超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ

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何が起きるかわからないため、念のため一歩後ろに下がって身構えた。エイデンに限ってそんな酷いことはしないと思うが一応な。まだ消えたくない。



「その…最近話しかけてくれないなって思って…勝手についてきてしまってごめんね」



ど、どういうことですか。身構えた体がゆるむ。仮にも極悪非道でいじめてたやつだよ。話しかけられなくて逆に平穏じゃないの。なぜ俺なんかについてきた?しかもあの周りにいた人たちどうやって巻いてきたのと、聞きたいことは山ほどある。

エイデンを見るとどこか寂しそうな顔をしている。突然のことでどういう反応したらいいかわからないがここはとりあえずいつものように悪役を貫くことにした。



「お、俺様がなんでお前なんかと話さないといけねぇんだ!誰かさんと違って忙しいの」


魔力が増える方法をもっと学ばないといけないし、今のままでは魔法なんか到底使えない。

F-10の俺に規格外のSSS-100のエイデン。天と地の差があるにも程がある。君のライバルになるためには頑張らないといけないことは確かだ。




「忙しいのは十分知っているんだ。できれば一緒に本が読みたくて」


俺と本が読みたいだって!?何を言ってるんだ、エイデン!そんなことしなくたって君は生きてるだけで天才なんだよ…!これ以上すごくなるおつもりですか、さすがです。拍手。



「も、もしかして馬鹿にしてる?あーいいですよねみんなにチヤホヤされてる人は。俺より自分の方が忙しいんじゃない?何自慢しにきたわけ?」


内心、全くこの口は嫌味しか言えないのかと自分に突っ込んだ。



「馬鹿になんてするわけないだろう!待って誤解だ。ルアンのこと尊敬しているくらいなんだ。だからもっと話がしたいと思った」



何処にも行かないように両手を握られる。嘘偽りない真剣な目。主人公の迫力すごい…。間近で見れるなんて後でどこで支払いに行けばいいんですか。


て、いかんいかん!そんなことを考えている時間ではない。しかも俺を尊敬ってそんな要素あった?悲しいけど人違いだと思う。



「お前だって知ってるだろ?俺が魔力F-10ってこと!そうだよ落ちこぼれだよ。悪い?それなのに尊敬って意味わからないぞ!信じられない」




「落ちこぼれなんてそんなことない!本を読んだり密かに訓練してたり、人一倍努力してるの知ってる」




「え…」


「ずっと見てた、ルアンのこと」



自分の耳を疑った。俺を見てた…?

なんでそんなこと平気に言えるんですか。そんなこと言われちゃうとちょっと今にも倒れそうなんですが。イケメン怖い、誰か助けて。



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