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しおりを挟むそうして、俺たちは8歳の誕生日を迎えた。
「アレン、ほっぺにケーキついてる」
マリーがおかしそうに可愛く笑う。8歳にもなって美しさに磨きがかかっている。
家族だけで誕生日会をし、たくさんプレゼントをもらって幸せな日々を送っていた。 こんなに幸せでいいんだろうか。最高だ。
ある日、マリーにお茶会に誘われた。 テーブルの上には、美味しそうなお菓子と、紅茶が並べあった。
「すごい…。これマリーが作ったの?」
「うん。でもおばあさんに少し手伝ってもらって…」
「偉いぞ。こんな素敵なお菓子を作ってくれてありがとう」
マリーの指には、お菓子作りの時ケガしたであろう絆創膏が貼られていて、努力したんだと感じられた。俺はその手を優しく手に取って感謝の気持ちを伝えた。
「アレンのために…その頑張って」
「嬉しいよ」
俺は、マリーの気持ちが嬉しくて満面の笑みになる。それを見たマリーは顔を真っ赤にし、悶えていたとは俺は知らなかった。
「そこー。ちょっといいですかー」
ハリーが不機嫌な顔をして俺たちの間に割って入ってきた。
「何よ!せっかくアレンと良い雰囲気だったのに!ハリーなんてお茶会に誘わなれば良かったわ」
「うるさい女は嫌われるぞー。ねぇ、アレンそんなことより、あ~ん」
お菓子を手に取り、俺の口に運んでくれようとしているハリー。
「ありがとう。いただくよ」
そのまま口の中に入れた。さすがマリー、美味しいな。高級なお菓子を食べているみたいだ。お店に出せそうなくらい。
「アレン、僕の嫁にきてくれないか?」
ハリーの真剣な表情。これもマリーの気を引くための演技かな?8歳にしてすごいな。
「こら!アレンを口説くなんてあんたには百億年早いのよ!」
また恒例の二人のケンカが始まった。
「二人とも落ち着いて。マリーとても美味しいよ。将来良いお嫁さんになるね」
「本当!?良かった。お、お嫁さんだなんて…アレンったら!恥ずかしいわ」
それを聞いて安心し、照れるマリー。
「ちぇ…。アレンの気を引けるんだったら僕もお菓子作り始めよっかなー」
「あんたには無理よ」
そうして、またケンカをする二人。
相変わらずだなぁ…。
マリーは、以前は包丁すらもったことなかったお嬢様だったのに。俺が何とかして優しい素敵な女の子に成長させ、女子力アップで攻略対象にモテモテになって誰か素敵な人と幸せになってほしい。
それが俺の夢だ。
「アレン、マリーちょっと来なさい」
俺たちは夕食を済んで居間で休んでいると、父親に応接間に呼ばれた。 応接間に着くと、両親が椅子に腰かけていた。 何か重要な要件なんだろうか?
「二人、そこに座りなさい」
言われる通り、両親の目の前の椅子に座った。
「アレン、マリー。二人はもう8歳になった。近々パーティーが開かれることになっていて二人もそこに初めて参加することになった」
所謂、お披露目会的な感じのパーティーか。
パーティーには色んな貴族や富豪が集まり、その子供である俺たちは、顔合わせということで参加する。
小さい頃から仲良くさせることで将来良い関係を築いていくことが目的なんだろう。
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