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王都突入編
131話 肉球パンチ
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開幕の攻防戦を制する。
僕の直感が正しければ、本体が想定外のダメージを受けた際、魔壁はなにかしらのバグが誘発されると見ていた。ニャニャンの攻撃時の揺らぎ、魔壁はそこまで万能なものでは決してない。
その予想はすぐに現実のものとなる。
本体が大ダメージを受けたことによってだろう。魔壁がチャンネルの映らないテレビのよう、さざ波のよう揺らめきだす。
この絶対的な好機、見逃すわけにはいかない。
僕は魔壁の穴という穴、全てに糸上の触手を張り巡らせていく。
壊せないのであれば、僕という一人の人物によって掌握されろ。
「自慢の殻ごと埋もれ」
僕は触手を締め上げ、魔壁ごと白龍の騎士を閉じ込める。
「ニャニャン、今だっ!」
「愛溢れる――"猫の型"にゃあっ!」
ニャニャンはすでに準備を整えていた。
その言葉通り、猫が獲物を捕獲するような四足歩行の構えである。この個性的、独創的な構えに――僕は自然と笑みがこぼれてしまう。
ゲーム時、幾度となく見てきたニャニャンのフィニッシュブローの構えだったからだ。
PvP戦ではチート級に強すぎるため、ニャニャンと敵対するチームは脱兎のごとく逃げまくり、ニャニャンが笑顔で狩り尽くしていた試合が懐かしい。
「無敵の肉球パンチっ!」
にゃはんっと、ニャニャンが白竜の騎士に掌底を当てる。
子猫が遊んでとおねだりするかのようなソフトタッチ――しかし、この肉球パンチには想像を絶する破壊力が秘められているのだ。
ニャニャン曰くパワーやスピード、一般的な常識とは一線を画した世界、物理的な作用を無視した力なのだという。
――触れたものは愛の尊さを知って死ぬ。
それこそが、ニャニャンの持つ超越者スキル"猫の型"、そこから繰り出される必殺技の数々であった。
だが、あくまでゲーム時の話だ。
リアルとなった今、この冗談みたいな力は通用するのか? 僕は掌底を当てられた白龍の騎士を凝視する。
いくらなんでも、ねえ? と、思ったのも束の間――、
「っっっ!」
――声にならない声を上げ、白竜の騎士の身体が一瞬にして霧散するのであった
僕の直感が正しければ、本体が想定外のダメージを受けた際、魔壁はなにかしらのバグが誘発されると見ていた。ニャニャンの攻撃時の揺らぎ、魔壁はそこまで万能なものでは決してない。
その予想はすぐに現実のものとなる。
本体が大ダメージを受けたことによってだろう。魔壁がチャンネルの映らないテレビのよう、さざ波のよう揺らめきだす。
この絶対的な好機、見逃すわけにはいかない。
僕は魔壁の穴という穴、全てに糸上の触手を張り巡らせていく。
壊せないのであれば、僕という一人の人物によって掌握されろ。
「自慢の殻ごと埋もれ」
僕は触手を締め上げ、魔壁ごと白龍の騎士を閉じ込める。
「ニャニャン、今だっ!」
「愛溢れる――"猫の型"にゃあっ!」
ニャニャンはすでに準備を整えていた。
その言葉通り、猫が獲物を捕獲するような四足歩行の構えである。この個性的、独創的な構えに――僕は自然と笑みがこぼれてしまう。
ゲーム時、幾度となく見てきたニャニャンのフィニッシュブローの構えだったからだ。
PvP戦ではチート級に強すぎるため、ニャニャンと敵対するチームは脱兎のごとく逃げまくり、ニャニャンが笑顔で狩り尽くしていた試合が懐かしい。
「無敵の肉球パンチっ!」
にゃはんっと、ニャニャンが白竜の騎士に掌底を当てる。
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だが、あくまでゲーム時の話だ。
リアルとなった今、この冗談みたいな力は通用するのか? 僕は掌底を当てられた白龍の騎士を凝視する。
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「っっっ!」
――声にならない声を上げ、白竜の騎士の身体が一瞬にして霧散するのであった
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