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第二章 旅の始まり
第十四話 銃撃
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マスタングは轟音と共に馬車へ向かい走り出す。
運転席からは馬車側の動きは見て取れない。
魔法での攻撃に注意しつつアクセルを踏み込み、ショットガンに右手を伸ばす。
先頭の馬車の左側を通る直前に軽く減速して、マスタングに自動操縦を頼む。
ショットガンを構えて狙いを定める。
この弾薬は散弾だ。
精密に狙いをつけるのではなく、散弾が上手く全体に行き渡るように大まかな狙い方をする事にした。
先頭の馬車に向けて撃つ!
急いでコッキングをして、引き金を引く!
またコッキングをする。
引き金を引く!
もう一度!
マスタングは加速して一旦馬車から離れる。
俺はそのタイミングで弾薬を装填する。
今度は最後尾の馬車に撃ち込む。
4発撃ち込んだら、そのまま先頭の馬車に対して4発撃ち込む。
また距離を取りつつ弾を補給して、突撃する。
それを何度か繰り返した。
2台の馬車は見るも無惨な姿に変わっていた。
穴だらけになり、一部は剥がれ落ちて内部が確認出来る程だ。
…確認は後でするかもしれない。
残しておいた馬車が逃げ出そうとしたので、操縦士を狙い撃ちした。
馬車を走らせる前に仕留める事が出来たのは、幸運かもしれない。
動くと標的を撃ち落とせる実力が俺にあるかどうか…正直、自身が無かったからだ。
残った馬車に車を近づけ、マスタングに再度索敵を依頼する。
敵としては戦士1名、魔術師1名が馬車内にいるようだ。
弾薬を装填し終えた俺は、マスタングに無理を承知で質問をする。
「マスタング、敵の位置を立体的に出せるか?」
スキャンします。
そう聞こえてから、モニターに動きがあった。
馬車の入口付近に魔力が集中している。
それが魔術師だろう。
その近くに微弱な魔力がマーキングされている。
これが戦士か?
馬車の1番奥には、捕縛魔法の表示が2つ…
上出来過ぎる情報だ。
これで遠慮なく撃てる。
俺は静かにドアを開けて馬車へと向かう準備をする。
車から出る直前まで、マスタングがリアルタイムで魔力の位置情報を出してくれている。
ゆっくりと車から降りて、馬車の中央付近に2発撃った。
間を空けずに入口付近には1発撃ち込んだ。
聞こえてきた叫び声は悲痛なものだったが、今の俺はアドレナリンが分泌し過ぎて気にもならない。
マスタングから小さな魔力はロストし、魔術師のと思われる魔力は微弱ながら残っているとの報告があった。
その足で弾を装填しつつ馬車に近付く。
素早く入口に突入すると、戦士は事切れており、魔術師は足を負傷して動けない様子だった。
俺はショットガンの銃床で魔術師を殴り気絶させ、捕縛魔法のかかっている2人の方を見た。
色白の素肌にボロボロの服、首から上は布で隠されていた。
見た目で年上だと思われる1人に声をかける。
「俺はアンタの敵じゃない。助けに来た」
取り敢えず馬車から降ろすと説明していると、遠くから聞き覚えのある声がした。
アーリアだ。
転移魔法でようやく到着か?
「何よ…これ」
アーリアの見た光景は、賊が襲撃後の村の悲惨さとも違う、恐怖を感じざるを得ないものであった。
見るも無惨な馬車の中を覗いた事を、強く後悔した。
「アーリア、こっちだ!」
俺は馬車から顔を出して、アーリアを呼んだ。
魔術師を馬車から引きずり出し、捕まっていた2人をアーリアと共に保護する。
アーリアが2人にかかった捕縛魔法を解除している間に、俺はショットガンと排莢された弾を回収してマスタングのトランクに仕舞い込んだ。
現場に証拠は残さない、あるいは可能な限り証拠隠滅するのはアクション映画の悪役ならやっているだろう。
尻尾を掴ませない為の知恵ってやつなのだろうか?
「イズミ!一体どういう事か説明しなさい!」
俺は攻撃を仕掛けられたから応戦した。
そう嘘をついた。
自分から突撃した…なんて言ったらどうなるか分からないからな。
当然といえば当然だが、どんな武器を使ったのかと問い詰められた。
この前、魔法は使えないと調べられたのにコレだからな。
「アーティファクトのおかげだな」
アーティファクトが生み出した武器…
魔法で火球や稲妻を出せるのなら、アーティファクトが何かを生み出してもおかしくはないはずだ。
俺はそう説明した。
「武器の召喚能力まであるの?あのアーティファクト…」
アーリアはマスタングの方を見つめている。
俺は緊張の糸が切れたのか、無性に喉が乾渇いていた。
マスタングに乗り込み、ラムネを実体化させた。
それをアーリアと保護した2人に渡す。
喉を通過する程良く冷えている炭酸の刺激が、俺に冷静さを取り戻させてくれた。
運転席からは馬車側の動きは見て取れない。
魔法での攻撃に注意しつつアクセルを踏み込み、ショットガンに右手を伸ばす。
先頭の馬車の左側を通る直前に軽く減速して、マスタングに自動操縦を頼む。
ショットガンを構えて狙いを定める。
この弾薬は散弾だ。
精密に狙いをつけるのではなく、散弾が上手く全体に行き渡るように大まかな狙い方をする事にした。
先頭の馬車に向けて撃つ!
急いでコッキングをして、引き金を引く!
またコッキングをする。
引き金を引く!
もう一度!
マスタングは加速して一旦馬車から離れる。
俺はそのタイミングで弾薬を装填する。
今度は最後尾の馬車に撃ち込む。
4発撃ち込んだら、そのまま先頭の馬車に対して4発撃ち込む。
また距離を取りつつ弾を補給して、突撃する。
それを何度か繰り返した。
2台の馬車は見るも無惨な姿に変わっていた。
穴だらけになり、一部は剥がれ落ちて内部が確認出来る程だ。
…確認は後でするかもしれない。
残しておいた馬車が逃げ出そうとしたので、操縦士を狙い撃ちした。
馬車を走らせる前に仕留める事が出来たのは、幸運かもしれない。
動くと標的を撃ち落とせる実力が俺にあるかどうか…正直、自身が無かったからだ。
残った馬車に車を近づけ、マスタングに再度索敵を依頼する。
敵としては戦士1名、魔術師1名が馬車内にいるようだ。
弾薬を装填し終えた俺は、マスタングに無理を承知で質問をする。
「マスタング、敵の位置を立体的に出せるか?」
スキャンします。
そう聞こえてから、モニターに動きがあった。
馬車の入口付近に魔力が集中している。
それが魔術師だろう。
その近くに微弱な魔力がマーキングされている。
これが戦士か?
馬車の1番奥には、捕縛魔法の表示が2つ…
上出来過ぎる情報だ。
これで遠慮なく撃てる。
俺は静かにドアを開けて馬車へと向かう準備をする。
車から出る直前まで、マスタングがリアルタイムで魔力の位置情報を出してくれている。
ゆっくりと車から降りて、馬車の中央付近に2発撃った。
間を空けずに入口付近には1発撃ち込んだ。
聞こえてきた叫び声は悲痛なものだったが、今の俺はアドレナリンが分泌し過ぎて気にもならない。
マスタングから小さな魔力はロストし、魔術師のと思われる魔力は微弱ながら残っているとの報告があった。
その足で弾を装填しつつ馬車に近付く。
素早く入口に突入すると、戦士は事切れており、魔術師は足を負傷して動けない様子だった。
俺はショットガンの銃床で魔術師を殴り気絶させ、捕縛魔法のかかっている2人の方を見た。
色白の素肌にボロボロの服、首から上は布で隠されていた。
見た目で年上だと思われる1人に声をかける。
「俺はアンタの敵じゃない。助けに来た」
取り敢えず馬車から降ろすと説明していると、遠くから聞き覚えのある声がした。
アーリアだ。
転移魔法でようやく到着か?
「何よ…これ」
アーリアの見た光景は、賊が襲撃後の村の悲惨さとも違う、恐怖を感じざるを得ないものであった。
見るも無惨な馬車の中を覗いた事を、強く後悔した。
「アーリア、こっちだ!」
俺は馬車から顔を出して、アーリアを呼んだ。
魔術師を馬車から引きずり出し、捕まっていた2人をアーリアと共に保護する。
アーリアが2人にかかった捕縛魔法を解除している間に、俺はショットガンと排莢された弾を回収してマスタングのトランクに仕舞い込んだ。
現場に証拠は残さない、あるいは可能な限り証拠隠滅するのはアクション映画の悪役ならやっているだろう。
尻尾を掴ませない為の知恵ってやつなのだろうか?
「イズミ!一体どういう事か説明しなさい!」
俺は攻撃を仕掛けられたから応戦した。
そう嘘をついた。
自分から突撃した…なんて言ったらどうなるか分からないからな。
当然といえば当然だが、どんな武器を使ったのかと問い詰められた。
この前、魔法は使えないと調べられたのにコレだからな。
「アーティファクトのおかげだな」
アーティファクトが生み出した武器…
魔法で火球や稲妻を出せるのなら、アーティファクトが何かを生み出してもおかしくはないはずだ。
俺はそう説明した。
「武器の召喚能力まであるの?あのアーティファクト…」
アーリアはマスタングの方を見つめている。
俺は緊張の糸が切れたのか、無性に喉が乾渇いていた。
マスタングに乗り込み、ラムネを実体化させた。
それをアーリアと保護した2人に渡す。
喉を通過する程良く冷えている炭酸の刺激が、俺に冷静さを取り戻させてくれた。
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