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【159.5話】 絶望の小屋の中で ※リリアが意地を張る前の話し※
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「しっかりしろ、クロード」アーサーが痛みと熱に苦しむクロードを励ます。
「俺達が甘かったな… 生きて帰れれば二度とこんな無理はしない」テスロットが呟く。
「ごめん、私ももうだめみたい」小屋の中の見まわしてアンジェリカがため息をついた。
「… 皆、しっかりしろ、脱出して助かるぞ」アーサーが声を上げた。が、明らかに力のこもらない声…
アーサー、クロード、テスロット、アンジェリカの四人冒険者パーティーはルーダ港から西にある村の山中にいた。
正確に言えばこの四人で冒険者パーティーを組む書類を出しているわけではない。
四人は大きなギルド“愛国者”の見習いメンバーだ。全員同期で入ギルドして1年を超えたくらいになる。
最寄りの村でギルメンと仕事を終えると、現地解散で数日の自由行動を与えられたのだ。
仲良し見習い四人組も先輩の目を逃れ自分達だけできままに帰ギルド移動を楽しもうと解散した。
「な、村の北側の渓谷でホーンドパイソンが出るらしいぜ。皆でやりにいかないか?」村の噂を聞いてクロードが言い出した。
「ホーンド?デカいやつは体長10m以上だぜ、俺達だけではちょっと無理だろ」テスロットが言う。
「まずいよ、私達まだ見習いだし、勝手に仕事を引き受けたら怒られるわよ」アンジェリカが反対する。
「ホーンドパイソンは何でも丸呑みで、結構高級アイテムをドロップするらしいぞ、アーサーもいるし、俺とアンジェの魔法も… 何とかなるだろ」クロード。
「料理係や武器の手入ればかりも飽きたし、一年も下積みしてきたんだから何とかなるかな?たまには自分達で冒険者っぽいことでもしないとやってられないよ。仕事じゃなく、採取に出たらエンカウントして倒しましたって話しなら… やれるかな?」テスロット。
なんだかん四人の中で一番リーダー的なアーサーの顔を皆が見る…
「… ダメそうだったら無理をせず帰ってくるなら…」アーサーが頷いた。
彼らが逃げ込んだ小屋の中は恐怖と絶望に満ちていた…
もう逃げ込んで三日目。食料も水も尽きていた。もともと日帰り気分。
渓谷に入ったパイソン探しの四人、果たしてパイソンに遭遇した。しかし、あまりにも不意に、あまりにも無防備に、あまりにも準備不足に突然遭遇してしまった。
パイソンの攻撃に合い、怪我もしたがクロードが崖から転落してしまったのだ。
残りの三人はパイソンから逃れ崖を下りてクロードを救助。
しかし、そこは大魔クモの巣窟の谷。
四人はクロードを救出したが、ポーションも魔力も全て使い切ってようやく廃屋となった小屋に逃げ込んだのだ。
命からがら… と言った表現が正に相応しい…
それから三日間、小屋の中では全てが底をつきかけている。生きる気力さえ…
全員どこかしら怪我をしている。クロードに至っては骨折と傷からの感染で衰弱する一方だ。
小屋の外にはクモがうじゃうじゃと巣を作っている。出たら最後…
破れた窓を家具で塞ぎ小屋の中で声を潜めてじっとしているのが唯一の生き残る手段。クモが小屋を這うと屋根や壁がトストスと音を立てた。恐怖の時間が続く。
少しだけ生きながらえるために小屋で朽ちていくか、死を決して外に活路を見出すか…
「やっぱり私達じゃ無理だったのよ…」
「見習いなんて何年やっても意味ねえよ!」
「クロードが無茶を言うからだ、俺は最初反対したんだ」
極限状態でのお決まりの仲間割れが始まった。
クロードは寒気を訴え始め、テスロットは興奮状態で攻撃的になり、アンジェリカは嘆きながら床を削いでは何かを口にしている。
何かで恐怖が爆発すれば集団狂気となって殺し合い明日の朝は迎えられないだろう。
「いちかばちか、小屋を出て村に戻ろう…」アーサーが状況を見て言い出した。
生き残る可能性は限りなくゼロだが…
人として、冒険者仲間として死ねる最後の方法だろう…
恐らく日没あたりで限界を迎え、鬼畜と化して殺し合いの中で果てていくに違いない…
「はぁ?お前この状況がわかんねえのかよ! 俺達を殺す気かよ!」
もはや、合理的な判断は失われかけていた。
アーサーは冷静に外に出て戦う道を諭したがテスロットの激しい反対にあう。テスロットは今を少しでも生き残りたいだけで支離滅裂な抵抗だが、制御がきかない。小屋の中はだんだんヒステリーにあふれ出した。
「だいたいてめぇ、いつも偉そうに指示だしやがってよ!」テスロットの顔つきが変わる。
「お母あああああさああああああああん!うぎゃあああああああああああ、死ぬのがこわあああああああああい!」アンジェリカは何かを噛みながら絶叫し始めた。
クロードは真っ青になって震えている。
“外に出てクモの餌になるのも、ここで殺し合うのも同じ死か… 絡めとられて生きた保存食も嫌だな… ここで人間らしく死ぬのが一番か…”
何度かテスロットに突き飛ばされながらアーサーは思った。
「テスロット、皆、俺が悪かった… 間違っていたよ… 実は出発前、行動表を村で提出して出てきた。戻らない俺達を探して捜索が出ているだろう。範囲から考えてもうこの小屋辺りまで探しに来てもおかしくないはずだ」アーサーが言う。
「ほ、本当なの!アーサー!私達助かるのね」
「アーサー、おまえ… 助かるんだな?全員助かるんだな!」
テスロットとアンジェリカが少し冷静さを取り戻した。
「……… あぁ、助かる… 夕方くらいには… 来ると思う… 俺のとっておきの回復のポーションがある…皆にわけるよ… 渇きを潤すくらいにはなると思う、皆後少しだ」
アーサーはそう言うとポーチから幻想薬のビンを取り出した。
「最後はせめて人らしく、仲間として… 」アーサーは手のビンを見つめた。
もうだめだろうが、いつか自分達の亡骸は見つかるだろう。
その時せめて、鬼畜となり果てて醜い殺し合いをした痕跡を残したくはない…
親に報告が行くときに“冒険者として立派な最後を迎えた”と報告して欲しい…
皆、楽しく幸せな気分で逝ってもらいたい…
「ビンが無くてね、こんなビンに入っているけど問題無い、これを飲んで少し休もう」
色々な問題が発生するのでビンの詰め替えは原則的に禁止で特に人に渡せない。一般的にもらう側もビンのラベルには特に注意をする。
明らかに幻想薬のピンに入っている液体だが…
が、判断力を失っている二人は何の疑いもないようだ。クロードは後で飲ませれば良いだろう。
「……… これも経験だ、乾杯しようか」アーサーが寂しく笑う。
「これで少し空腹も満たされる。では後少し助けが来るまで… かんぱ…」
アーサーの音頭で皆がビンに口を付けかけた時だった
“ドバン!”っと扉が開いて何かが飛び込んで来た。
「皆!来たわよ! 一、二… 四人ね!揃ってるのね! 村の人から冒険者四人が出かけて戻らないって!何のん気にお茶しているの!早く逃げるのよ!逃げるは恥よ!」
「先輩!早くしないと囲まれて小屋から出れなくなるっす!」
「無茶苦茶過ぎるだろ!バックアップを待てよ!」
「ホウキうるさい!のん気にしてたら進めなくなるのよ! 早く全員逃げるわよ!その人は?重傷? ポーションを飲ませて!これ幻想薬じゃない!何してるの!!あたしのポーションあるから!」
「先輩!行きますよ!扉を閉めたら出れなくなるっす!早く!」
「おい!後続の支援が来るまで小屋に籠るべきだろ!」
「今、一気に退散よ!小屋ごと囲まれたら出れないし、後から来る連中も近寄れなくなるわよ! ポーションは飲ませた、一番高いの飲ませて高価な回復持続も飲ませた。ラッパ飲みよ!がぶ飲み!高級ポーションの胃袋チャンポンよ。ブラック、この人担いで、外はあたしが抑える」
そういうと女は戸口で弓射撃を始めた。
「強引すぎる!死ぬぞ!」
「ホウキ黙って!今通信入れる。こちらリリア、小屋に逃げ込んでた。全員無事、一名重傷、今からそっちへ逃げるから!! 道で合流!」
アーサー達は小屋に嵐のように飛び込んできて、全身クモの巣だらけ、変な液で体を汚して指示を出す男女の冒険者をあっけに取られて見ていた…
「俺達が甘かったな… 生きて帰れれば二度とこんな無理はしない」テスロットが呟く。
「ごめん、私ももうだめみたい」小屋の中の見まわしてアンジェリカがため息をついた。
「… 皆、しっかりしろ、脱出して助かるぞ」アーサーが声を上げた。が、明らかに力のこもらない声…
アーサー、クロード、テスロット、アンジェリカの四人冒険者パーティーはルーダ港から西にある村の山中にいた。
正確に言えばこの四人で冒険者パーティーを組む書類を出しているわけではない。
四人は大きなギルド“愛国者”の見習いメンバーだ。全員同期で入ギルドして1年を超えたくらいになる。
最寄りの村でギルメンと仕事を終えると、現地解散で数日の自由行動を与えられたのだ。
仲良し見習い四人組も先輩の目を逃れ自分達だけできままに帰ギルド移動を楽しもうと解散した。
「な、村の北側の渓谷でホーンドパイソンが出るらしいぜ。皆でやりにいかないか?」村の噂を聞いてクロードが言い出した。
「ホーンド?デカいやつは体長10m以上だぜ、俺達だけではちょっと無理だろ」テスロットが言う。
「まずいよ、私達まだ見習いだし、勝手に仕事を引き受けたら怒られるわよ」アンジェリカが反対する。
「ホーンドパイソンは何でも丸呑みで、結構高級アイテムをドロップするらしいぞ、アーサーもいるし、俺とアンジェの魔法も… 何とかなるだろ」クロード。
「料理係や武器の手入ればかりも飽きたし、一年も下積みしてきたんだから何とかなるかな?たまには自分達で冒険者っぽいことでもしないとやってられないよ。仕事じゃなく、採取に出たらエンカウントして倒しましたって話しなら… やれるかな?」テスロット。
なんだかん四人の中で一番リーダー的なアーサーの顔を皆が見る…
「… ダメそうだったら無理をせず帰ってくるなら…」アーサーが頷いた。
彼らが逃げ込んだ小屋の中は恐怖と絶望に満ちていた…
もう逃げ込んで三日目。食料も水も尽きていた。もともと日帰り気分。
渓谷に入ったパイソン探しの四人、果たしてパイソンに遭遇した。しかし、あまりにも不意に、あまりにも無防備に、あまりにも準備不足に突然遭遇してしまった。
パイソンの攻撃に合い、怪我もしたがクロードが崖から転落してしまったのだ。
残りの三人はパイソンから逃れ崖を下りてクロードを救助。
しかし、そこは大魔クモの巣窟の谷。
四人はクロードを救出したが、ポーションも魔力も全て使い切ってようやく廃屋となった小屋に逃げ込んだのだ。
命からがら… と言った表現が正に相応しい…
それから三日間、小屋の中では全てが底をつきかけている。生きる気力さえ…
全員どこかしら怪我をしている。クロードに至っては骨折と傷からの感染で衰弱する一方だ。
小屋の外にはクモがうじゃうじゃと巣を作っている。出たら最後…
破れた窓を家具で塞ぎ小屋の中で声を潜めてじっとしているのが唯一の生き残る手段。クモが小屋を這うと屋根や壁がトストスと音を立てた。恐怖の時間が続く。
少しだけ生きながらえるために小屋で朽ちていくか、死を決して外に活路を見出すか…
「やっぱり私達じゃ無理だったのよ…」
「見習いなんて何年やっても意味ねえよ!」
「クロードが無茶を言うからだ、俺は最初反対したんだ」
極限状態でのお決まりの仲間割れが始まった。
クロードは寒気を訴え始め、テスロットは興奮状態で攻撃的になり、アンジェリカは嘆きながら床を削いでは何かを口にしている。
何かで恐怖が爆発すれば集団狂気となって殺し合い明日の朝は迎えられないだろう。
「いちかばちか、小屋を出て村に戻ろう…」アーサーが状況を見て言い出した。
生き残る可能性は限りなくゼロだが…
人として、冒険者仲間として死ねる最後の方法だろう…
恐らく日没あたりで限界を迎え、鬼畜と化して殺し合いの中で果てていくに違いない…
「はぁ?お前この状況がわかんねえのかよ! 俺達を殺す気かよ!」
もはや、合理的な判断は失われかけていた。
アーサーは冷静に外に出て戦う道を諭したがテスロットの激しい反対にあう。テスロットは今を少しでも生き残りたいだけで支離滅裂な抵抗だが、制御がきかない。小屋の中はだんだんヒステリーにあふれ出した。
「だいたいてめぇ、いつも偉そうに指示だしやがってよ!」テスロットの顔つきが変わる。
「お母あああああさああああああああん!うぎゃあああああああああああ、死ぬのがこわあああああああああい!」アンジェリカは何かを噛みながら絶叫し始めた。
クロードは真っ青になって震えている。
“外に出てクモの餌になるのも、ここで殺し合うのも同じ死か… 絡めとられて生きた保存食も嫌だな… ここで人間らしく死ぬのが一番か…”
何度かテスロットに突き飛ばされながらアーサーは思った。
「テスロット、皆、俺が悪かった… 間違っていたよ… 実は出発前、行動表を村で提出して出てきた。戻らない俺達を探して捜索が出ているだろう。範囲から考えてもうこの小屋辺りまで探しに来てもおかしくないはずだ」アーサーが言う。
「ほ、本当なの!アーサー!私達助かるのね」
「アーサー、おまえ… 助かるんだな?全員助かるんだな!」
テスロットとアンジェリカが少し冷静さを取り戻した。
「……… あぁ、助かる… 夕方くらいには… 来ると思う… 俺のとっておきの回復のポーションがある…皆にわけるよ… 渇きを潤すくらいにはなると思う、皆後少しだ」
アーサーはそう言うとポーチから幻想薬のビンを取り出した。
「最後はせめて人らしく、仲間として… 」アーサーは手のビンを見つめた。
もうだめだろうが、いつか自分達の亡骸は見つかるだろう。
その時せめて、鬼畜となり果てて醜い殺し合いをした痕跡を残したくはない…
親に報告が行くときに“冒険者として立派な最後を迎えた”と報告して欲しい…
皆、楽しく幸せな気分で逝ってもらいたい…
「ビンが無くてね、こんなビンに入っているけど問題無い、これを飲んで少し休もう」
色々な問題が発生するのでビンの詰め替えは原則的に禁止で特に人に渡せない。一般的にもらう側もビンのラベルには特に注意をする。
明らかに幻想薬のピンに入っている液体だが…
が、判断力を失っている二人は何の疑いもないようだ。クロードは後で飲ませれば良いだろう。
「……… これも経験だ、乾杯しようか」アーサーが寂しく笑う。
「これで少し空腹も満たされる。では後少し助けが来るまで… かんぱ…」
アーサーの音頭で皆がビンに口を付けかけた時だった
“ドバン!”っと扉が開いて何かが飛び込んで来た。
「皆!来たわよ! 一、二… 四人ね!揃ってるのね! 村の人から冒険者四人が出かけて戻らないって!何のん気にお茶しているの!早く逃げるのよ!逃げるは恥よ!」
「先輩!早くしないと囲まれて小屋から出れなくなるっす!」
「無茶苦茶過ぎるだろ!バックアップを待てよ!」
「ホウキうるさい!のん気にしてたら進めなくなるのよ! 早く全員逃げるわよ!その人は?重傷? ポーションを飲ませて!これ幻想薬じゃない!何してるの!!あたしのポーションあるから!」
「先輩!行きますよ!扉を閉めたら出れなくなるっす!早く!」
「おい!後続の支援が来るまで小屋に籠るべきだろ!」
「今、一気に退散よ!小屋ごと囲まれたら出れないし、後から来る連中も近寄れなくなるわよ! ポーションは飲ませた、一番高いの飲ませて高価な回復持続も飲ませた。ラッパ飲みよ!がぶ飲み!高級ポーションの胃袋チャンポンよ。ブラック、この人担いで、外はあたしが抑える」
そういうと女は戸口で弓射撃を始めた。
「強引すぎる!死ぬぞ!」
「ホウキ黙って!今通信入れる。こちらリリア、小屋に逃げ込んでた。全員無事、一名重傷、今からそっちへ逃げるから!! 道で合流!」
アーサー達は小屋に嵐のように飛び込んできて、全身クモの巣だらけ、変な液で体を汚して指示を出す男女の冒険者をあっけに取られて見ていた…
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