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しおりを挟むそして、夜。みんなが寝静まったころ。
「…アレン、寝れないの」
枕を抱いて俺のベッドに来たマリー。現在お互い同じ部屋だがベッドは別々。 マリーは怖がり屋さんであり、こうやって俺の元にやってくる。
「怖い夢でも見たのか?」
「うん。アレンがだれかにうばわれるゆめ」
「そ、そっか」
あー、待て待て。俺の妹が可愛過ぎて困っています。一瞬動揺してしまった。5歳であるが中身は思春期真っただ中の男子であったため、いくら、ロリでもこんな可愛いこと言われたら鼻血ものですわ。
俺はマリー分のスペースをあけ、マリーは俺の枕と隣に自分の枕を並べ、布団の中に入ってきた。
「アレンのにおい…、おちつく」
「おやすみ、マリー」
落ち着かすように、額にキスを落とした。そうすると、マリーはよく眠る。 そして、背中を向けている俺に後ろからマリーは抱き着いてきた。俺は、心の中で『我は仏なり』と唱えて己の邪気を払った。
そうして、暮らしているうちにまた新キャラが現れた。そいつは、俺たちの親戚の兄ちゃん。年齢は多分20歳くらいだったかも。このキャラもゲームの中では出てこなかった。幼少期からスタートすることでいろんな奴が見れて楽しいがこの親戚の兄ちゃんだけは受け付けない。
その理由は…あれだ。
「マリー、前よりも色っぽくなったね」
「え、そうかしら?」
「うん。将来が心配だな~」
俺が思うにこの親戚オスカー・クロスはマリーを変な目で見ている。むかつくことにいつも俺の方を見て、勝ち誇ったかのようにニヤニヤするのはやめてほしい。大人げないぞ。こんな変態にマリーを任せられない。
「マリー、そろそろ。おばあさんが来る頃だよ」
「もうこんなじかん?おしえてくれてありがとう。はやくいかなきゃ!またあとでねアレン」
マリーは嬉しそうに部屋から出ていった。 おばあさんは、マリーにお菓子作りを教えているため、マリーはいつもそれを楽しみにしていた。
「アレンも元気そうで何よりだよ」
と、マリーのついでのように、俺まで頭を撫でようとするのでその手を払った。
「触るな」
「相変わらず、アレンは厳しいね。お兄ちゃん悲しい」
「マリーに近づくな」
「…へぇ。なんで?」
完全舐められている。拳を作り、そのまま殴ろうとしたが5歳の力だ。すぐに止められた。
「そんなに好きなの?妬けるね。でも暴力はだめだよ。あぁもう少し、仲良くなってからだと考えていたけど…、悪い子にはお仕置きしないとね」
「な、何言ってんの…」
「ふふ、可愛い。いつもは鋭い目つきで俺のこと睨んでいるのにこんなに震えちゃって…」
舌なめずりをして、俺を抱きしめた。
「やっと、アレンにこうやって触れられた。しかも二人きりとか最高」
鼻息を荒くして気持ち悪い。なにこれ。どうなってんの。危ない奴だとは思っていたけど、いくら俺とマリーが双子で似ているからってやばいぞ。
「お前はマリーしか見ていない。でも俺がマリーといると俺を見てくれるじゃん?それがもうゾクゾクしてたまらなかった」
自分の危機を感じ、前の世界で習った痴漢撃退法をかました。それは男の大事のところを思いっきりけること。
痛がっている間に、俺は部屋から抜け出してすぐに両親のところまで逃げ出した。
普段泣かない俺が泣きマネをして両親に伝えると、国の一大事かのようにクロス家と縁を切った。そして、二度と俺たちに近づけないようにしてくれた。
マリーも泣いている俺を見て、ものすごく心配してくれた。
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