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恋の中の花曇り
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刻々と時は流れ、早くも三日が経過した。
電話を掛けようと思い立ったものの、電話番号が分からなかった。今の今まで、連絡先を持つ必要性を感じていなかったのだ。
唯一全てを肯定してくれる存在である椿に会えない日々は、どこか虚しかった。
不図、薄汚れた手首が視界に入る。
傷口が塞がり、凝固した血の色も薄くなっていた。
「……こんなんじゃ、嫌われる」
我知らずと呟いて、穂希はカッターナイフを手首に添えた。
この自傷行為に、意思などない。
ただ、椿に嫌われたくない、愛されたいという衝動だけが、穂希を突き動かしていた。
皮膚が裂かれる感覚が、何故だか以前よりも痛く感じた。
電話を掛けようと思い立ったものの、電話番号が分からなかった。今の今まで、連絡先を持つ必要性を感じていなかったのだ。
唯一全てを肯定してくれる存在である椿に会えない日々は、どこか虚しかった。
不図、薄汚れた手首が視界に入る。
傷口が塞がり、凝固した血の色も薄くなっていた。
「……こんなんじゃ、嫌われる」
我知らずと呟いて、穂希はカッターナイフを手首に添えた。
この自傷行為に、意思などない。
ただ、椿に嫌われたくない、愛されたいという衝動だけが、穂希を突き動かしていた。
皮膚が裂かれる感覚が、何故だか以前よりも痛く感じた。
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