勇者の血を継ぐ者

エコマスク

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【123話】 リリアの手には弓とペン

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Day2
初日はリリアの班が村の当直班だった。
野外で魔物退治をし、夜はシェルフ達と村の防衛。夜中に2回ほど出動がかかりあまり寝ていない。ただし、リリアの班員はお昼過ぎまで休める。
全員、朝食後から爆睡モード。リリア以外は…

リリアは朝から野外に治安活動にでる他班とブリーフィングを済ませたら村人と村長と村の備蓄在庫を確認。厳密ではなくて良いのだが、申請した支援物資が国から届くまでは村のストックを借り入れしないといけならしい。現在の在庫量を確認して支援が届いたら充当しなければならない。知らない事だらけ…
「これからは規則も勉強しとかないと、勇者さん」ペコに注意される。
「雑用は村人でもシェリフでも人を使ってくれてよい」村長に言われるリリア。
とりあえず自分でも見ておかないとね…
確認を終えてベッドにもぐりこんだリリア、3秒で爆睡に入る。


昼食を班で済ませたら、治安維持活動開始!
通信イヤリングから各班の現状報告を聞きながら
「リリア達はリマ-5辺りから始めようか」


「OK,とりあえずクリアだね。脅威無し。ちょっと待ってね、通信入れとくから… こちらリリアはリマ-7で戦闘終了、異常なし…  皆、大丈夫ね?ブラック、出血しているよ」
魔物との戦闘を終えたリリア達。集合して安全確認。
「これくらい、今治癒するっす。先輩も腕から血が出てるっす」ブラックに言われる。
「数が多いよね… これは治安回復申請もわかるわね、皆ポーション大丈夫?無くなる前に早めに知らせてね」リリア。
「ココア姉さんのパーカッションがじわじわと効いて、気力的に楽っす!」
「リリア、もっと弓の精度凄いでしょ!ちょっと雑になってるわよ。オフェリアもたまに背中ががら空き」ペコは厳しい。
「いや、弓の予備が必要かも。これだけ使用すると少し弦が甘くなってくよ… って、ペコはノーコン火の玉何とかしてよ!オフェリアもブラックも誤射されてるよ!」
「何ぃ!へっぽこ勇者!ダガー全然当たらないじゃん!当たらないならもう投げないで!」
リリアとペコはいつもの感じ。オフェリアは苦笑い、ココアはゆっくりトライアングルを鳴らしている。


「リリアから各班。現在地はマイク-5 村に撤収よ、お疲れ様」
夕日が山頂の少し上まで来ている。日没前に撤収!
「サンボーン ゴルフ-6で了解 その言葉待ってたぜ!」「ローズ ゴルフ-5 了解」「ガルト ジュリエット-4 ちょうど薬草が尽きたとこだった」
各隊から応答がある。この瞬間は皆声が明るい。
「村周辺を掃討したけど、もうちょっとだね。明日ももう一回これかな?」リリアが弓を手に言う。
「多いね、戦場の犠牲者とか放置して、色んな魔物が沸いているんだろうね」オフェリアが言う。
「いいじゃん、最近気力が余ってたから思う存分魔力を使えるよ」ペコは楽しそう。
「おお!大ネズミがさっきの死体にむらがっているっすよ!」
「さっき掃除て通ったばかりなにね」
「散開!戦闘よ! リリア マイク-5で 交戦」
再び草原には剣の音とボーカルパーカッションが響き始めた。


メイレル村の夜
ダイニングは賑わっている。
「オフェリア、ココア、リリアはまだ何かしてるの?」ペコとブラックが食事を手にテーブルに来た。
「報告とミーティングがあるらしいよ。今日は昨日より全然早いからもうすぐ来るでしょ」
どちらからともなく答える。


「報告済ませたっと… 明日は、この辺からこの辺… 支援物資は三日後到着予定くらいで… あれ?ポーションの在庫って確認まだかな?… あ、これかな?… これは今朝のかな?… ちょっと見てこようか…… …出た!数字バラバラスコアシート! 皆見栄っ張りだよねぇ、まぁ人の事言えないけどねぇ」
リリアは独り言を言いながら書類に向かう。
「勇者リリアちゃんってば、昼は弓を手に、夜はペンを手に… 勇者ってこんな仕事があるって知らなかったけど、さすが勇者ね。さらに夜は男を手に… うっふっふ」
呑気勇者リリアはペンを手に書類をやっつける。
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