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俺様会長
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しおりを挟む【あおいside】
鈴木さんがまさか会長さんだったんなんて気づかなかった…。
…ど、どうしよう怖い。恐怖心がおさえきれないし…掃除だって僕がのろのろしてたから手伝わせてしまった。
会長さんは、僕の顔なんか見たくなかったはずだ。なのに、どうしよう…。
僕、浮かれてた…。最初っから考えてみればわかることじゃないか。
誰も僕に近づいたり親しくなりたいとか思う人なんていないのに。
あのまま、どうすることもできず、本を借りずにそのまま図書館を飛び出してきた。
きっと、仲良くできるはずだとか心のどこかで考えていた。僕なんかがそんなこと考えていいほど偉い人間じゃないのに。
ど、どうしよう…また泣いちゃう…。これだから自分は嫌いだ。勢いで走って下をむいて前を見ていなかったせいか
ゴツンッー
「ッ!わぁ、」
誰かにぶつかってしまった。でも柔らかく優しく受け止めてくれた。
「…あれ、あおい?大丈夫、どうしたの?」
聞きなれた優しい声。
「ゆ、ゆう?あ…、ご、ごめんねぶつかって…けがしてない?」
ぶつかった相手はゆうだった。ゆうにまで迷惑をかけちゃった。
「してないよ。それよりあおいどうしたの?泣きそうな顔してなんかあった?」
「う、ううん…!何もないよ…わっゆ、ゆう?」
ぎゅっと抱きしめられた。
「嘘はだめだよ。こんなに震えてるじゃん」
「……っ」
ゆうには何でもわかってしまうのかな。
「何があったかは今は聞かない。けど、あおいが辛そうだったら俺も辛いよ…」
「ゆ、ゆう…」
僕はまたゆうの優しさに甘えてしまった。それからゆうは僕に何があったのか何も聞かなかった。それがゆうの優しさ。
僕の隣でいて、いつも頼りになるゆう。僕の不安な思いを和らいでくれる。
僕はだめな人間だからもっと強くなりたい…。
そしたら、普通に皆と過ごせるのかな…。
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