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火の都サラマン激突編
168話 最大出力!
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「なんでこの世界に自爆機能なんてあるのよっ?!」
確かに、最先端すぎる。
フレイムドルフは遥か先のステップに進んでいると話していた。まさか、この文明レベルの上昇に関係があるというのか?
だが、そうだとしても――フレイムドルフはもういない。
世界の脅威は完全に消え去り、その野心が再び燃え上がることはないのだ。今の僕たちがすべきことは無事に脱出することのみ、このままでは要塞もろとも道連れとなってしまう。
猶予は1分を切っている、無駄話をしている間にドカンだ。
「く、クーラ、どうしましょう」
「ゴザル、当初の予定通り要塞を真っ二つにできる?」
「予定通りかはさて置き、作戦があるのなら乗るわよ」
「マップ機能で確認したところ、自爆機能が制御されているところは――おそらく、要塞の中枢だと思うんだ。プログラム自体を破壊すればとまる可能性は高い」
「今からその場所まで行くっていうの? いくらなんでも間に合うわけないわ」
「いや、ここから中枢を狙うんだ」
「ソラ、本気で言ってるの?」
「ゴザルならできる」
「……信頼してくれてるのは嬉しいわ。だけどね、非常に言いづらいんだけれどフレイムドルフとの戦いで魔力をかなり消費しちゃったのよね」
「マジ?」
――《 残り30秒です 》
「マジなのよ」
ゴザルが真顔で返す。
「正直、全開の状態だったら真っ二つくらいできたと思う。今の私じゃ中枢までも届きそうにないわ。期待に応えられず――ごめんなさい」
「僕が無理を言い過ぎたんだ。他の作戦を考えよう」
しかし、そんな余裕はないに等しい。
どうする、どうする、どうする――その時、ナコが全身から黒い波動を放ちながらハッピーを構える。
「お侍さんの代わりに――私がやります」
ナコは言う。
「今回、私は戦いに加わっていません。魔力、体力、気力、全てが今一番充実しているのは私だと思います」
黒い波動が出力を増していく。
僕とゴザル、ナコの魔力量に――思わず目を見張る。常々、底が見えないと思ってはいたが想像を遥かに超えている。
魔法少女には、フレイムドルフの"王炎"に似た特性でもあるのか?
「ナコちゃん、もう少しだけ力を抜いた方がいいわ」
ゴザルがナコの肩に優しく手を置く。
魔力操作に関しては、まだまだゴザルには遠く及ばない。短い時間の中で、ゴザルがナコに教示する。
「こうだっていう具体的なイメージを思い浮かべるの。魔力にはそれを実現する夢のような力があるわ」
「はいっ!」
「大変な役割を押し付けてしまって――ごめんなさいね」
「ふふ。私、本番には強いタイプです」
ゴザルの言葉に、ナコが微笑み返す。
――《 残り10、9、8、7 》
「カウントが3秒になったら今の私がだせる最大級を――放ちますっ!」
僕たちの命運は――ナコに託された。
確かに、最先端すぎる。
フレイムドルフは遥か先のステップに進んでいると話していた。まさか、この文明レベルの上昇に関係があるというのか?
だが、そうだとしても――フレイムドルフはもういない。
世界の脅威は完全に消え去り、その野心が再び燃え上がることはないのだ。今の僕たちがすべきことは無事に脱出することのみ、このままでは要塞もろとも道連れとなってしまう。
猶予は1分を切っている、無駄話をしている間にドカンだ。
「く、クーラ、どうしましょう」
「ゴザル、当初の予定通り要塞を真っ二つにできる?」
「予定通りかはさて置き、作戦があるのなら乗るわよ」
「マップ機能で確認したところ、自爆機能が制御されているところは――おそらく、要塞の中枢だと思うんだ。プログラム自体を破壊すればとまる可能性は高い」
「今からその場所まで行くっていうの? いくらなんでも間に合うわけないわ」
「いや、ここから中枢を狙うんだ」
「ソラ、本気で言ってるの?」
「ゴザルならできる」
「……信頼してくれてるのは嬉しいわ。だけどね、非常に言いづらいんだけれどフレイムドルフとの戦いで魔力をかなり消費しちゃったのよね」
「マジ?」
――《 残り30秒です 》
「マジなのよ」
ゴザルが真顔で返す。
「正直、全開の状態だったら真っ二つくらいできたと思う。今の私じゃ中枢までも届きそうにないわ。期待に応えられず――ごめんなさい」
「僕が無理を言い過ぎたんだ。他の作戦を考えよう」
しかし、そんな余裕はないに等しい。
どうする、どうする、どうする――その時、ナコが全身から黒い波動を放ちながらハッピーを構える。
「お侍さんの代わりに――私がやります」
ナコは言う。
「今回、私は戦いに加わっていません。魔力、体力、気力、全てが今一番充実しているのは私だと思います」
黒い波動が出力を増していく。
僕とゴザル、ナコの魔力量に――思わず目を見張る。常々、底が見えないと思ってはいたが想像を遥かに超えている。
魔法少女には、フレイムドルフの"王炎"に似た特性でもあるのか?
「ナコちゃん、もう少しだけ力を抜いた方がいいわ」
ゴザルがナコの肩に優しく手を置く。
魔力操作に関しては、まだまだゴザルには遠く及ばない。短い時間の中で、ゴザルがナコに教示する。
「こうだっていう具体的なイメージを思い浮かべるの。魔力にはそれを実現する夢のような力があるわ」
「はいっ!」
「大変な役割を押し付けてしまって――ごめんなさいね」
「ふふ。私、本番には強いタイプです」
ゴザルの言葉に、ナコが微笑み返す。
――《 残り10、9、8、7 》
「カウントが3秒になったら今の私がだせる最大級を――放ちますっ!」
僕たちの命運は――ナコに託された。
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