異世界無宿

ゆきねる

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第十章 気楽な一人旅

第百三十話 グリフォン

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イズミが昼過ぎまで仮眠でも取ろうも微睡んでいたら、外から悲鳴が聞こえたので飛び起きてしまった。

「マスター。グリフォンです」

「グリフォン?なんでそんな魔物がこの町に来る理由が分からん」

イズミはベッドから降りると、宿屋を出てマスタングで情報を確認した。

「確認出来るのは3体です」

「1体じゃないのか」

「アサルトライフルを複数発命中させれば、空から落とす事は可能です」

一撃で仕留めるのは厳しいと言う事か。

イズミはマスタングが実体化させたアサルトライフルを受け取ると、慣らしで着込んでいたベストにマガジンを入れ込んだ。

最後にマスタングと情報共有が出来るクリアなサングラスをかけると、勢い良くマスタングから飛び出した。

広場へと向かう途中で、低空飛行で飛ぶグリフォンが見えた。
風魔法で竜巻を作り出し、民家らしき建物の屋根が吹き飛ばされる。

イズミはアサルトライフルに初弾を装填してから、素早く上半身から翼辺りに照準を合わせ、連続で10発打ち込んだ。

サプレッサーの効果で音はそこまで響いていないが、近くにいた町の人間には驚かれてしまった。
撃たれたグリフォンは民家の壁にぶつかって落下した。

イズミは近付きながら何発か撃ち込むと、グリフォンが悲鳴を上げた。

その直後に、別の1体がイズミの背後から飛んで来た。

素早く振り返ったイズミが、マガジンが空になるまでグリフォンへと撃ち込んだ。

羽根で防御をしたグリフォンだったが、アサルトライフルから放たれた5.56mm弾は、羽根を貫通して胴体へと入り込み、内部をかなり痛めつけたようだ。

まだ余力があるのか、飛んで逃げようとするグリフォンに対して、イズミは素早くリロードをして数発撃ち込んだ。

やっと地面に落ちたグリフォンに止めを刺そうとしたが、まだ1体残っている事を思い出して周囲の確認をした。

ざっと確認をした限りでは、残りの1体は見当たらない。


やっと衛兵隊が現場に到着したので、グリフォンの止めは衛兵に任せると、イズミは最後の1体を探した。

「マスタング、索敵を頼む」

「…最後のグリフォンは、広場で丸まっています」

イズミは念の為にマガジンを交換して、静かに広場へと移動する。

広場ではグリフォンを遠くから見る野次馬が多い状態で、目視確認をするのに手間取ってしまった。

確認出来たグリフォンは、確かに広場の中心部分で丸まっていた。
イビキのような、うめき声のようなものを上げている。

「寝てると言うか、何かを堪えているように見えるな」

イズミは銃を構えつつ、ジリジリとグリフォンに近付いた。

「マスター。このグリフォンは操られています」

マスタングがサングラス越しにスキャンをしたようだ。

「そうか…ならば操ってる奴は何処に居る?」

グリフォンへ近づくのを止めて、ゆっくりと呼吸を整える。

「特定しました。マスターから見て4時方向、平屋の建物の屋根の上です」

それを聞いたイズミは、すかさず身体を4時方向へと向けてアサルトライフルで狙いを定める。

幸いな事に建物までの射線上には町の人間も野次馬もおらず、安心して攻撃が出来る。

建物の屋根の上にいた何者かが、イズミの動きに気付いて逃げようと立ち上がった。

どうやらイズミの戦闘を確認していなかったようだ。
飛び道具を使う人間に対して、身体を晒したのだから。

イズミは立ち上がった男に対して、2発撃った。

バシュン!バシュン!

そんな音が響いたら、屋根の上にいた何者かが地面へと落下した。

その瞬間、グリフォンにかかっていた魔法が切れたのか、グリフォンのうめき声が止まった。

「マスター。9時方向に敵の反応があります」

イズミはその場から数歩後ろに下がりながら、身体を左に向けた。

目の前を矢が通過する。

矢を放った者に対して、素早く照準を合わせて4発撃ち込んだ。

「マスタング、他に敵の反応はあるか?」

「…反応はありません」

「分かった。引き続き警戒を頼む」

イズミは銃を構えたまま、弓を放った者へ近付いた。

「クソが!」

弓を放った者は、持っていたナイフを取り出すとイズミへ突撃をして来た。

しかし、起き上がった瞬間にイズミは2発撃ち込んだ。

その内の1発が男の頭に命中した。
男が倒れ込んだのを確認してから、イズミは地面に落ちたナイフを男から遠ざけるように蹴り飛ばした。
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