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アレクシス(受け)視点
11.初夜
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ヴォルフラムが一人で部屋を出て行ってしまってから三日、アレクシスとヴォルフラムは気まずい雰囲気になっていた。
執務を一緒にして、事業も立て直して、共に時間を過ごして少しは打ち解けられたと思ったのに、ヴォルフラムと目が合わないことにアレクシスは気付いてはいたがどうすればいいのか分からなかった。
ヒートが近付いてきていて熱っぽくなって頭がまとまらない。
フェロモンを出している自覚はあるが、自分ではどうにもならなくて、アレクシスは朝食もほとんど食べられなかった。いつもならばヴォルフラムがそれに気付いて食べやすいものを進めてくれたり、果物を用意させたり、ドライフルーツを入れたヨーグルトを用意させたりするのだが、ヴォルフラムはアレクシスの様子にも気付いていないようだ。
食堂を出ようとするヴォルフラムのジャケットの裾を、アレクシスは摘まんで止めた。
「ヴォルフラム様、もう、ヒートが……」
「甘い香りがする。瑞々しい桃のような」
ヒートが来てしまうと伝えようとした瞬間に、ヴォルフラムの爽やかで好ましい香りのフェロモンを思い切り吸い込んでしまって、アレクシスはその場に座り込んでしまった。体が熱くフェロモンが大量に漏れ出しているのが分かる。
ヒートが始まったのだ。
むせかえるような匂いに、ヴォルフラムもそのことに気付いたようでアレクシスに手を貸す。
「ヴォルフラム様、わたしの部屋に寄ってください」
「すぐにでも寝室に連れて行きたい」
「チョーカーの鍵が……」
アレクシスはチョーカーの鍵を持ち歩いていなかった。ヒートが近いので特にチョーカーをヴォルフラム以外の相手の前で外されるのは避けたかったので、厳重に保管していたのだ。
チョーカーの鍵を取りに行く余裕くらいはあるだろうと思っていたのだが、起こり始めたヒートでもう足元もおぼつかないので、一人では歩くこともできない。肩を貸してアレクシスを部屋に運んでくれるヴォルフラムに感謝しつつ、アレクシスは部屋の前でヴォルフラムに頼んだ。
「すぐにチョーカーの鍵を取ってきますから、少しだけここで待っていてください」
ヴォルフラムをアレクシスの部屋の中に入れるわけにはいかない。ヒートが近くなってからアレクシスの収集癖はますますひどくなっていた。ベッドの上にはヴォルフラムの脱いだ後のシャツやジャケットが洗濯室から持って来られて積まれているはずだ。
「歩けないのでは?」
「少しなら平気です」
心配してくれるヴォルフラムに伝えると、よろめきながら壁に手をついてアレクシスは部屋の中に入った。チョーカーの鍵は机の隠し引き出しに入っている。
順番通りに他の引き出しを開け閉めしてやっと開く複雑な作りのもので、ヒートで手が震えてしまってなかなかうまく開くことができない。
アレクシスが手間取っていると、ヴォルフラムがドアをノックしてくる。
「大丈夫か、アレクシス? 倒れていないか?」
「大丈夫です。もう少し……すぐに行きます」
ようやくなんとか隠し引き出しを開けられたアレクシスだが、指が震えてチョーカーの鍵を取り落としてしまう。チョーカーの鍵を拾おうとしたら、よろけて椅子が倒れて大きな音が出てしまった。
「アレクシス!」
慌てた様子でアレクシスの部屋に走り込んでくるヴォルフラムに、大丈夫だと伝えようとしたのだが、立ち上がれずにいるアレクシスに、ヴォルフラムは部屋に入って立ち尽くしてしまった。
「あ、アレクシス、あれは……?」
「あれは、ち、違うのです。いえ、違わないのだけれど……。すみません、勝手にあなたのものを借りるようなことをしてしまって」
ベッドを見たヴォルフラムにアレクシスは顔が熱くなって必死で弁解しようとする。机の下に落ちたチョーカーの鍵を握り締めて立ち上がると、ヴォルフラムに強く腕を引かれた。
「おれたちの初夜だから、できるだけ優しくしたいと思っているのに、アレクシス、あなたはおれを煽るようなことをして」
「あおる?」
「ダメだ。もたない。アレクシス、あなたの寝台を使うことを許してほしい」
強く腕を引かれてヴォルフラムの衣服の散ったベッドの上に押し倒されたアレクシスは、ヴォルフラムの瞳孔が縦長になっているのに気付く。
アルファの発情であるラット状態に入ったのだ。
食らい尽くすように唇が重ねられて、ヴォルフラムの舌がアレクシスの口腔内に入ってくる。息苦しいほどに激しい口付けに、アレクシスの頭の芯が甘く痺れる。
アレクシスもむせ返るようにフェロモンを出しているが、ヴォルフラムも同じく激しくフェロモンをまき散らしていた。
「んっ……ふっ……」
「アレクシス……アレクシス、愛してる。ずっとこうしたかった」
シャツのボタンを外してアレクシスの肌を晒していくヴォルフラムに、アレクシスはされるがままになっている。露わになった褐色の肌に、ヴォルフラムが口付けを落としていく。
「ヴォルフラム様、これ」
「いいのか?」
「結婚の条件ですから」
自分では手が震えてチョーカーの鍵を開けられないと分かっているのでヴォルフラムに小さな鍵を渡すと、ヴォルフラムがエメラルドの飾りをスライドさせてチョーカーの鍵を開けて、ベッドサイドのテーブルに置く。
ぐしゃぐしゃになったヴォルフラムのシャツやジャケットを背中に敷きながら、アレクシスはヴォルフラムに協力して腰を浮かせてスラックスも下着も脱がされてしまった。
オメガなので使いようがないはずなのに体格に見合った大きさのある中心が、ヒートの熱で兆しているのを見て、ヴォルフラムの手がアレクシスの中心を緩く握る。先端から雫を零すそこは、ヴォルフラムにこすり上げられると、質量を増して硬くなってくる。
「ヴォルフラム様……そこ、じゃなくて……ひぁっ!?」
「ここか?」
濡れているのは中心だけではない。オメガなのでアレクシスは後孔もぐっしょりと濡れていた。中心では足りなくて、後孔に触れてほしいと願うのに、ヴォルフラムは後孔ではなくアレクシスの胸に触れてきた。
胸全体を揉みしだかれると、女性ではないのに快感が沸き上がってきてアレクシスは戸惑ってしまう。力を抜いた胸筋は柔らかいものなのだが、執拗に捏ねられると息が上がってくる。
「ヴォルフラム、さまぁ……あぁっ!」
「様はいらない。ヴォルフラムと呼んでほしい」
「ヴォルフラム! ヴォルフラム!」
促されるまま熱に浮かされたように名前を繰り返すと、ヴォルフラムがアレクシスの乳首を摘まみ上げた。胸への刺激でつんと尖っていた乳首は、摘ままれるとびりびりと電流が走ったかのように快感が生まれる。
「そんなところ……ひっ! ひぁっ!」
「ここには触れられたことがなかったのか?」
「触れられたこと……? あっ! あぁっ! ないです! ありません!」
きゅうっとつねるように摘ままれてアレクシスは自分が信じられないくらい高い声を出していることに気付いて顔どころか耳まで熱くなってしまう。
「す、すみません。へ、変な声が……」
「可愛い声だ。誰にも聞かせたくないが」
「ひっ!? やぁっ!」
くにくにと乳首を捏ねられて、そんなところでも感じてしまう浅ましいオメガの体をアレクシスは恨んだ。
褐色のアレクシスの肌を、ヴォルフラムが舐め、吸い上げ、軽く歯を立てるたびに、自分でも信じられないような声が出てしまって、アレクシスはひたすらに恥ずかしくて必死に口を押える。
「アレクシス、他の男にもこの声を……。おれにも聞かせてくれ。これからはおれ以外に聞かせないでくれ」
ヴォルフラムが何を言っているのかもよく分からない。
ただ与えられる快感が強くて身もだえるアレクシスの口元を覆う手をヴォルフラムが取り払ってしまう。
「ふぁっ! あぁっ! だめぇ!」
首筋から鎖骨、胸筋、乳首、腹筋、へそ、中心にまで舌を這わされて、アレクシスはもう限界だった。愛液を漏らして濡れる後孔に触れてほしくてたまらない。アレクシスの双丘を伝って愛液が下に敷いているヴォルフラムのジャケットにまで溢れてきていた。
「ヴォルフラム、ほしい! おねがい! ここ、さわって……!」
ヒートで完全に快感に頭が溶けているアレクシスが自ら足を開いてそこを見せつけるのに、ヴォルフラムは金色の長い髪を掻き上げて舌なめずりをしている。
美しい相貌が、今は獰猛な獣のようになっていることも、アレクシスを興奮させた。
「アレクシス、なんて美しい。しっとりと汗ばんだ肌が艶々して、おれを誘っているようだ」
「ヴォルフラム……おねがい」
「優しくしたいのに」
アレクシスの太ももに口付けて、軽く歯を立てながら、ヴォルフラムがアレクシスの後孔に指を差し込んだ。愛液を零し濡れそぼっているそこは、ヴォルフラムの指を締め付けながらも簡単に飲み込んでしまう。
「柔らかいな……確かに初めてではなさそうだな。アレクシス、答えて。あなたを抱いたのはアルファか?」
何を聞かれているのかよく分からないが、アルファに抱かれたことはなかったのでアレクシスはふるふると首を振った。それを見たヴォルフラムの笑みが深くなる。
「それなら、おれの方がずっと奥までアレクシスを満たせる。他の男など忘れてくれ。これからの人生はおれだけがアレクシス、あなたを抱く男だ」
ぐちゅぐちゅと後孔を掻き回す指が増えて快感に喘ぐアレクシスは、ヴォルフラムの言っていることをほとんど聞けていなかった。ただ後孔を埋めるものが欲しくてたまらない。指くらいでは全然足りない。
「ヴォルフラム、あなただけ……」
「そう、おれだけだ、アレクシス」
言われた通りに繰り返すと、満足したようにヴォルフラムがアレクシスの体を返した。うつぶせになり、尻を突き出すような格好になって、アレクシスは恥よりも期待の方が勝ってしまう。
ヴォルフラムがスラックスの前を寛げて、中心を取り出した。完全に勃ち上がっているそこはアルファらしく長大で、ヴォルフラムより体格のいいアレクシスの中心よりも太く逞しかった。
振り返ってそれを確認して、アレクシスは唾を飲み込んで乾いた喉を潤す。
切っ先がアレクシスの後孔に宛がわれる。
「アレクシス、愛している」
張り型などとは比べ物にならないくらいの質量が押し入ってきて、アレクシスは喉を反らせて歓喜の悲鳴を上げた。
執務を一緒にして、事業も立て直して、共に時間を過ごして少しは打ち解けられたと思ったのに、ヴォルフラムと目が合わないことにアレクシスは気付いてはいたがどうすればいいのか分からなかった。
ヒートが近付いてきていて熱っぽくなって頭がまとまらない。
フェロモンを出している自覚はあるが、自分ではどうにもならなくて、アレクシスは朝食もほとんど食べられなかった。いつもならばヴォルフラムがそれに気付いて食べやすいものを進めてくれたり、果物を用意させたり、ドライフルーツを入れたヨーグルトを用意させたりするのだが、ヴォルフラムはアレクシスの様子にも気付いていないようだ。
食堂を出ようとするヴォルフラムのジャケットの裾を、アレクシスは摘まんで止めた。
「ヴォルフラム様、もう、ヒートが……」
「甘い香りがする。瑞々しい桃のような」
ヒートが来てしまうと伝えようとした瞬間に、ヴォルフラムの爽やかで好ましい香りのフェロモンを思い切り吸い込んでしまって、アレクシスはその場に座り込んでしまった。体が熱くフェロモンが大量に漏れ出しているのが分かる。
ヒートが始まったのだ。
むせかえるような匂いに、ヴォルフラムもそのことに気付いたようでアレクシスに手を貸す。
「ヴォルフラム様、わたしの部屋に寄ってください」
「すぐにでも寝室に連れて行きたい」
「チョーカーの鍵が……」
アレクシスはチョーカーの鍵を持ち歩いていなかった。ヒートが近いので特にチョーカーをヴォルフラム以外の相手の前で外されるのは避けたかったので、厳重に保管していたのだ。
チョーカーの鍵を取りに行く余裕くらいはあるだろうと思っていたのだが、起こり始めたヒートでもう足元もおぼつかないので、一人では歩くこともできない。肩を貸してアレクシスを部屋に運んでくれるヴォルフラムに感謝しつつ、アレクシスは部屋の前でヴォルフラムに頼んだ。
「すぐにチョーカーの鍵を取ってきますから、少しだけここで待っていてください」
ヴォルフラムをアレクシスの部屋の中に入れるわけにはいかない。ヒートが近くなってからアレクシスの収集癖はますますひどくなっていた。ベッドの上にはヴォルフラムの脱いだ後のシャツやジャケットが洗濯室から持って来られて積まれているはずだ。
「歩けないのでは?」
「少しなら平気です」
心配してくれるヴォルフラムに伝えると、よろめきながら壁に手をついてアレクシスは部屋の中に入った。チョーカーの鍵は机の隠し引き出しに入っている。
順番通りに他の引き出しを開け閉めしてやっと開く複雑な作りのもので、ヒートで手が震えてしまってなかなかうまく開くことができない。
アレクシスが手間取っていると、ヴォルフラムがドアをノックしてくる。
「大丈夫か、アレクシス? 倒れていないか?」
「大丈夫です。もう少し……すぐに行きます」
ようやくなんとか隠し引き出しを開けられたアレクシスだが、指が震えてチョーカーの鍵を取り落としてしまう。チョーカーの鍵を拾おうとしたら、よろけて椅子が倒れて大きな音が出てしまった。
「アレクシス!」
慌てた様子でアレクシスの部屋に走り込んでくるヴォルフラムに、大丈夫だと伝えようとしたのだが、立ち上がれずにいるアレクシスに、ヴォルフラムは部屋に入って立ち尽くしてしまった。
「あ、アレクシス、あれは……?」
「あれは、ち、違うのです。いえ、違わないのだけれど……。すみません、勝手にあなたのものを借りるようなことをしてしまって」
ベッドを見たヴォルフラムにアレクシスは顔が熱くなって必死で弁解しようとする。机の下に落ちたチョーカーの鍵を握り締めて立ち上がると、ヴォルフラムに強く腕を引かれた。
「おれたちの初夜だから、できるだけ優しくしたいと思っているのに、アレクシス、あなたはおれを煽るようなことをして」
「あおる?」
「ダメだ。もたない。アレクシス、あなたの寝台を使うことを許してほしい」
強く腕を引かれてヴォルフラムの衣服の散ったベッドの上に押し倒されたアレクシスは、ヴォルフラムの瞳孔が縦長になっているのに気付く。
アルファの発情であるラット状態に入ったのだ。
食らい尽くすように唇が重ねられて、ヴォルフラムの舌がアレクシスの口腔内に入ってくる。息苦しいほどに激しい口付けに、アレクシスの頭の芯が甘く痺れる。
アレクシスもむせ返るようにフェロモンを出しているが、ヴォルフラムも同じく激しくフェロモンをまき散らしていた。
「んっ……ふっ……」
「アレクシス……アレクシス、愛してる。ずっとこうしたかった」
シャツのボタンを外してアレクシスの肌を晒していくヴォルフラムに、アレクシスはされるがままになっている。露わになった褐色の肌に、ヴォルフラムが口付けを落としていく。
「ヴォルフラム様、これ」
「いいのか?」
「結婚の条件ですから」
自分では手が震えてチョーカーの鍵を開けられないと分かっているのでヴォルフラムに小さな鍵を渡すと、ヴォルフラムがエメラルドの飾りをスライドさせてチョーカーの鍵を開けて、ベッドサイドのテーブルに置く。
ぐしゃぐしゃになったヴォルフラムのシャツやジャケットを背中に敷きながら、アレクシスはヴォルフラムに協力して腰を浮かせてスラックスも下着も脱がされてしまった。
オメガなので使いようがないはずなのに体格に見合った大きさのある中心が、ヒートの熱で兆しているのを見て、ヴォルフラムの手がアレクシスの中心を緩く握る。先端から雫を零すそこは、ヴォルフラムにこすり上げられると、質量を増して硬くなってくる。
「ヴォルフラム様……そこ、じゃなくて……ひぁっ!?」
「ここか?」
濡れているのは中心だけではない。オメガなのでアレクシスは後孔もぐっしょりと濡れていた。中心では足りなくて、後孔に触れてほしいと願うのに、ヴォルフラムは後孔ではなくアレクシスの胸に触れてきた。
胸全体を揉みしだかれると、女性ではないのに快感が沸き上がってきてアレクシスは戸惑ってしまう。力を抜いた胸筋は柔らかいものなのだが、執拗に捏ねられると息が上がってくる。
「ヴォルフラム、さまぁ……あぁっ!」
「様はいらない。ヴォルフラムと呼んでほしい」
「ヴォルフラム! ヴォルフラム!」
促されるまま熱に浮かされたように名前を繰り返すと、ヴォルフラムがアレクシスの乳首を摘まみ上げた。胸への刺激でつんと尖っていた乳首は、摘ままれるとびりびりと電流が走ったかのように快感が生まれる。
「そんなところ……ひっ! ひぁっ!」
「ここには触れられたことがなかったのか?」
「触れられたこと……? あっ! あぁっ! ないです! ありません!」
きゅうっとつねるように摘ままれてアレクシスは自分が信じられないくらい高い声を出していることに気付いて顔どころか耳まで熱くなってしまう。
「す、すみません。へ、変な声が……」
「可愛い声だ。誰にも聞かせたくないが」
「ひっ!? やぁっ!」
くにくにと乳首を捏ねられて、そんなところでも感じてしまう浅ましいオメガの体をアレクシスは恨んだ。
褐色のアレクシスの肌を、ヴォルフラムが舐め、吸い上げ、軽く歯を立てるたびに、自分でも信じられないような声が出てしまって、アレクシスはひたすらに恥ずかしくて必死に口を押える。
「アレクシス、他の男にもこの声を……。おれにも聞かせてくれ。これからはおれ以外に聞かせないでくれ」
ヴォルフラムが何を言っているのかもよく分からない。
ただ与えられる快感が強くて身もだえるアレクシスの口元を覆う手をヴォルフラムが取り払ってしまう。
「ふぁっ! あぁっ! だめぇ!」
首筋から鎖骨、胸筋、乳首、腹筋、へそ、中心にまで舌を這わされて、アレクシスはもう限界だった。愛液を漏らして濡れる後孔に触れてほしくてたまらない。アレクシスの双丘を伝って愛液が下に敷いているヴォルフラムのジャケットにまで溢れてきていた。
「ヴォルフラム、ほしい! おねがい! ここ、さわって……!」
ヒートで完全に快感に頭が溶けているアレクシスが自ら足を開いてそこを見せつけるのに、ヴォルフラムは金色の長い髪を掻き上げて舌なめずりをしている。
美しい相貌が、今は獰猛な獣のようになっていることも、アレクシスを興奮させた。
「アレクシス、なんて美しい。しっとりと汗ばんだ肌が艶々して、おれを誘っているようだ」
「ヴォルフラム……おねがい」
「優しくしたいのに」
アレクシスの太ももに口付けて、軽く歯を立てながら、ヴォルフラムがアレクシスの後孔に指を差し込んだ。愛液を零し濡れそぼっているそこは、ヴォルフラムの指を締め付けながらも簡単に飲み込んでしまう。
「柔らかいな……確かに初めてではなさそうだな。アレクシス、答えて。あなたを抱いたのはアルファか?」
何を聞かれているのかよく分からないが、アルファに抱かれたことはなかったのでアレクシスはふるふると首を振った。それを見たヴォルフラムの笑みが深くなる。
「それなら、おれの方がずっと奥までアレクシスを満たせる。他の男など忘れてくれ。これからの人生はおれだけがアレクシス、あなたを抱く男だ」
ぐちゅぐちゅと後孔を掻き回す指が増えて快感に喘ぐアレクシスは、ヴォルフラムの言っていることをほとんど聞けていなかった。ただ後孔を埋めるものが欲しくてたまらない。指くらいでは全然足りない。
「ヴォルフラム、あなただけ……」
「そう、おれだけだ、アレクシス」
言われた通りに繰り返すと、満足したようにヴォルフラムがアレクシスの体を返した。うつぶせになり、尻を突き出すような格好になって、アレクシスは恥よりも期待の方が勝ってしまう。
ヴォルフラムがスラックスの前を寛げて、中心を取り出した。完全に勃ち上がっているそこはアルファらしく長大で、ヴォルフラムより体格のいいアレクシスの中心よりも太く逞しかった。
振り返ってそれを確認して、アレクシスは唾を飲み込んで乾いた喉を潤す。
切っ先がアレクシスの後孔に宛がわれる。
「アレクシス、愛している」
張り型などとは比べ物にならないくらいの質量が押し入ってきて、アレクシスは喉を反らせて歓喜の悲鳴を上げた。
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