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【136.5話】 勇者リリア勇者リリア ※135.5話の続き※
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コスプレ娼館“冒険者”の“酒場”を見まわすリリア。
様々な職業の冒険者が待機している。お客は冒険者に適当に話しかけお酒を飲み気に入れば、あるいは即気が合った相手の手を取って奥の廊下に消えていく。
「よう!女冒険者さん、見ない顔だね、初めてかい?俺のグレートソードを試すかい?」
リリアは男冒険者から声を掛けられる。
“面倒だな… とっとと当たりを引き当てたい…”
思いながら見まわすと、ちょうど一仕事終わったのか女冒険者が装備を整えて酒場に現れた。
長い髪、凛とした物腰、青に金の装飾をあつらった装備、ヴァルキリーさながら。目で追うとカウンターの一画に座った。
“女勇者って絶対ヴァルキリーがモチーフよね… 月並みね”
リリアはバヴァルキリーの隣に座った。
「そなたは、対女性専門の冒険者であるか?我はヴァルキリー、いちおう男性専門の戦闘員ではるが…」ヴァルキリーは凛として言い放つ。
「あの… あたし、勇者リ… えっと… あなたは勇者リリア?」リリアが聞く?
「我はヴァルキリーだ!勇者リリア等と愚弄する気か!」凛として言い放つ。
「いや、ヴァルキリーをモチーフにしてるってことは勇者でしょ?典型的よね。女勇者=ヴァルキリーなのよね。えっへっへっへ」クレームつけに来たのだ、和んでる場合ではないのだが人間不思議とこんな場合愛想笑いしてしまう。
「貴様、我を愚弄しるのか!我は闘神ヴァルキリーである」
なり切り過ぎだ!設定ガチ過ぎる!話が進まん!っと思って話していたら本当に“勇者リリア始めました”の勇者リリアではないようだ。ややこしい…
「これは失礼、あたしてっきり勇者リリアかと思って…」リリアが謝る。
一般大衆の女勇者のイメージとなると何故か真っ先にヴァルキリーが出てくる。すっかり思い込んでしまった。ヴァルキリーは娼婦ではあるようだ。凛としているがエロティックな雰囲気があり良い香りがしている。
リリアは改めて酒場を見ます。町民が遊びに来ているがそれ以外は何かの職業服を着ている者がほとんど。こうしてみると誰が従業員か誰がお客か全然見分けがつかない。
“ややこしいなぁ…”リリアはため息。
「勇者リリア?… あぁ、あの駆け出しの新人娘か… ならばあれだ」凛として指を差す。
「ありがとう、あなたに神のご加護がありますように」リリアは席を立つ。
「あぁ、行ってしまうのか… 貴殿なら女同士の契りも交わせたのに」ヴァルキリーは凛として言う。
とにかく凛としているのがヴァルキリー。
リリアは“勇者リリア始めました”の席に行った。
“この人?あってるのか?”
見ると勇者リリアはあまり勇者らしくない。布の服に粗末な皮の装備を身に着けて棍棒を手にしている。
一言で表すなら“貧乏くさいお転婆ガール”的。
リリアが「本当にこの人?」とヴァルキリーをみたら、ヴァルキリーは「そいつだよ」的に凛として頷いた。どうやらあっているらしい…
そしてどこまでもヴァルキリーは凛としている。
“ヴァルキリーは一体どこまで凛としているのだろうか?”ふとリリアは疑問に思った。
「貴殿!素晴らしいぞ!激しいぞ!昇天しそうだぞ!」
ベッドでも凛としているのだろうか?
ともかく… リリアは勇者リリアの隣に座った。
「あなた勇者リリア?」
「私、勇者リリア、駆け出しヒヨッコ冒険者で自称女勇者を名乗ってる。冒険者さんは女性特化?冒険者さんのお名前は?」
「…えっと… リリア…」
「ふーん… ご職業うかがっていい?」
「……………………………………… 勇者……」
「……ふーん… 勇者っぽくはないよね。ハンターさんかな? まぁ、自称勇者リリアなのね。ここは初めて?」
「… そうだけど… ねぇ、あなた本当に勇者リリア?… 装備が全然勇者っぽくないけど…」
「私まだ駆け出しのヒヨッコ冒険者で勝手に勇者を語ってるの。擦り切れた布の服、ヨレヨレの装備、棒っきれで攻撃よ。あっちに棒はついてないけど」
「なんか… 勇者リリアをバカにしてない?…」
「お姉さん勇者リリアのファン?… 私ドリンクいただいて良いかしら?… ありがとう… 私、ここニューフェースだけど変わった設定にしようって話ですね、とりあえず勇者リリアはルーダリアの勇者だって事で変わり種を… うん、私勇者リリアが誰か知らないよ。何かなり立ての駆け出し勇者だから粗末なLv1的装備。実力派有名人気冒険者は皆とられちゃって… あれは魔導士のソフィーナがモチーフ、こっちは剣士ローズ、召喚妖精使いのメリーナリー、斧戦士ワンダ… コスプレ凄いでしょ?豪華キャスト華があるよね。私まだ新人だから、こんなリリアとかって… 初級冒険者でみすぼらしい恰好だから逆に酒場で目立つよって言われて… 自分的にはハイエルフ妖術師のエルナーラが似合うと思うんだけどねぇ… 勇者リリア始めたけど… 全然人気ないんだよねぇ…リリアって誰なの?お客も知ってる人少ないし… たいてい名前聞かれて勇者リリアって答えると、誰?って帰って来るの」
リリアはこの場の全員に右ストレートを一閃させたいのを我慢して席を立つ。
この娘を怒鳴りつけたって意味がないのだ。
この後リリアは店長を呼び出して、クレームのビッグマウンテン。
クレーム内容は
「勇者リリアを観察しなさい!あんなボロッちい装備じゃない!バカにするな!本物リリアが来てるんだからこの装備を真似てよね!」的な内容。
コンセプトに腹が立ちすぎて、使用許可、肖像権、名誉棄損はどうでもよいくなってしまったらしい。とにかく装備の改善と駆け出しという文句の取り消しクレーム。
「はい… はい… すみません… お客様は神様です… お出口右側です… いい加減営業妨害でつまみ出すぞ」と、店長。
適当なところでリリアは用心棒たちにつまみ出された。
因みにリリアは後日、装備とコンセプトの改善指導チェックのために“冒険者”をガサ入れした。
「勇者リリアですか?… 不人気だったのでリリアコスプレは無くなりました」だって…
様々な職業の冒険者が待機している。お客は冒険者に適当に話しかけお酒を飲み気に入れば、あるいは即気が合った相手の手を取って奥の廊下に消えていく。
「よう!女冒険者さん、見ない顔だね、初めてかい?俺のグレートソードを試すかい?」
リリアは男冒険者から声を掛けられる。
“面倒だな… とっとと当たりを引き当てたい…”
思いながら見まわすと、ちょうど一仕事終わったのか女冒険者が装備を整えて酒場に現れた。
長い髪、凛とした物腰、青に金の装飾をあつらった装備、ヴァルキリーさながら。目で追うとカウンターの一画に座った。
“女勇者って絶対ヴァルキリーがモチーフよね… 月並みね”
リリアはバヴァルキリーの隣に座った。
「そなたは、対女性専門の冒険者であるか?我はヴァルキリー、いちおう男性専門の戦闘員ではるが…」ヴァルキリーは凛として言い放つ。
「あの… あたし、勇者リ… えっと… あなたは勇者リリア?」リリアが聞く?
「我はヴァルキリーだ!勇者リリア等と愚弄する気か!」凛として言い放つ。
「いや、ヴァルキリーをモチーフにしてるってことは勇者でしょ?典型的よね。女勇者=ヴァルキリーなのよね。えっへっへっへ」クレームつけに来たのだ、和んでる場合ではないのだが人間不思議とこんな場合愛想笑いしてしまう。
「貴様、我を愚弄しるのか!我は闘神ヴァルキリーである」
なり切り過ぎだ!設定ガチ過ぎる!話が進まん!っと思って話していたら本当に“勇者リリア始めました”の勇者リリアではないようだ。ややこしい…
「これは失礼、あたしてっきり勇者リリアかと思って…」リリアが謝る。
一般大衆の女勇者のイメージとなると何故か真っ先にヴァルキリーが出てくる。すっかり思い込んでしまった。ヴァルキリーは娼婦ではあるようだ。凛としているがエロティックな雰囲気があり良い香りがしている。
リリアは改めて酒場を見ます。町民が遊びに来ているがそれ以外は何かの職業服を着ている者がほとんど。こうしてみると誰が従業員か誰がお客か全然見分けがつかない。
“ややこしいなぁ…”リリアはため息。
「勇者リリア?… あぁ、あの駆け出しの新人娘か… ならばあれだ」凛として指を差す。
「ありがとう、あなたに神のご加護がありますように」リリアは席を立つ。
「あぁ、行ってしまうのか… 貴殿なら女同士の契りも交わせたのに」ヴァルキリーは凛として言う。
とにかく凛としているのがヴァルキリー。
リリアは“勇者リリア始めました”の席に行った。
“この人?あってるのか?”
見ると勇者リリアはあまり勇者らしくない。布の服に粗末な皮の装備を身に着けて棍棒を手にしている。
一言で表すなら“貧乏くさいお転婆ガール”的。
リリアが「本当にこの人?」とヴァルキリーをみたら、ヴァルキリーは「そいつだよ」的に凛として頷いた。どうやらあっているらしい…
そしてどこまでもヴァルキリーは凛としている。
“ヴァルキリーは一体どこまで凛としているのだろうか?”ふとリリアは疑問に思った。
「貴殿!素晴らしいぞ!激しいぞ!昇天しそうだぞ!」
ベッドでも凛としているのだろうか?
ともかく… リリアは勇者リリアの隣に座った。
「あなた勇者リリア?」
「私、勇者リリア、駆け出しヒヨッコ冒険者で自称女勇者を名乗ってる。冒険者さんは女性特化?冒険者さんのお名前は?」
「…えっと… リリア…」
「ふーん… ご職業うかがっていい?」
「……………………………………… 勇者……」
「……ふーん… 勇者っぽくはないよね。ハンターさんかな? まぁ、自称勇者リリアなのね。ここは初めて?」
「… そうだけど… ねぇ、あなた本当に勇者リリア?… 装備が全然勇者っぽくないけど…」
「私まだ駆け出しのヒヨッコ冒険者で勝手に勇者を語ってるの。擦り切れた布の服、ヨレヨレの装備、棒っきれで攻撃よ。あっちに棒はついてないけど」
「なんか… 勇者リリアをバカにしてない?…」
「お姉さん勇者リリアのファン?… 私ドリンクいただいて良いかしら?… ありがとう… 私、ここニューフェースだけど変わった設定にしようって話ですね、とりあえず勇者リリアはルーダリアの勇者だって事で変わり種を… うん、私勇者リリアが誰か知らないよ。何かなり立ての駆け出し勇者だから粗末なLv1的装備。実力派有名人気冒険者は皆とられちゃって… あれは魔導士のソフィーナがモチーフ、こっちは剣士ローズ、召喚妖精使いのメリーナリー、斧戦士ワンダ… コスプレ凄いでしょ?豪華キャスト華があるよね。私まだ新人だから、こんなリリアとかって… 初級冒険者でみすぼらしい恰好だから逆に酒場で目立つよって言われて… 自分的にはハイエルフ妖術師のエルナーラが似合うと思うんだけどねぇ… 勇者リリア始めたけど… 全然人気ないんだよねぇ…リリアって誰なの?お客も知ってる人少ないし… たいてい名前聞かれて勇者リリアって答えると、誰?って帰って来るの」
リリアはこの場の全員に右ストレートを一閃させたいのを我慢して席を立つ。
この娘を怒鳴りつけたって意味がないのだ。
この後リリアは店長を呼び出して、クレームのビッグマウンテン。
クレーム内容は
「勇者リリアを観察しなさい!あんなボロッちい装備じゃない!バカにするな!本物リリアが来てるんだからこの装備を真似てよね!」的な内容。
コンセプトに腹が立ちすぎて、使用許可、肖像権、名誉棄損はどうでもよいくなってしまったらしい。とにかく装備の改善と駆け出しという文句の取り消しクレーム。
「はい… はい… すみません… お客様は神様です… お出口右側です… いい加減営業妨害でつまみ出すぞ」と、店長。
適当なところでリリアは用心棒たちにつまみ出された。
因みにリリアは後日、装備とコンセプトの改善指導チェックのために“冒険者”をガサ入れした。
「勇者リリアですか?… 不人気だったのでリリアコスプレは無くなりました」だって…
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