強い武器が沢山あるので何一つ問題は無いと説明した。
笑顔で言い放った言葉だったが、それを聞いた皆の表情が凍り付いていた。
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