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1巻オマケ
願望
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「店長、馬鹿なんでしょ、馬鹿なんでしょ?」
「酷いよ、ソラちゃーん」
酷い酷いと言いながら、幼馴染は店員の方をへらりと笑いながら見下ろしている。
店員の方は、呆れを含んだ視線で幼馴染を見上げているが、その口角は僅かに上にあがっており、どこか楽しそうな色を目の中に浮かべている。
随分激しい罵り合いだな、と最初は思ったが、見ているうちに、二人ともどこかしら楽しげなことに気付いた。
ズバズバとあけすけなく投げつける言葉は、1聞するとどこか酷い暴言のようにも思えるが、少女の目端の楽しげな色合いに、全てがどうでもよくなってしまう。
言われている方も言われている方で、怒ってもいい内容もあるだろうに、ヘラヘラと言葉を受けてはワザと虐められることを楽しんでいるかのようで。
言葉だけじゃ分からない。声も表情も、全てひっくるめて、その光景は、見ているだけで楽しかった。
特に、今まで神殿で実質剛健と名を馳せてきた幼馴染のその姿は、どこか目新しく、そしてくすぐったいものをジグに感じさせた。
「お前らのコントに俺を巻き込むな」
と言いつつも、ついつい巻き込まれに行ってしまうのは最近の常で。
そういうのもひっくるめて、お前らはお似合いだ、といつか言える日を、ジグは密かに待ち望んでいる。
「酷いよ、ソラちゃーん」
酷い酷いと言いながら、幼馴染は店員の方をへらりと笑いながら見下ろしている。
店員の方は、呆れを含んだ視線で幼馴染を見上げているが、その口角は僅かに上にあがっており、どこか楽しそうな色を目の中に浮かべている。
随分激しい罵り合いだな、と最初は思ったが、見ているうちに、二人ともどこかしら楽しげなことに気付いた。
ズバズバとあけすけなく投げつける言葉は、1聞するとどこか酷い暴言のようにも思えるが、少女の目端の楽しげな色合いに、全てがどうでもよくなってしまう。
言われている方も言われている方で、怒ってもいい内容もあるだろうに、ヘラヘラと言葉を受けてはワザと虐められることを楽しんでいるかのようで。
言葉だけじゃ分からない。声も表情も、全てひっくるめて、その光景は、見ているだけで楽しかった。
特に、今まで神殿で実質剛健と名を馳せてきた幼馴染のその姿は、どこか目新しく、そしてくすぐったいものをジグに感じさせた。
「お前らのコントに俺を巻き込むな」
と言いつつも、ついつい巻き込まれに行ってしまうのは最近の常で。
そういうのもひっくるめて、お前らはお似合いだ、といつか言える日を、ジグは密かに待ち望んでいる。
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