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【桃原サクラの学級-二】
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でも、怖い夢は、終わってはくれなかった。
一面が白い、夢と現の合間の世界で。
あの怖いひとが、女の人を連れてきた。
「きゃあっ……なに? あんた、ちょっと、キモいんだけど!」
「あタシの、こと。覚エてナイの?」
サクラは、怖くなった。
「ねえ、その人、誰なのです?」
震える唇を噛んで、怖い気持ちを必死に抑えた。
「くけケ。このおひとヨシ」
「え……?」
びしっ。
「きゃっ」
どこかで見たことある気がするその女の人の、頬を思いっきり叩いた。
「ひひ、いひひ」
びりびりびり。
そのひとの着ているワンピースを、下着ごと破り捨てた。
「いやあっ!」
そして、仰向けにさせたそのひとに馬乗りになった。
びしっ。
ばしっ。
びちっ。
怖いひとは、何度も、何度もはたいた。
女のひとは、悲鳴を上げ続ける。
「どうダ? きれいなおかオ、きずつけらレルのは」
「やめ……るのです……」
サクラは、怖くて怖くて、へたりこんで動けない。
「そうダ! いいモノ、あっタ!」
そう言うと、ピンクのパーカーのポケットから、十センチくらいのガラスの破片を取り出した。
「こレ、なーんダ?」
「……」
女のひとは、顔を背けて答えない。
「なんダってきいテルんだヨっ!」
びしっ。
またはたいた。
「し、知らない、知らないわよっ」
「ふふーン、じゃア、おしえテあげル。こレはねエ……」
にまあ。
片方だけ動く目を細めた。
「アキ姉さンを、殺しタ、きょうきだヨ!」
けたけたけたけた!
怖いひとは嗤った。
「まって……待つのです」
サクラは、強烈な既視感に襲われた。
「アキ……って……」
くるり。
馬乗りになったまま、怖いひとが首だけ動かしてサクラを見た。
「アンタの、にばんメの、おねえチャンだヨ」
「アキ……アキ……アキ! アキお姉ちゃん!」
サクラは叫んだ。
「思い出したのです! サクラの二番目のお姉ちゃんは、アキって名前だったのです! どこ? 今どこにいるのです!」
「だーかーラー」
ばかだなあ。
怖いひとはそういうかのように、口を開いた。
「──ころさレたんダって、いっテんジャン」
「……!」
サクラはショックの余り、口を押さえる。
「きゃきゃきゃきゃきゃ!」
怖いひとは、怖い怖い笑い声を張り上げた。
そして、ガラスの破片を女のひとに押し当てた。
「あんタに、これ使って、あたしトおなじ二してあげル」
「だめえっ!」
サクラが女の人に覆いかぶさった。
「ダメなのです! ここは、ここは人形学級! 世界で一番優しくて世界で一番平和な学級なのです! いじめは、だめなのです!」
それを聞いて、怖いひとは、逆上した。
「どケ! どけヨっ! そいつハ、あたしタチみんなノ敵なんだゾ!」
「嫌なのです! サクラは人形学級の先生なのです! ひどいことはダメなのですっ」
「どけよっ! ──ドケーっ!」
どすっ。
サクラは、その背中にガラスの破片を受けた。
「ひぐっ」
「どけっタら、どけっ」
どすっ。
「サクラハ!」
ぐさっ。
「さくラはっ!」
どすっ。
「あたしなんダーっ!」
ぐしゃぁっ。
どさっ。
サクラは、ピンクのパーカーの背中を真っ赤に染めて、倒れた。
「はあっ、はあっ」
怖いひとは、肩で息をしている。
「ハン、いのちびろイしたナ」
からん。
ガラスの破片を放って、どこかへ歩いていった。
……
ダークグレーのスーツの女のひとが、倒れた少女に近づいてきた。
隣には、同じように倒れて動かない、のっぺらぼうの人形。
血溜まりに横たわる少女の傍で、膝をついて、頭を抱いた。
「……あなた、名前は?」
少女は、問いには答えない。
「あ……なた、は……?」
「月子です。教育実習生の」
「き……ぐうなのです……サクラも……先生、なんです。人形学級……の」
「さくらさん……そう、あなたが……」
「きょういく……じっしゅうせい、さん。……あのひとを、止めて……これ以上、だれかを……傷つけさせては……だめ……」
「……わかりました」
サクラは、呟いた。
「みんな……おべん……きょう……しま……しょう……ね」
人形学級の優しい先生は、優しい優しい声で、微笑んだ。
「世界一……幸せな……人形……学級の……じかん……なの……です……」
ことり。
のっぺらぼうの人形は、月子先生のひざの上で、転がった。
……
「あん? あンタ、懲りナイな。もう、九回目、だゾ」
サクラは、飼育小屋に近付いてくる月子先生に言う。
「そうダ! さいきん、ちょうシがいいんだ。アタマでひびく、鬱陶しイ声が、聞こえナクなった、からナ!」
隣には、裸で、全身アザだらけで転がる、白鳥萌。
ガラスの破片を、ポケットから取り出した。
「きょうハ、きねん日ダ! こいつ二、あタシと同じようにしてやる、きネン日!」
白鳥萌の髪を引っ張って顔を上げる。
アザでぱんぱんに腫れ上がってしまって、もう面影がない。
「さぁて、どれくらイ、痛くきざんデやるカナー」
んーんんー。
鼻歌を歌いながら、ガラスの破片を、顔に近づける。
「だめよっ!」
月子先生は飼育小屋に飛び込んで、ガラスの破片を握った。
ざくっ。
手から血が溢れる。
「あん? 何すんだヨ! 離せッ! 離せヨっ!」
どすっ。
月子先生の肩に思いっきりガラスの破片を刺した。
「あうっ」
膝をついた。
みるみるダークグレーのスーツに血が滲む。
「けけけ、そこデ見テな。ナニしろコイツは、アタシ達みんナの敵なんダからナ」
ガラスをゆっくり、白鳥萌の額に近づける。
「さあ、悪い子チャン、おしおきノ時間ダ」
ぴたり。
サクラの手が、止まった。
「ナ……んだ? 手が……うごかナイ……?」
──サクラは、先生だから。
人形学級の、先生は。
いじめなんて、仲直りさせちゃうのです!
サクラが頭を抱えて、苦しみ出した。
「また『お前』カッ! この死に損ナイめっ!」
その時。
「……なさ……い……」
顔を持ち上げられた白鳥萌が、腫れ上がった唇を、微かに動かした。
「……ごめん……なさい……」
月子はハッとする。
自分の人生を狂わせ、ひすいの人生を終わらせた憎い憎い人間が、謝罪の言葉を口にしている。
「ごめんなさい……」
涙を、流しながら。
「ああっ? そんなんデ、許されるト思うなヨっ!」
頭を抱えながら、サクラが叫ぶ。
「あたしがっ! ひすいちゃンが! つきコちゃんガ! どれホド苦しんダト、思っていやがル!」
「ごめんなさい……」
「うるせエ、だまれヨ!」
「ごめんなさい」
「だまれェーっ!」
ざくっ。
「あ……?」
サクラが見ると、自分の手が、自分の胸を深々と貫いている。
月子先生は、体当たりして腕をつかんで、振り上げたサクラの腕を、サクラ自身の胸に、起動を変えさせていた。
「が……あ……」
どさっ。
サクラは、飼育小屋の、汚れた土の上に倒れた。
「月子……ちゃん」
サクラの両目が、「初めて」動いて、月子ちゃんを見た。
「ぜんぶ……思い出したのです……月子……ちゃんは、ずっと……サクラを、大事に……してくれてたのです……」
「……うん、そだよ……」
「嬉しいの……です……あのね、月子ちゃん……」
そして、ピンクの目に涙を浮かべて、告げた。
「この子……もうひとりの……サクラ……このまま眠らせてあげて……」
サクラの「良心」は、優しく笑った。
「憎しみ……ばかり……押し付けて……きちゃった……から……これからは……サクラが……きちんと……引き受けるから……」
「……わかった。わかったよ」
月子ちゃんが涙を浮かべる。
「ふ……ふふ……人形学級の……先生は……いじめなんて……仲直り……させ……」
ころん。
胸にガラスの破片がささった、目にハートをあしらった愛くるしい十五センチの先生は、飼育小屋の中で、優しく微笑んだ。
白鳥萌の方を見る。
そこには、土にまみれたぼろぼろののっぺらぼうが、転がっているだけだった。
一面が白い、夢と現の合間の世界で。
あの怖いひとが、女の人を連れてきた。
「きゃあっ……なに? あんた、ちょっと、キモいんだけど!」
「あタシの、こと。覚エてナイの?」
サクラは、怖くなった。
「ねえ、その人、誰なのです?」
震える唇を噛んで、怖い気持ちを必死に抑えた。
「くけケ。このおひとヨシ」
「え……?」
びしっ。
「きゃっ」
どこかで見たことある気がするその女の人の、頬を思いっきり叩いた。
「ひひ、いひひ」
びりびりびり。
そのひとの着ているワンピースを、下着ごと破り捨てた。
「いやあっ!」
そして、仰向けにさせたそのひとに馬乗りになった。
びしっ。
ばしっ。
びちっ。
怖いひとは、何度も、何度もはたいた。
女のひとは、悲鳴を上げ続ける。
「どうダ? きれいなおかオ、きずつけらレルのは」
「やめ……るのです……」
サクラは、怖くて怖くて、へたりこんで動けない。
「そうダ! いいモノ、あっタ!」
そう言うと、ピンクのパーカーのポケットから、十センチくらいのガラスの破片を取り出した。
「こレ、なーんダ?」
「……」
女のひとは、顔を背けて答えない。
「なんダってきいテルんだヨっ!」
びしっ。
またはたいた。
「し、知らない、知らないわよっ」
「ふふーン、じゃア、おしえテあげル。こレはねエ……」
にまあ。
片方だけ動く目を細めた。
「アキ姉さンを、殺しタ、きょうきだヨ!」
けたけたけたけた!
怖いひとは嗤った。
「まって……待つのです」
サクラは、強烈な既視感に襲われた。
「アキ……って……」
くるり。
馬乗りになったまま、怖いひとが首だけ動かしてサクラを見た。
「アンタの、にばんメの、おねえチャンだヨ」
「アキ……アキ……アキ! アキお姉ちゃん!」
サクラは叫んだ。
「思い出したのです! サクラの二番目のお姉ちゃんは、アキって名前だったのです! どこ? 今どこにいるのです!」
「だーかーラー」
ばかだなあ。
怖いひとはそういうかのように、口を開いた。
「──ころさレたんダって、いっテんジャン」
「……!」
サクラはショックの余り、口を押さえる。
「きゃきゃきゃきゃきゃ!」
怖いひとは、怖い怖い笑い声を張り上げた。
そして、ガラスの破片を女のひとに押し当てた。
「あんタに、これ使って、あたしトおなじ二してあげル」
「だめえっ!」
サクラが女の人に覆いかぶさった。
「ダメなのです! ここは、ここは人形学級! 世界で一番優しくて世界で一番平和な学級なのです! いじめは、だめなのです!」
それを聞いて、怖いひとは、逆上した。
「どケ! どけヨっ! そいつハ、あたしタチみんなノ敵なんだゾ!」
「嫌なのです! サクラは人形学級の先生なのです! ひどいことはダメなのですっ」
「どけよっ! ──ドケーっ!」
どすっ。
サクラは、その背中にガラスの破片を受けた。
「ひぐっ」
「どけっタら、どけっ」
どすっ。
「サクラハ!」
ぐさっ。
「さくラはっ!」
どすっ。
「あたしなんダーっ!」
ぐしゃぁっ。
どさっ。
サクラは、ピンクのパーカーの背中を真っ赤に染めて、倒れた。
「はあっ、はあっ」
怖いひとは、肩で息をしている。
「ハン、いのちびろイしたナ」
からん。
ガラスの破片を放って、どこかへ歩いていった。
……
ダークグレーのスーツの女のひとが、倒れた少女に近づいてきた。
隣には、同じように倒れて動かない、のっぺらぼうの人形。
血溜まりに横たわる少女の傍で、膝をついて、頭を抱いた。
「……あなた、名前は?」
少女は、問いには答えない。
「あ……なた、は……?」
「月子です。教育実習生の」
「き……ぐうなのです……サクラも……先生、なんです。人形学級……の」
「さくらさん……そう、あなたが……」
「きょういく……じっしゅうせい、さん。……あのひとを、止めて……これ以上、だれかを……傷つけさせては……だめ……」
「……わかりました」
サクラは、呟いた。
「みんな……おべん……きょう……しま……しょう……ね」
人形学級の優しい先生は、優しい優しい声で、微笑んだ。
「世界一……幸せな……人形……学級の……じかん……なの……です……」
ことり。
のっぺらぼうの人形は、月子先生のひざの上で、転がった。
……
「あん? あンタ、懲りナイな。もう、九回目、だゾ」
サクラは、飼育小屋に近付いてくる月子先生に言う。
「そうダ! さいきん、ちょうシがいいんだ。アタマでひびく、鬱陶しイ声が、聞こえナクなった、からナ!」
隣には、裸で、全身アザだらけで転がる、白鳥萌。
ガラスの破片を、ポケットから取り出した。
「きょうハ、きねん日ダ! こいつ二、あタシと同じようにしてやる、きネン日!」
白鳥萌の髪を引っ張って顔を上げる。
アザでぱんぱんに腫れ上がってしまって、もう面影がない。
「さぁて、どれくらイ、痛くきざんデやるカナー」
んーんんー。
鼻歌を歌いながら、ガラスの破片を、顔に近づける。
「だめよっ!」
月子先生は飼育小屋に飛び込んで、ガラスの破片を握った。
ざくっ。
手から血が溢れる。
「あん? 何すんだヨ! 離せッ! 離せヨっ!」
どすっ。
月子先生の肩に思いっきりガラスの破片を刺した。
「あうっ」
膝をついた。
みるみるダークグレーのスーツに血が滲む。
「けけけ、そこデ見テな。ナニしろコイツは、アタシ達みんナの敵なんダからナ」
ガラスをゆっくり、白鳥萌の額に近づける。
「さあ、悪い子チャン、おしおきノ時間ダ」
ぴたり。
サクラの手が、止まった。
「ナ……んだ? 手が……うごかナイ……?」
──サクラは、先生だから。
人形学級の、先生は。
いじめなんて、仲直りさせちゃうのです!
サクラが頭を抱えて、苦しみ出した。
「また『お前』カッ! この死に損ナイめっ!」
その時。
「……なさ……い……」
顔を持ち上げられた白鳥萌が、腫れ上がった唇を、微かに動かした。
「……ごめん……なさい……」
月子はハッとする。
自分の人生を狂わせ、ひすいの人生を終わらせた憎い憎い人間が、謝罪の言葉を口にしている。
「ごめんなさい……」
涙を、流しながら。
「ああっ? そんなんデ、許されるト思うなヨっ!」
頭を抱えながら、サクラが叫ぶ。
「あたしがっ! ひすいちゃンが! つきコちゃんガ! どれホド苦しんダト、思っていやがル!」
「ごめんなさい……」
「うるせエ、だまれヨ!」
「ごめんなさい」
「だまれェーっ!」
ざくっ。
「あ……?」
サクラが見ると、自分の手が、自分の胸を深々と貫いている。
月子先生は、体当たりして腕をつかんで、振り上げたサクラの腕を、サクラ自身の胸に、起動を変えさせていた。
「が……あ……」
どさっ。
サクラは、飼育小屋の、汚れた土の上に倒れた。
「月子……ちゃん」
サクラの両目が、「初めて」動いて、月子ちゃんを見た。
「ぜんぶ……思い出したのです……月子……ちゃんは、ずっと……サクラを、大事に……してくれてたのです……」
「……うん、そだよ……」
「嬉しいの……です……あのね、月子ちゃん……」
そして、ピンクの目に涙を浮かべて、告げた。
「この子……もうひとりの……サクラ……このまま眠らせてあげて……」
サクラの「良心」は、優しく笑った。
「憎しみ……ばかり……押し付けて……きちゃった……から……これからは……サクラが……きちんと……引き受けるから……」
「……わかった。わかったよ」
月子ちゃんが涙を浮かべる。
「ふ……ふふ……人形学級の……先生は……いじめなんて……仲直り……させ……」
ころん。
胸にガラスの破片がささった、目にハートをあしらった愛くるしい十五センチの先生は、飼育小屋の中で、優しく微笑んだ。
白鳥萌の方を見る。
そこには、土にまみれたぼろぼろののっぺらぼうが、転がっているだけだった。
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