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【第一部】
5、私が害悪女です
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「慧、次の練習曲どうする?」
「何でもいいんじゃないですか」
「ねね、このあとヒマ? 一花《いちか》でも誘って、ご飯食べに行かない?」
「バイトあるんで」
そのあともサークル中に何度も何度も慧に話しかけたんだけど、あえなく撃沈。全部冷たくかわされちゃったし、目も合わせてくれない。
もうどうするのコレ。
「のん、慧と何かあった? 今日の慧、変じゃなかった?」
サークルが終わった後ソッコーで帰っていった慧を見送り、部室でため息をついていると、一花から声をかけられる。
「いちかぁ~。時間ある? 学食行かない?」
天の助け!と言わんばかりに一花に抱きつく。いきなり抱きついてきた私に軽く引きながらも、一花も一緒に学食に行ってくれることになった。
*
「は? それじゃ、慧としたってこと!?」
学食で夕ごはんを食べながら一花に昨夜のことを話すと、一花は予想以上に驚いてくれた。
「ちょっと、声大きいってば」
しーっと唇に人差し指を当てると、一花も辺りを見回して声をひそめる。
「なんでそうなるかなぁ。これ以上同じサークルの男に手を出すなって、あれほど言ったのに」
一花は箸を置き、大げさにため息をつく。
まつ毛バシバシの派手なメイクに露出の多い服、限界まで色を抜いた金髪。一年の時に初めて一花と会った時は、私とはタイプ違うし、絶対にこの子と仲良くなることはないなって思ってたな。
でも話してみたら意外と気が合って、いつのまにか親友と呼べるくらいの仲になっていたんだ。めちゃめちゃいい子で、いつも自分のことみたいに私の心配をしてくれる。
「ごめんね。つい流れで♡」
「はぁ、もう……。そんなんだから、名人なんて呼ばれるんだよ?」
てへ♡と愛想笑いを浮かべると、またまた呆れたようにため息をつかれてしまった。
「だよね~」
「本当に分かってるの? アンタと色々あったせいで、何人もサークル辞めてるからね。ゆっきー先輩、学、それから恩田先輩……」
一花は新しい順にサークル内での私の男性遍歴を指折り数えていったけど、恩田先輩の名前が出た途端に顔を曇らせた私を見て、ハッとしたように口をつぐむ。
もう恩田先輩と別れてから半年以上は過ぎてるのに、やっぱり恩田先輩の名前を聞くと今も辛いな。忘れなきゃいけないのにね。
「……ごめん」
「ううん、気にしないで。私もいい加減慣れなくちゃいけないから」
気まずそうな顔で謝ってくれた一花にブンブンと首を横に振ると、一花は辛そうに唇を噛み締める。
やだな、一花まで辛そうな顔しないでよ。
私まで切ない気持ちになっちゃうじゃん。
「でもさぁ、言うほど私のせい? 恩田先輩は四年生で卒業したからだし、学は元々バイトとサークルの両立が厳しいって言ってたでしょ。ゆっきー先輩は……、私のせいかな?」
気まずくなってしまった空気をどうにかするために無理に話を続けると、一花は神妙な表情を浮かべた。
「過去のことは仕方ないよ。慧とのこともね。アンタが無理矢理襲ったんじゃなければ、慧も乗り気だったんだろうし。そのあとの対応が良くないよね。誠意のかけらもない」
「そうそう、怒らせちゃったみたいなんだよね」
「当たり前でしょ。のんさぁ、控えめに言ってゴミだよ」
「ゴミかな?」
「逆の立場だったらって考えてみてよ」
「逆の立場?」
「そう。もしのんが処女で、初めてヤッた男に同じこと言われたらどう思う?」
もし、私が処女だったら……?
畳みかけるように言われた一花の言葉を受け、妄想してみる。
自分は処女で、初めての時を大事にしてたんだけど、なんとなくそういう雰囲気になって、誰かとえっちしてしまう。でもそんなに悪くなくて、付き合ってもいいかなと思ったとして。
(私たち、付き合う?)
(は? 一回ヤッたぐらいで何言ってんの? 俺たち、そんな関係じゃないじゃん)
(え、でも……)
(事故みたいなもんだし、ノーカンで良くね? 次の男とヤッた時に処女のフリでもしとけばいいだろ)
うわ、ヤバ。ナイわ。
最低なヤリ逃げ男(女)じゃん。
「最悪、っていうか、もはや害悪?」
妄想終了した後にそうつぶやくと、一花はうんうんと大きく頷く。
「そう、それ。良かった、気づいてくれて。お願いだからちゃんとしてよ、のん。あんまりひどいと親友やめたくなるから」
「あ~んいちかぁ~。そんなこと言わないでよぉ~。一花に見捨てられたら、私はどうやって生きていけばいいの~」
テーブルに身を乗り出して一花にすがりつくと、面倒くさそうに振り払われてしまった。ひどい。
「知らん知らん。自立しろ」
「ひどっ。一花がいないと生きていけないのに~」
「バカなこと言ってないで、とにかくアンタは慧のことをなんとかしなよ」
「慧ね~……。あ、でもさ、慧も私が名人って言われてることとか噂とか知ってるんじゃない?」
「どうだろ、知ってるかもしれないけど……」
「だったら、そういう女なんだって慧も分かってるんじゃない?」
純真だと思ってたのに遊んでたらショックだけど、最初からそうじゃないって分かってたならそこまでショックも受けないはずだよね? と思ったんだけど、一花には信じられないものでも見るような目で見られてしまう。
あれ? また何かまずいこと言った?
「は? どっちにしても、付き合いたいって言われたんでしょ?」
「付き合いたいとは言われてないけど、まあ似たようなことは言われたよね」
「それなら、ちゃんと慧と話さなきゃ」
「ん~」
「慧と付き合うにしても、付き合わないにしても、誠意を持って話すの。分かった?のん」
「……分かった。慧と話してみるよ」
さっきの感じだと完全にシャットアウトされてたけど、慧話してくれるかな?
あんまり気が進まないけど、一花に親友やめられるのは困る。そんなわけで、慧とちゃんと話すと約束させられてしまった。
「何でもいいんじゃないですか」
「ねね、このあとヒマ? 一花《いちか》でも誘って、ご飯食べに行かない?」
「バイトあるんで」
そのあともサークル中に何度も何度も慧に話しかけたんだけど、あえなく撃沈。全部冷たくかわされちゃったし、目も合わせてくれない。
もうどうするのコレ。
「のん、慧と何かあった? 今日の慧、変じゃなかった?」
サークルが終わった後ソッコーで帰っていった慧を見送り、部室でため息をついていると、一花から声をかけられる。
「いちかぁ~。時間ある? 学食行かない?」
天の助け!と言わんばかりに一花に抱きつく。いきなり抱きついてきた私に軽く引きながらも、一花も一緒に学食に行ってくれることになった。
*
「は? それじゃ、慧としたってこと!?」
学食で夕ごはんを食べながら一花に昨夜のことを話すと、一花は予想以上に驚いてくれた。
「ちょっと、声大きいってば」
しーっと唇に人差し指を当てると、一花も辺りを見回して声をひそめる。
「なんでそうなるかなぁ。これ以上同じサークルの男に手を出すなって、あれほど言ったのに」
一花は箸を置き、大げさにため息をつく。
まつ毛バシバシの派手なメイクに露出の多い服、限界まで色を抜いた金髪。一年の時に初めて一花と会った時は、私とはタイプ違うし、絶対にこの子と仲良くなることはないなって思ってたな。
でも話してみたら意外と気が合って、いつのまにか親友と呼べるくらいの仲になっていたんだ。めちゃめちゃいい子で、いつも自分のことみたいに私の心配をしてくれる。
「ごめんね。つい流れで♡」
「はぁ、もう……。そんなんだから、名人なんて呼ばれるんだよ?」
てへ♡と愛想笑いを浮かべると、またまた呆れたようにため息をつかれてしまった。
「だよね~」
「本当に分かってるの? アンタと色々あったせいで、何人もサークル辞めてるからね。ゆっきー先輩、学、それから恩田先輩……」
一花は新しい順にサークル内での私の男性遍歴を指折り数えていったけど、恩田先輩の名前が出た途端に顔を曇らせた私を見て、ハッとしたように口をつぐむ。
もう恩田先輩と別れてから半年以上は過ぎてるのに、やっぱり恩田先輩の名前を聞くと今も辛いな。忘れなきゃいけないのにね。
「……ごめん」
「ううん、気にしないで。私もいい加減慣れなくちゃいけないから」
気まずそうな顔で謝ってくれた一花にブンブンと首を横に振ると、一花は辛そうに唇を噛み締める。
やだな、一花まで辛そうな顔しないでよ。
私まで切ない気持ちになっちゃうじゃん。
「でもさぁ、言うほど私のせい? 恩田先輩は四年生で卒業したからだし、学は元々バイトとサークルの両立が厳しいって言ってたでしょ。ゆっきー先輩は……、私のせいかな?」
気まずくなってしまった空気をどうにかするために無理に話を続けると、一花は神妙な表情を浮かべた。
「過去のことは仕方ないよ。慧とのこともね。アンタが無理矢理襲ったんじゃなければ、慧も乗り気だったんだろうし。そのあとの対応が良くないよね。誠意のかけらもない」
「そうそう、怒らせちゃったみたいなんだよね」
「当たり前でしょ。のんさぁ、控えめに言ってゴミだよ」
「ゴミかな?」
「逆の立場だったらって考えてみてよ」
「逆の立場?」
「そう。もしのんが処女で、初めてヤッた男に同じこと言われたらどう思う?」
もし、私が処女だったら……?
畳みかけるように言われた一花の言葉を受け、妄想してみる。
自分は処女で、初めての時を大事にしてたんだけど、なんとなくそういう雰囲気になって、誰かとえっちしてしまう。でもそんなに悪くなくて、付き合ってもいいかなと思ったとして。
(私たち、付き合う?)
(は? 一回ヤッたぐらいで何言ってんの? 俺たち、そんな関係じゃないじゃん)
(え、でも……)
(事故みたいなもんだし、ノーカンで良くね? 次の男とヤッた時に処女のフリでもしとけばいいだろ)
うわ、ヤバ。ナイわ。
最低なヤリ逃げ男(女)じゃん。
「最悪、っていうか、もはや害悪?」
妄想終了した後にそうつぶやくと、一花はうんうんと大きく頷く。
「そう、それ。良かった、気づいてくれて。お願いだからちゃんとしてよ、のん。あんまりひどいと親友やめたくなるから」
「あ~んいちかぁ~。そんなこと言わないでよぉ~。一花に見捨てられたら、私はどうやって生きていけばいいの~」
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「知らん知らん。自立しろ」
「ひどっ。一花がいないと生きていけないのに~」
「バカなこと言ってないで、とにかくアンタは慧のことをなんとかしなよ」
「慧ね~……。あ、でもさ、慧も私が名人って言われてることとか噂とか知ってるんじゃない?」
「どうだろ、知ってるかもしれないけど……」
「だったら、そういう女なんだって慧も分かってるんじゃない?」
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「それなら、ちゃんと慧と話さなきゃ」
「ん~」
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「……分かった。慧と話してみるよ」
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