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第1章 ダンジョン内に放置されたようです……
第二話 まさかの初スキル獲得①⁉
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木の実は全部で三つあった。同じ木になっているのに、形や色が全然違っている。
結菜は三つある木の実を瞬時に見比べてみた。
一つは黒色の木の実、もう一つは金色の木の実、そして最後の一つは透明の木の実だった。
黒色の木の実は周りの光を全部吸収していた。簡単に説明すると、いわば小さいブラックホールみたいな見た目だった。……あまり手にとりたくないので後回しに…。
すぐに結菜は次の木の実に目線を移す。
金色の木の実は黒色の木の実とは対照的に光り輝いていた。木の実が金色なのではない。完璧な発光体である。小さい太陽とかUFOとか言えそうなレベルで発光しているのだ。
好んで食べようとは思わない……。こんな木の実を食べたら自分自身が発光しそうだ。
(……全身発光した自分………。……髪も発光するのかな?いや、まさか(笑)。つまり頭が発光するわけで……。…はっ!もしかしてハゲるのか⁉ハゲてしまうのか⁉ムリムリムリムリ‼これも後回しに‼)
木の目の前に立って木の実を手にとる前に、そうして考えること約0.00042秒。機械並みの速さである。結菜が一瞬の判断の後に選んだ最後の残りの木の実は透明だった。
透明な木の実は他の木の実と比べてまだ手にとりやすい感じだった。ガラスのように透明度が高く、金色の木の実が発する光を浴びてキラキラ光っているものの、どこか氷砂糖のようである。
手にとるとお菓子のような何とも言えない甘い香りが結菜の鼻腔をくすぐった。
その甘い香りに少しお腹の空いていた結菜は我慢できず、ついついその透明な木の実に手を伸ばしてしまったのである。
今後のダンジョン探索のためにとっておかなければならないことも忘れて一口かじる。
果実とは思えないほどの甘い芳醇な香りが口いっぱいに広がり、甘酸っぱい果汁がジュワリと溢れて来た。
三ツ星のスイーツよりも下手したら美味しいんじゃないだろうか?
甘さのなかに仄かな苦味もあり、いい感じに甘さとマッチングしている。
「何これ‼むっちゃ美味しいんだけど⁉てか普通のスイーツより美味しいんだけど⁉」
あっという間に口の中に消えていく木の実。
物足りなくなった結菜は他の木の実も手にとった。
透明な木の実とはまた違った甘い香りがする。気がつくと木にあった三つの木の実は跡形もなくなくなっていた。
………まるでブラックホールである。口、というか胃袋がブラックホールみたいだ。シュパッシュパッっと口の中に消えていく木の実たち。「スイーツは飲み物よ~」とでも言えそうだ。
(…はっ!全部食べちゃった‼ヤバイよね!これはマジでヤバイよね‼あぁもう、私のバカ‼)
いつの間にか食べてしまったことに結菜は自分の頭を抱えた。
頭の中はヤバイの言葉のオンパレード。右往左往するヤバイ達。
「あらヤバイさん、ご機嫌いかが?」
「あらあら、あなたはヤバイさんじゃないですか。ところで、聞いてくださいよ。ヤバイんですよ。」
「あらヤバイさん、わたくしのほうがヤバイんですよ?」
「何をおっしゃいます‼わたくしのほうがヤバイんですからね‼」
ヤバイ達が喧嘩する。広がるヤバイの喧嘩。頭の中は完璧にパニックである。
結菜はセーフティゾーン内をうろうろして、自分の失態に焦った。このままでは、この先どうしようもなくなってしまう。
また木の実がすぐに実るのなら話は別だが、何度見ても生えてきそうな様子はない。
結菜はがっくりと肩を落とした。
っとその時、ピコンという軽やかな電子音が頭の中になった。完全にパニックになっていた頭の中のヤバイ達が喧嘩を中止する。
〈eb'i:00 合田結菜(h8_q:) fbyac4c.6_EVq58_2_"ack:.〉
―識別名:00 合田結菜(町民) スキル獲得。宝珠の実との融合を確認。―
は?今の何?スキル獲得?突然のことで理解が追いつかない。ゆっくり今の頭に直接響いた言葉を反復する。スキル獲得、つまり今現在スキルを習得したということだ。
さっきまでは人生詰んだような顔をしていたが、結菜はその天の声(さっきの音声)に希望を抱いた。
(なんかゲームみたい……。ってことはもしかして‼)
ばっと顔を上げて、テンションマックスであの言葉を唱える。
「ステータス、お~ぷん‼」
結菜は、一回は言ってみたいランキング10に入るであろうあのセリフを言ってみた。
何となくあの憧れの画面が出て来るのではないかと瞳を輝かせる。
ゲーム好きの情熱が心に宿ってしまった。……さっきまでパニクっていたとは思えない切り替えの速さである。
ブォン
漫画などでよく見る例のステータス画面が結菜の目の前にうかびあがった。
予想通りである‼
飛び跳ねながら喜ぶ結菜。嬉しすぎて笑いが止まらない。
ダンジョンの中で一人ジャンプしながら笑い続ける少女が一人。異様な光景であった。
結菜は三つある木の実を瞬時に見比べてみた。
一つは黒色の木の実、もう一つは金色の木の実、そして最後の一つは透明の木の実だった。
黒色の木の実は周りの光を全部吸収していた。簡単に説明すると、いわば小さいブラックホールみたいな見た目だった。……あまり手にとりたくないので後回しに…。
すぐに結菜は次の木の実に目線を移す。
金色の木の実は黒色の木の実とは対照的に光り輝いていた。木の実が金色なのではない。完璧な発光体である。小さい太陽とかUFOとか言えそうなレベルで発光しているのだ。
好んで食べようとは思わない……。こんな木の実を食べたら自分自身が発光しそうだ。
(……全身発光した自分………。……髪も発光するのかな?いや、まさか(笑)。つまり頭が発光するわけで……。…はっ!もしかしてハゲるのか⁉ハゲてしまうのか⁉ムリムリムリムリ‼これも後回しに‼)
木の目の前に立って木の実を手にとる前に、そうして考えること約0.00042秒。機械並みの速さである。結菜が一瞬の判断の後に選んだ最後の残りの木の実は透明だった。
透明な木の実は他の木の実と比べてまだ手にとりやすい感じだった。ガラスのように透明度が高く、金色の木の実が発する光を浴びてキラキラ光っているものの、どこか氷砂糖のようである。
手にとるとお菓子のような何とも言えない甘い香りが結菜の鼻腔をくすぐった。
その甘い香りに少しお腹の空いていた結菜は我慢できず、ついついその透明な木の実に手を伸ばしてしまったのである。
今後のダンジョン探索のためにとっておかなければならないことも忘れて一口かじる。
果実とは思えないほどの甘い芳醇な香りが口いっぱいに広がり、甘酸っぱい果汁がジュワリと溢れて来た。
三ツ星のスイーツよりも下手したら美味しいんじゃないだろうか?
甘さのなかに仄かな苦味もあり、いい感じに甘さとマッチングしている。
「何これ‼むっちゃ美味しいんだけど⁉てか普通のスイーツより美味しいんだけど⁉」
あっという間に口の中に消えていく木の実。
物足りなくなった結菜は他の木の実も手にとった。
透明な木の実とはまた違った甘い香りがする。気がつくと木にあった三つの木の実は跡形もなくなくなっていた。
………まるでブラックホールである。口、というか胃袋がブラックホールみたいだ。シュパッシュパッっと口の中に消えていく木の実たち。「スイーツは飲み物よ~」とでも言えそうだ。
(…はっ!全部食べちゃった‼ヤバイよね!これはマジでヤバイよね‼あぁもう、私のバカ‼)
いつの間にか食べてしまったことに結菜は自分の頭を抱えた。
頭の中はヤバイの言葉のオンパレード。右往左往するヤバイ達。
「あらヤバイさん、ご機嫌いかが?」
「あらあら、あなたはヤバイさんじゃないですか。ところで、聞いてくださいよ。ヤバイんですよ。」
「あらヤバイさん、わたくしのほうがヤバイんですよ?」
「何をおっしゃいます‼わたくしのほうがヤバイんですからね‼」
ヤバイ達が喧嘩する。広がるヤバイの喧嘩。頭の中は完璧にパニックである。
結菜はセーフティゾーン内をうろうろして、自分の失態に焦った。このままでは、この先どうしようもなくなってしまう。
また木の実がすぐに実るのなら話は別だが、何度見ても生えてきそうな様子はない。
結菜はがっくりと肩を落とした。
っとその時、ピコンという軽やかな電子音が頭の中になった。完全にパニックになっていた頭の中のヤバイ達が喧嘩を中止する。
〈eb'i:00 合田結菜(h8_q:) fbyac4c.6_EVq58_2_"ack:.〉
―識別名:00 合田結菜(町民) スキル獲得。宝珠の実との融合を確認。―
は?今の何?スキル獲得?突然のことで理解が追いつかない。ゆっくり今の頭に直接響いた言葉を反復する。スキル獲得、つまり今現在スキルを習得したということだ。
さっきまでは人生詰んだような顔をしていたが、結菜はその天の声(さっきの音声)に希望を抱いた。
(なんかゲームみたい……。ってことはもしかして‼)
ばっと顔を上げて、テンションマックスであの言葉を唱える。
「ステータス、お~ぷん‼」
結菜は、一回は言ってみたいランキング10に入るであろうあのセリフを言ってみた。
何となくあの憧れの画面が出て来るのではないかと瞳を輝かせる。
ゲーム好きの情熱が心に宿ってしまった。……さっきまでパニクっていたとは思えない切り替えの速さである。
ブォン
漫画などでよく見る例のステータス画面が結菜の目の前にうかびあがった。
予想通りである‼
飛び跳ねながら喜ぶ結菜。嬉しすぎて笑いが止まらない。
ダンジョンの中で一人ジャンプしながら笑い続ける少女が一人。異様な光景であった。
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