未冠の大器のやり直し

Jaja

文字の大きさ
上 下
9 / 171
第1章 高校生活

第8話 シニアのメンバー

しおりを挟む

 
 「パーン! こっちこっち!! みんな集まってるよー」

 両親と写真撮影が終わってから別れ、部室へと向かってる最中に、甲高い声で俺に叫んでる女の子がいた。
  柳マリン。
 シニア時代は選手としてもプレーしてた女だが今年からマネージャーとして龍宮高校に来た。
 因みにタイガの彼女であり、腐女子で中学に薄い本を広めた張本人である。許すまじ。
 ムカつく事に、絵もストーリーも俺好みなんだ。
 コミケに出したりしないのかな。

 いるのは彼女だけでなく、俺が誘ったメンバー4人全員いた。

 さっき会ったタイガもいるし、シニアで1番バッターの雨宮狼希、4番の浅見レオン、5番の岸田隼人。
 よくよく考えたら、エースとリードオフマンにクリーンナップが全員この高校に進学した訳である。
 因みにタイガは3番。
 やりすぎな気もしないでもない。

 「みんなも今から部室?」

 「そそ! ウルちゃんとタイガとレオンと歩いてたら周りを威嚇しながら隼人が立ってたからひっ捕えて来たの! あれは全方位に喧嘩売ってたよ」

 ウルちゃんとは狼希のあだ名である。
 俺のパンもそうだが横文字にしがち。
 それがかっこいいと思ってた時もあったのです。
 ちゃん付けで呼んでるのはマリンだけだが。

 「そうだよ。高校生になったんだしそろそろ落ち着いてほしいね。毎度止めるのは僕らなんだから」

 ウルは優等生ぶってるが馬鹿である。
 メガネをかけてたら賢く見えると思って伊達メガネをしてる馬鹿である。

 「うっせーよ。お前には言われたくねぇ。そのダサいメガネは今すぐ外せ」

 「それは俺も思っていた。余計馬鹿に見えるから辞めておいた方がいい」

 ウルと隼人が言い合っているとレオンが口を挟む。
 隼人は根はいい奴なんだがかなり沸点が低いし人相がすこぶる悪い。
 髪の毛もさっそく染めて来てるしさぞかし目立ってヒソヒソされた事だろう。
 機嫌がとても悪そうだ。
 まぁ、隼人が機嫌悪いのはデフォルトなので気にしない。
 レオンは正真正銘の優等生である。
 偶に毒を吐くが。

 レオン以外は小学生から同じなのだがレオンは中学生になってから初めて出会った。
 俺も小学生4年まではアメリカにいたので、転校して来た訳だが。
 そしてなんとレオンは野球を始めたのは中学生になってからである。
 まぁ、俺が野球に誘った訳だが父さんがレオンの才能に惚れ込み、あれやこれやと指導していく内に、2年になる頃には不動の4番バッターになっていた。
 そして、俺は紅白戦等の対戦成績がすこぶる悪い。
 天才っているんだなと思った。
 俺みたいにチートがあるわけでなく素で上手い。
 勿論、努力も人一倍こなしているのだが。
 ただ母子家庭で家計が苦しく、私立にはとても行けそうになかった所を俺が誘った。
 まぁ、他にも特待待遇で色々誘われてたけど、俺がレオンの家に行って母親に説明したりして口説き落とした。
 母親も家から割と近いので寮に入る事もなく通えるのは安心するだろうしね。

 まぁ、簡単に説明するとしたら、

 ウルは左打者でとにかく足が速い。
 そして守備も上手い。
 パワーはこれからの課題といった所。
 ミート力はありなかなか三振しない。
 ポジションは外野手。

 隼人は右打者で打点乞食。
 ランナーがいる時といない時の集中力が全然違う。
 ただ変化球の対応にやや難がある。
 そして顔に似合わず守備がとても上手い。
 守備範囲も広く何度も助けてもらった。
 ポジションはショート。

 タイガは右打者典型的なアベレージヒッター。
 上手く芯に当てればホームランも打つが、2塁打が多く広角に打ち分ける。
 こちらも課題はパワーである。
 ポジションはキャッチャーでリードは王道だが人を馬鹿にしたようなリードをする事もある。

 レオンは左打者でただのバケモノ。
 俺は紅白戦でホームランを通算3本も打たれている。
 左打者に強い自信があるのにこれである。
 高校では全球種使うつもりなので紅白戦があれば絶対抑えたいと自分の裏目標を立てている。
 ポジションはサード。
 守備はまだまだだが成長の余地は計り知れない。

 マリンはタイガの彼女で腐女子。以上。


 「まぁ、さっさと部室行こうぜ。春休みに会ってるけど挨拶もしないとだし、新入部員がいるかもよ!」

 「それもそうだな。行こうか」

 俺がパンパンと手を叩いて、みんなに向かって言うとレオンが応えてくれた。
 そしていつの間にかウルの伊達メガネをかけていた。どうゆうことだってばよ。
 レオンがそういう事すると収拾がつかなくなるから辞めてほしい。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

目が覚めたら知らない部屋で背後にいたのは推しでした。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:10

聖女の姉が行方不明になりました

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:31

【第二章完】転生天才魔法士、今日も山奥で引きこもります

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:26

異世界帰りの勇者は現代社会に戦いを挑む

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:368

パパ活ある~あるー 遠藤さくら(著)

現代文学 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:1

婚約破棄されたら妖精王子に溺愛されました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:243

処理中です...