公女は祖国を隣国に売ることに決めました。

彩柚月

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王太子の事情

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それからというもの。ロザリアはしばしば、そういう報告をしてくるようになった。

というか、嫌味にしか思えない。

放課後の寄り道に誘われたので行こうとしたら、帰り時間に衛兵がやってきて強制的に連れ帰られた。そして後から「お断りしておきました。」

夏の避暑地に友人達が行きたいというので許可したら、後から「却下しておきました。」


学院の泊まりがけの課外授業に参加と申請を出したら、「参加はできません。その代わり、私も参加を見合わせます。」

お前が行こうが行くまいがどうでもいい!私が行きたかったのだ!と言っても「無理です」と埒があかない。

だんだん、この女が鼻についてきた。

何故、このようなたかが臣下の女に行動を制限されなければならないのかわからない。

管理部や父上に奏上しても、ロザリアが却下したものは覆ることはなかった。

癒しの時間のはずだったティータイムは、だんだん苦痛の時間になっていった。今日は何を却下されるのかと。

ある日も学友の夜会の招待を受けようとしたのを却下したことを伝えられた日。

「代わりにわたくしが出席しておきますので。」

なんだそれは。私はダメなのにお前は良いのか!

「お前は臣下に過ぎないだろう!私の決断に口を挟むな!」

「その通りではありますが、いずれ妃として隣に立つ立場でもあります。殿下の決断に可否をつけられるのは、わたくしと陛下だけです。」

「それならば、私はお前の決定に否をつけられるはずだな。却下することを却下する!」

「御身は大切であるからこそ、わたくし達が守るのです。殿下が自我を通して夜会に出席なさると、どれほどの騎士が駆り出されるかご存知ですか?どうか、をなさってくださるようお願い申し上げます。」


「うるさい!王家のだの王族のだの、私は楽しんではいけないのか!?」


ロザリアは少しだけ目を見開いたように見えたが、少し悲しそうな表情かおをして、

「心中お察しいたしますが…その道にはわたくしもお供いたします。殿下の心を慰める努力をして参りましょう。」


…少しだけ悪いことを言ってしまったかとも思ったが。

「夜会は諦めてください。」

冷たく言うロザリアへの嫌悪が勝った。

この頃から、ロザリアにキツく当たることが増えていった。私を慰めると言ったのだから、このくらいは構わないだろう。




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