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第四章 旅と戦闘
第四十六話 散歩、行こうか
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前日言われた通り、今日の聴取…決して尋問ではない…には、何処か他人を下に見ているように感じる貴族の騎士がいた。
「この男が手配中だった賊の一団を壊滅させたってのかい?そんな凄腕には見えないな」
聴取は昨日の時点でほぼ終わっているようなものなので、今日の聴取は実質この貴族の騎士との『おしゃべり』になるだろう。
イズミは顔に不快感を出さないように気を配りつつ、この『おしゃべり』に付き合う事にした。
「只の旅人ですよ。今回は不慮の事故に巻き込まれただけです」
イズミは貴族の騎士を見る。
色白で金髪、背は高めで声は中性的だ。
衣服も質の良い素材を使っているだろう事が素人でも分かる。
「只の旅人が賊を一撃で葬れる魔道具を持ち、見たことも聞いたことも無いアーティファクトを使いこなしている」
騎士はイズミと向かい合うように座り、じっとイズミを観察する。
イズミはただ無表情で騎士を見つつ腕を組む。
気に入らない。感覚的な問題なのかは分からない。
目の前に座る騎士の存在が、気に入らない。
「…君の所有物を僕の権限で全て没収しても良いのだけれど、その手の事をすると他の貴族が五月蝿くてね。君が僕の様な貴族へ『お近付きの印に』とか言って献上とかしてくれると、大変助かるんだけどなぁ?」
にこやかな表情と口調ではあるが、目が一切笑っていないのをイズミは見逃さなかった。
後ろにいた騎士が何か言いたげだったが、貴族の男が右手を上げたら顔を背けてしまった。
「献上するなら、それに見合う男でないとな。小男や坊やでは宝の持ち腐れだ」
イズミはため息をついてから言い放った。
目の前の男を、貴族とも騎士とも認識しない事にした。
下手に力を持った人間ほど傍若無人な事も平気で行なうのは、何処の世界でも一定数存在する。
その一定数に該当するのが、目の前の男なのだと思う事にした。
今までは圧力をかければ思い通りだったのだろうが、今回は圧力をかける相手を間違えたのだ。
貴族の男は想定外の返答に驚き、何か言葉を口にする前にイズミは椅子から立ち上がる。
「ちょっと一緒に散歩、行こうか」
面白い物を見せてやると言って、有無を言わせず貴族の男と一緒にマスタングの元へ向かった。
カレンには窮屈ではあるが後部座席に座ってもらい、貴族の男の装備一式をマスタングのトランクへ収納した。
「では、最初にアーティファクトや魔道具への認識を深めて貰わないとな」
助手席側へ貴族の男…いや『坊や』をエスコートする。
その姿を見た騎士隊から声をかけられたので、軽く受け流す。
「騎士様と森林地帯へ散歩に行って来ます。遅くても夕方には戻りますよ」
笑顔でそう言い残して、イズミはマスタングへ乗り込みアクセルを踏み込んだ。
地図が正確ならマスタングで走れば、ゆっくりまったりでも2時間程度で印の付いた森林地帯へ到着する。
しかしあえて爆走しているので車内で坊やが騒がしいが、マスタングに頼んで黙らせる。
「楽しい散歩と森林浴だ。気分転換にもなって一石二鳥だぞ」
イズミは変にご機嫌な口調で坊やに話しかける。
「森林地帯って、ここ最近ゴブリンの巣があるとか言われている所じゃないか!何故そんな場所へ向う?」
マスタングによって身体をシートベルトでグルグル巻きにされた坊やが喚いているが、そんな簡単な質問では直接的には答えない。
「何故って?面白いものを見せてやりたいからさ」
イズミは森林地帯へほぼ一直線に進んで行く。
マスタングの轟音に驚いた動物達が避けていくのが分かる。
本音を言えばまったりと走って旅をしたいが、今日は弾丸ツアーのようなものなのだ。夕方には戻ると言ってしまっているので、仕方ない。
森林地帯が見えて来たのでカーナビを確認すると、時刻は12時になる所だった。
腕時計を使わない時間確認に慣れておらず、右手首を見てしまった自分に思わずイズミは笑ってしまった。
「…何故お前は笑っているんだ?」
坊やは目と鼻の先にゴブリンの巣があるかもしれない状況下で、突然笑い出した旅人に恐怖を感じていた。
「いや、癖ってのは抜けないものだなと改めて実感しただけだ」
マスタングが索敵をした結果、数百メートル先に魔物の反応があると分かった。
数は50を超えているし、面倒なのでそれ以上を数えるのは止めた。
騎士をマスタングから降ろして装備一式を渡してから、イズミはショットガンを実体化させる。
今回は手際良く殲滅しなければならないので、フルオートのショットガンだ。
予備のドラムマガジンは肩がけの布袋に4個入っていた。
この前使ったサングラスも実体化されていたので着けてみると、ゴブリンの位置が表示された。
イズミはマスタングに戦闘態勢を取るように指示をする。
ガトリングも火炎放射器も使用許可を出した。
「では騎士様。散歩がてら森林浴と…美化活動でもしましょうか」
マスタングの轟音と人間の存在に気付いたゴブリン共が近付いて来る。
イズミは坊やの言い分を完全無視してショットガンに初弾を装填し、カレンにバックアップを頼んだ。
そして、銃口をゴブリン共へと向けた。
「この男が手配中だった賊の一団を壊滅させたってのかい?そんな凄腕には見えないな」
聴取は昨日の時点でほぼ終わっているようなものなので、今日の聴取は実質この貴族の騎士との『おしゃべり』になるだろう。
イズミは顔に不快感を出さないように気を配りつつ、この『おしゃべり』に付き合う事にした。
「只の旅人ですよ。今回は不慮の事故に巻き込まれただけです」
イズミは貴族の騎士を見る。
色白で金髪、背は高めで声は中性的だ。
衣服も質の良い素材を使っているだろう事が素人でも分かる。
「只の旅人が賊を一撃で葬れる魔道具を持ち、見たことも聞いたことも無いアーティファクトを使いこなしている」
騎士はイズミと向かい合うように座り、じっとイズミを観察する。
イズミはただ無表情で騎士を見つつ腕を組む。
気に入らない。感覚的な問題なのかは分からない。
目の前に座る騎士の存在が、気に入らない。
「…君の所有物を僕の権限で全て没収しても良いのだけれど、その手の事をすると他の貴族が五月蝿くてね。君が僕の様な貴族へ『お近付きの印に』とか言って献上とかしてくれると、大変助かるんだけどなぁ?」
にこやかな表情と口調ではあるが、目が一切笑っていないのをイズミは見逃さなかった。
後ろにいた騎士が何か言いたげだったが、貴族の男が右手を上げたら顔を背けてしまった。
「献上するなら、それに見合う男でないとな。小男や坊やでは宝の持ち腐れだ」
イズミはため息をついてから言い放った。
目の前の男を、貴族とも騎士とも認識しない事にした。
下手に力を持った人間ほど傍若無人な事も平気で行なうのは、何処の世界でも一定数存在する。
その一定数に該当するのが、目の前の男なのだと思う事にした。
今までは圧力をかければ思い通りだったのだろうが、今回は圧力をかける相手を間違えたのだ。
貴族の男は想定外の返答に驚き、何か言葉を口にする前にイズミは椅子から立ち上がる。
「ちょっと一緒に散歩、行こうか」
面白い物を見せてやると言って、有無を言わせず貴族の男と一緒にマスタングの元へ向かった。
カレンには窮屈ではあるが後部座席に座ってもらい、貴族の男の装備一式をマスタングのトランクへ収納した。
「では、最初にアーティファクトや魔道具への認識を深めて貰わないとな」
助手席側へ貴族の男…いや『坊や』をエスコートする。
その姿を見た騎士隊から声をかけられたので、軽く受け流す。
「騎士様と森林地帯へ散歩に行って来ます。遅くても夕方には戻りますよ」
笑顔でそう言い残して、イズミはマスタングへ乗り込みアクセルを踏み込んだ。
地図が正確ならマスタングで走れば、ゆっくりまったりでも2時間程度で印の付いた森林地帯へ到着する。
しかしあえて爆走しているので車内で坊やが騒がしいが、マスタングに頼んで黙らせる。
「楽しい散歩と森林浴だ。気分転換にもなって一石二鳥だぞ」
イズミは変にご機嫌な口調で坊やに話しかける。
「森林地帯って、ここ最近ゴブリンの巣があるとか言われている所じゃないか!何故そんな場所へ向う?」
マスタングによって身体をシートベルトでグルグル巻きにされた坊やが喚いているが、そんな簡単な質問では直接的には答えない。
「何故って?面白いものを見せてやりたいからさ」
イズミは森林地帯へほぼ一直線に進んで行く。
マスタングの轟音に驚いた動物達が避けていくのが分かる。
本音を言えばまったりと走って旅をしたいが、今日は弾丸ツアーのようなものなのだ。夕方には戻ると言ってしまっているので、仕方ない。
森林地帯が見えて来たのでカーナビを確認すると、時刻は12時になる所だった。
腕時計を使わない時間確認に慣れておらず、右手首を見てしまった自分に思わずイズミは笑ってしまった。
「…何故お前は笑っているんだ?」
坊やは目と鼻の先にゴブリンの巣があるかもしれない状況下で、突然笑い出した旅人に恐怖を感じていた。
「いや、癖ってのは抜けないものだなと改めて実感しただけだ」
マスタングが索敵をした結果、数百メートル先に魔物の反応があると分かった。
数は50を超えているし、面倒なのでそれ以上を数えるのは止めた。
騎士をマスタングから降ろして装備一式を渡してから、イズミはショットガンを実体化させる。
今回は手際良く殲滅しなければならないので、フルオートのショットガンだ。
予備のドラムマガジンは肩がけの布袋に4個入っていた。
この前使ったサングラスも実体化されていたので着けてみると、ゴブリンの位置が表示された。
イズミはマスタングに戦闘態勢を取るように指示をする。
ガトリングも火炎放射器も使用許可を出した。
「では騎士様。散歩がてら森林浴と…美化活動でもしましょうか」
マスタングの轟音と人間の存在に気付いたゴブリン共が近付いて来る。
イズミは坊やの言い分を完全無視してショットガンに初弾を装填し、カレンにバックアップを頼んだ。
そして、銃口をゴブリン共へと向けた。
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