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第4章 ドキドキの休日

フラグですか??

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羽龍音店の店主であるウォンさんの店で

新しいフラグ、

「神子様(主催)のお茶会」にお呼ばれした私は、
現在、必死にお茶会のマナーを勉強している

基本的なマナーは変わらないけど、
正式に学んだ事はないのでシオンに教わっている

「そう、音はたてずに…うん、いいんじゃない?」

何度か練習し、やっと合格を貰う

「はー…しんど…
このマナーに加えてキラキラしい方々とのお茶会とか…」

机に突っ伏して答えると
シオンが苦笑いで新しい紅茶を淹れてくれた

「でもこのお茶会は避けられないフラグだからね~…
神子自らのお茶会ってのは要は学校の面談と同じだよ?
元気にしてるかなーとか、お勉強はどうですかー?みたいな」

「それが憂鬱なんだってば!只でさえ目立ちたくないっていってるのに、
最近ちょっと勉強頑張っちゃってるから他の守護者の方々にも
目ぇ付けられてるっぽいし…」





そう、
手紙をルディ様から受け取った時に言われたのだ



「あ~そういえば最近、とてもお勉強を頑張っていると聞きましたよ?
リッキーがもっと魔法を教えたいと意気込んでましたし、
それを聞いたサフィルとロウズが興味深そうにいろいろ聞いていました…
私も応援していますから、これからも頑張ってくださいね~?」






「リッキー様の所で変に中二病になるんじゃなかった!!
サフィル様やロウズ様にまで注目されてるとか最悪~!!!!」

ワーンと泣き真似をしながら机に顔を埋め、叫ぶ

「折角、理想のゲームの世界に来たのに、
そんなボロクソ言わなくても……ほら、イケメンから注目されて嬉しいー!ってなろうよ!」

「無理!!だって私は主役(ヒロイン)になりたい訳じゃなくて、
この世界でひっそりとイケメンを見ながら生活したかっただけなの!
まさかこんなに絡む事があろうとは…」

シオンに慰められるものの、
注目される事が苦手な私は3●歳にもなって泣き言を漏らすのであった

年齢とか関係ない!

無理なものは無理!!



とは言うものの…

30オーバーにもなれば諦めと悟りは早かった

「あーでもやるしかないよなぁ…」

「さすがお姉さん。じゃあついでに諦めてシュテル様とくっつきなよ?」

シオンが笑いながら
ついでの話をさらりと言ってきたのを私は聞き逃さなかった

ガシッと向かいに座っていたシオンの顔面を掴む
きっと背後にはゴゴゴゴと黒いオーラが出ているだろう

「へぇ……巻き込んだ本人がそういうんだ…?
この世界に居るだけで刺激が与えられるからいいって言ってなかった?」

「痛ッ!!っだだだだだ!!!ごめ、ごめんなさーい!!
居てくれるだけで刺激にはなってます‼痛いから離してぇ~」

バタバタと手を振るシオンを尻目に
深い溜息と共に手を離す

「そんなに誰かをくっ付けたいならメリーとヴェルの恋愛でも成就させてやりなさいよ!
私はこの世界を堪能してから好きな時に(恋愛)するの!」

「幾ら俺が神でも主人公達の恋愛は手助けしないよ
彼女らの運命は既に動き出している…」

「じゃあ、同じ主人公レベルの守護者方の恋愛にだって
口出ししなくていいじゃない?なんでそうくっ付けたがるのよ?」

「…怖いから」

「は?」

「シュテル怖いんだって!!一度、彼の頭の中を覗いたら…っ、やっぱ言えない!」

シオンが自分で自分を抱きしめガタガタと震える

「この世界を創った神のくせに、自分の創造物にそんなに怯えてどうするの」

「ヒイッ、と、とにかく俺は無理!とりあえずおすすめしとくから!!!」

「いやいや、そんな神でも無理な人は私も無理よ!
てか、シュテル様ってそんなキャラじゃなかったような…」

「フッ……君が来たから彼も変化したのさ…
ま、俺にとってはまさかの変化だったけど…」

「ちょ、諸悪の根源は自分のくせに、何被害者ずらしてんのよ!」

「俺だってこうなるとは思わなかったんだよー!」


2人でギャーギャー騒いでいると、
呼び出しベルが鳴った

ピンポーン


その瞬間に互いにピタリと動きを止める

そのまま2人でモニターを確認しに向かうと

「…ねぇ、なんか前にもこんな事無かった?」

「あった…けど、今はフラグ立ててないから大丈夫だと思う…多分」

「ちょ、神のくせに多分って!」

聞こえないと分かっていてもモニターに映し出される
キラキラしい顔を前に思わず2人とも小声になる

そう、
そこに映っていたのは、
先程まで口論し合っていたシュテルと
騒動の発端発言をしたルディが映っていたからである


「はぁ、きっとまた何かのフラグよね…
シオン、お2人をお迎えに行くから、お茶の用意をお願いね?」

「オッケー!じゃあ、頑張ってきて!
………こほん、…大変お待たせいたしました。
シュテル様、ルディ様…
ユウ様がただいまそちらに参りますので、
そのまま少々お待ち下さいませ」

インターフォンらしき液晶で対応をしながら
手でオッケーサインを作るシオンに
私は入り口の脇にある鏡で身だしなみをチェックする
さっきまでシオンに掴みかかっていたから
少し乱れた髪を整える

「よし、いってきます!」

気合を入れなおし、
少し小走りに足を進める

入り口の扉を認証モニターで解除すると
シュテル様とルディ様が
そりゃあもう綺麗な笑顔で待っていてくださった

「お待たせ致しました!
シュテル様にルディ様、ごきげんよう」

淑女の礼をしてお出迎えをする
お2人共、ニッコリと微笑みASOが光りつつも
それぞれに急な来訪の詫びを述べる

「ごきげんよう、ユウ…
お約束も無しに突然押し掛けてきてしまい
申し訳ありません」

「あー…急な来訪ですみませんねぇ…」

私は首を横に振り微笑む

「いいえ、何かありましたか?」


「実は今、ロウズが育てている温室の花達が見頃の時期を迎えたそうで
小さなお花見をしていまして…」

「せっかくなら神子候補にも見てもらおうと、皆でお誘いに来たんですよ~
ヴェルリーンは庭園で会いまして、先に向かっております~
メアリーはサーディンとサフィルが迎えに行ってましてね?」

「我々がユウをお誘いに…如何ですか?」

「一緒にお花見しませんか~?」

キラキラに笑顔で誘われたら頷くしかない

「は、はい…ではすぐ準備をして戻りますね?」

「ええ、ここでお待ちしてます」

2人と別れ、急いで部屋に戻りシオンを呼ぶ

「シオン!お茶中止!お花見ですって!」


「見てたよ…お茶菓子が必要だね?」

遠隔で見ていたシオンが指パッチンで用意しておいたお茶を消し
代わりにおいしそうなマカロンを出してくれた


「私の身だしなみチェックして?」

「はい、チェックOK!何時でもいけるよ」

再び魔法で髪型を整えてくれた

「よし、じゃあ魔のフラグお花見へGO!」

「魔のフラグお花見って響き俺怖いんだけど?」

部屋を出て入口へと向かう

「シオン、分かってるとは思うけど出来るだけフラグは避けさせてよ?」

「わかってるけど、こんな予想外のお花見じゃ、
防ぎきれないものも出てきそうだから、
発言と行動には注意してよ?」


シュテルがシオンの予想外の行動を起こす様になった為
予測が難しいらしい

一抹の不安を抱えながら
私とシオンは2人の待つ扉に着いた

「お待たせしました。」

軽く頭を下げれば
ルディ様とシュテル様がニコリと笑う
「いえいえ~」

「では参りましょうか?」


さぁ、どんなフラグが起きるのやら…

不安いっぱいです!




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2020/8/22更新

今回は短めに。

お気に入り登録してくださった方、
ありがとうございます!
例の病気の影響で書く気がそがれ
更新できずにおりました。
気長にお付き合い宜しくお願いします~
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