異世界無宿

ゆきねる

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第二章 旅の始まり

第十三話 襲撃準備

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「マスター、スキャンが完了しました」

マスタングのスキャン結果は、あまり良いとは言えないものだった。

先頭の馬車は操縦士1名、魔術師が2名に戦士が3名。
中央の馬車は操縦士1名、魔術師1名と戦士1名、捕縛魔法で捕らえられているのが2名。
最後尾の馬車は操縦士1名、魔術師1名、戦士が2名。

どう考えても人数的に不利だ。
相手も俺の存在を認識したはずだ。
でなければ、馬車を停止させてはいないだろう。

敵の装備も分からない。
相手も、俺の装備を知らない。

俺にはもうさらなる火力が必要だ。
助手席に置いてあるショットガンを見る。
ソードオフされているコイツの装弾数は2発。

これで大勢を相手するのは無理だろう。
それよりも装弾数が多い武器…

アサルトライフルはどうだろうか?
弾数もあるし、素早いリロードも出来る。
中~遠距離にも対応出来るオールラウンダーだと思う。
しかし、光学機器が出て来る保証が無い。

慣れない戦闘の中で照準を合わせられる自信が無かった。

サブマシンガンはどうだ?
弾数も操作性も良い。
ギャング映画や戦争映画で活躍していた記憶が蘇る。

問題は威力だ。
拳銃弾でこの異世界の装備や防御魔法を貫通出来るのか?
これが分からなかった。

撃ち込んだのに防御魔法とやらで防がれていた…
そんな事態は絶対に避けたい。
サブマシンガンを選ぶのは見送った方が無難だろう。

スナイパーライフルは…今回の戦闘には適さないと思う。
もっと物理的距離があって、相手に場所を悟られていなければ良いのかもしれないが。

となれば…
やはり、ショットガンだろう。
最低でも6発は装填出来て、銃床があるタイプのショットガンだ。
威力が必要ならば、12ゲージだろうか?
自動式よりもポンプアクション式の方が、排莢のタイミングを調整出来る。
ポンプアクション式が良いだろう。

『Shotgun, 12 gauge pump.』

ある映画の台詞が脳裏を過ぎった。

この銃であれば戦える…
それ、ポーチと大量の弾が必要だ。

「マスタング、俺のイメージを実体化出来るか?」

目を閉じて強く装備をイメージする。
可能な限り鮮明に。

すると音声が流れてきた。

「武器情報を確認しました。実体化を開始します」

程なくして、モニターにてアナウンスがあった。
トランクにて実体化が完了したのだ。
これで身を守る装備は準備が出来た訳だ。

俺は車を降り、トランクを開けて確認する。

ちゃんとショットガンが鎮座していた。
長老に渡した物と同じに見えるが、装弾数の多いモデルのようだ。
隣にあったポーチに入っている弾薬を取り出し、1発ずつ装填する。
チューブには8発入った。
1発を薬室に込め、もう1発装填した。

ポーチを腰に巻き付けてから、ショットガンを片手に車へと乗り込んだ。

「マスター、グローブボックスにもう1つ武器を実体化しました。確認をしてください。」

グローブボックスが自動で開いたので手を入れ込んだ。
取り出したそれは、小型のリボルバーとホルスターだった。

「これは護身用か?」

「マスターの持つイメージの一部から実体化させました。威力は低いですが、無いよりはあった方が良いかと。」

…有能過ぎる相棒だ。
俺には勿体無いくらいに最高だ。
ホルスターは肩がけのもので、銃口が上を向くタイプだ。
グリップを握って下へと引っ張れば銃が抜ける。

銃を引き抜き、シリンダーを確認した。
装弾数は6発だった。

急いでジャケットを脱いでホルスターを着ける。

身支度を整えた俺は馬車の動向を確認する。
攻めて来るのかと思ったが、現時点では動きがない。


「警告、対象からの索敵魔法を検知しました」

…相手に俺が1人だとバレた訳だ。
さて、どうする?

数で攻められるのは分が悪過ぎる。
囲まれて魔法攻撃でも喰らったら、あっという間にお陀仏だろう。
それは避けなければならない。

ショットガンの火力と威力、マスタングの機動力を頼りに俺から攻撃を仕掛けるのだ。

勝算はあるはずだ。

ソードオフショットガンはグローブボックスに仕舞い込む。
物理的に収まらないと思っていたのだが、きちんと吸い込まれていった。

俺は覚悟を決めた。
運転席側の窓を開け、ショットガンを用意する。

戦闘のイメージはこうだ。
馬車付近を反時計回りで走りつつ、中央の馬車以外に向けて撃ちまくる。
見る限り馬車自体は木製で、強度はそこまで無いと信じて撃ちまくるしかない。

散弾が馬車内の敵に当たれば良い。
戦力は削げるだろう。

前後の馬車を攻撃して中央の馬車の動きを止めた所で、車輪を撃って走れないようにする。

最後は車から降りて、救出の為に突撃だ。
これが最も困難な場面だろう。
相手に近づく必要があるからな…

俺は深呼吸をして、アクセルを踏んだ。
まるでウェスタン映画の列車強盗だな…そんな考えが脳裏によぎったが、馬車に近付くにつれて脳裏から消えていった。
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