JK LOOPER

猫乃麗雅

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

84.キャラが渋滞しております。

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私が、ビックエンジェルの装備品を格納して、出現させた“ペットボトルの水”で頭や顔に浴びた血を洗い流していくなか、

「おお―ッ!!」

「倒したぁッ!」

「マジかー?!」

「ありがとぉーう!!」

などといった声が、[天守]や[小天守]から聞こえてきました。

避難している人々による喝采や感謝に、琴音ことねが〝エッヘン♪〟と得意げになります。

普段なら図に乗り過ぎないよう注意するところですが、死にかけながらも頑張ってくれたので、優しさでスルーしてあげましょう。

正直、妹の協力がなければ、勝てなかったに違いありませんからね。

私が、[アイテムBOX]から新たに出したタオルで顔などを拭いていたら、

「いやいやいやいや、素晴らしかったねぇー、君たち!」

赤髪セミロングさんが近づいてきました。

その後ろには、白銀ショートヘアーさん・スポーツ刈りさん・青髪ロングストレートさんが、見受けられます。

「あ、どうも、助けていただいて、ありがとうざいます。」

頭を下げる私に続いて、

「ありがとーございました!!」

琴音も〝ペコリ〟したのです。

「なんの、なんの!」
「気にしないでくれたまえ!!」

赤髪さんが笑顔になり、

「二人は、姉妹かい?」

と、質問してきました。

「ああ、はい、そうですが…、皆さんは??」

答える流れで窺ってみたところ、

「お!」
「よくぞ聞いてくれた!!」
「ボク達は……、アニメ“レイヤー×スレイヤー”をこよなく愛す、同志・・なのだよぉ――ッ!!!!」

赤髪セミロングさんが瞳を輝かせながら告げてきたのです。

「はぁ…?」

意味が分からず首を傾げた私と妹に、

「え?!」
「なに、そのリアクション……。」
「もしかして、知らないの!?」
「熱狂的なファンが割といるというのに??」

赤髪さんが、半ば愕然としました。

白銀さんに、

「んー、…、まぁ、深夜枠での放送だからねぇ。」
「当然の反応だと思うよ。」

さとされ、

「うぅ~ん。」
「それならば……。」
「私たちが、よりもっと、普及活動に力を入れていくしなかいわね!」
ウィ・・チューバ―として!!」

宣言した赤髪セミロングさんが、

に戻っていますよ。」

青髪さんにツッコまれて、

「は!」

フリーズしちゃったのです。

…………。

なんだか、変な空気になってしまったので、

「男性の方々は“武闘家”さんと“神官”さんですよね。」
「女性陣は…?」

話題を変えてみたら、

「私は“騎士”よ。」

白銀ショートヘアーさんが述べて、

「ふ、ふ、ふ、ふ、ふー。」
「ボクは、何を隠そう……、“勇者”なのさぁ――ッ!!!!」

赤髪さんがドヤッてきました。

勇者・・??)
(そんなジョブがあるの???)
(ひょっとして、アニメの設定なのかな????)
(この人…、“美人なのに残念”なタイプなのかも。)

そう思っていたところ、

「なんだい?」
「その、“頭の痛い子”を見るような目つきは。」

“自称・勇者”さんに悟られてしまったのです。

【武闘家】である“日焼けマッチョ”さんが、

「まぁ、しょうがないだろう。」
「特殊だからなぁ。」
「お前以外に、そのジョブになっている人は、いないみたいだし。」

助け舟を出してくれました。

「成程……。」

赤髪セミロングさんが頷き、

「仕方ない…。」
「ボクが本当に“勇者”である事を証明してくれよ―うッ!!」

ご自身の[メニュー画面]を開いたのです。

赤髪さんが、

「個人情報だから、〝チラッと〟にしてくれよ?!」

しゃがみながら念を押してきました。

「約束します。」

了解した私が、琴音と一緒に、[画面]を覗き込んでみたら、確かに【勇者】と表記されていたのです―。


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【レイヤー×スレイヤー】は、本編における“架空の作品”です。

著者が無知なだけで、そのような[アニメ・漫画・小説・ゲーム]などが実在している場合は、すみません。

あしからず。

2021.12.30現在。
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