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しおりを挟む終始固まるがそんな助けを求めても今は俺とエイデンだけしかいない。とりあえず握られている手を振り解き、距離を空ける。
「ど、努力することは当然のことだ!あとずっと見てたとか嘘つくなよ。いいか?俺はお前より強くなるからな。じゃあな」
「ま、待って!」
エイデンのことを無視してそのまま図書館に入り、魔力についての本を探すことにした。取り乱してはだめだ。落ち着け落ち着け。エイデンには申し訳ないことをしたが俺といるよりマシだろう。
気を取り直して手当たり次第、魔力に関する本を取って適当に空いているところに座った。
「何読んでるの?」
「わっ!」
何事もなかったかのように話しかけてきたエイデン。え?何いつの間に横に座ってんの。驚き過ぎて大きな声出しちゃったじゃん。
「び、びっくりさせるな!」
心臓飛び出るかと思ったぜ。さっき突き放したのに、エイデンさんメンタル強くないですか。
「ごめんね。どうしても気になって」
「敵に教えるわけないだろ!あと本に集中したいから一人でいたいのに邪魔するなよ。それに言っておくけど俺はお前と関わりたくないの!」
ここはきっぱり言わないと伝わらないかもしれない。
「敵だなんて悲しいこと言わないで。俺はルアンと関わりたい。なぜ俺のことそんなに嫌っているんだい?直すから知りたい」
「うっ…、」
突き離してもエイデンは食い下がる。引き下がりたい俺の気持ちなんて知らないだろうな。どうしたらいいものか。何で嫌味が通じないんだ。
そうだ、悲しいが嫌われることをしよう。エイデンの地雷を踏むことができれば俺なんてポイっだ。
「き、嫌いな理由なんていっぱいあるぞ!」
「教えてよ」
お、おぅ、知りたいなんて強いな。
「へ、平民のくせに、俺より魔力があって…、背が高くて、俺の次に顔が良くて…」
ちょ、ちょっと待てーい。褒め言葉言ってどうする!つい正直に本音を言うなんて不覚だ。もう黙ります。
エイデンを見ると少し照れていた。おい嬉しがるなよ。
「じゃあ、俺はルアンの好きなところを言うね」
「おいおい、なぜそうなる」
そんな流れ求めてないぞ。無理しなくていいし、気を使わせているかもしれない。
「ルアンと仲良くなりたいから」
「そ、そんなに俺と関わりたいならいいだろう。…下僕なんてどうだ?」
にやりと悪役面をして見る。我ながら最低な案だと思う。下僕はさすがに嫌だろう。俺なんかと関わってもロクなことないし、あの面白かったアニメが俺のせいで今後台無しになってしまうかもしれない。制作人たちの苦労をたとえ現実ではなくても無駄にはしたくない。
「…いいの?」
「いや、嘘だろ」
なぜ喜ぶ。さすがに引くぞ。想像を超えるの何回目だよ。
「嘘じゃないよ。ルアンと関われるなら今はそれでもいい」
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