異世界コンビニ

榎木ユウ

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1巻オマケ

足掻く

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「なぁ」
「ん?」
 珍しくターク酒を煽りながら、ジグは疲れ切った幼馴染に声をかける。
「ソラ、返しちまうのか?」
 ここ数日、神殿でけたたましく議論されている内容を、やんわりとアレイに問いかけるが、アレイはターク酒に口をつけたまま、それには答えない。

「なんとかなんねぇかな」
 思わず投げやりにそう言えば、アレイは自嘲しながら返す。
「何ともならないだろうね」
 それは、どんなにあがいても結果が見えていると言っているようなもので。
 ジグは「もっと足掻けよ」と、声に出して言うことはできずに、酒を煽った。

 いっぱい、いっぱい、足掻いている。

 それでも、どうしようもないことがある。
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