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カマキレそう
5 薬と謎の麗人
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◇
この会合の目的は、土羅ェ門の死の真相に迫ることと、野火家の内情を明らかにし、真犯人を突き止めることにあった。
会合の場所は、外部の目を気にせず話ができる、サンドラの知人が経営する隠れ家的なカフェに設定された。マサとサンドラは、参加者全員が揃うのを静かに待った。そして、時間になると、土羅ェ門の息子たち(源、骨、剛)、デキ・スギ、ノビータ、そしてJ・Kが次々とカフェに姿を現した。
マサは深呼吸をし、部屋に集まった全員の目を見回した。空気は緊張でピンと張り詰めていた。
「みんな、集まってくれてありがとね。今日わね、土羅ェ門さんのご逝去の真相を、みんなでちゃんと話し合いましょうってことよ」
サンドラが話を引き継いだ。
「ほら、私たちオカマ界隈でね、あるいくつかのウワサがあるの。それがこの事件と何かしらリンクしてるかもしれないって思ってるのよ」
部屋の雰囲気はますます緊迫したものになっていった。マサとサンドラは、それぞれが持つオカマ界隈の豊かな情報網を駆使して、この謎めいた事件の解明に挑んでいた。
「ところで、源さん。"引き出しの中のタイムマシン"っていうフィリピンオカマバーを知ってる?」
とサンドラが唐突に源に質問した。
「いや...」
「このバーで知り合った人物が、後に玉の輿に乗るという驚くべき出来事があったの」
サンドラが続けて、
「そして、その界隈で少し前、"男装の麗人"が現れたって噂があるの。誰もがその美しさに魅了されてね。それが一体誰なのか、誰も知らないまま時間が過ぎていったの。だけど、最近になってその麗人が薬局でバイアグラを買っていたって話が出てきたのよ」
部屋には驚きの声が上がる。
「そいつが親父である土羅ェ門にバイアグラを渡したって言うのか」
息子の一人、骨が言うと、続けて剛がJ・Kに目を向けた
「しかし、そんな麗人...J・Kではないな」
J・Kは少し太めのオカマ。残されたのは...
部屋の緊張が一層高まった瞬間だった。マサとサンドラが、堂々と
「その麗人はデキ・スギよ」
と宣言した。その瞬間、部屋の中は静寂に包まれた。
「なにを根拠にそんなことを言っているのですか?w」
マサもサンドラも、余裕たっぷりに振る舞うデキ・スギに向けて証拠を提示し始めた。サンドラが口を開く。
「まず、あの目撃情報。ある夜に、まるで時を超えたかのような美しい男装の麗人いたという話があるわ。その美しさで多くの人々を惹きつけていたって。それがね、"引き出しの中のタイムマシン"で、デキ・スギさんの写真を見せたら、みんな似てるって言ってたの」
マサが続ける。
「そして、その後、24時間営業の薬局でのバイアグラ購入。なぜその薬を必要としていたのかは、別として、それがこの一連の出来事と無関係だとは思えない。特に、そのお店の防犯カメラの映像を見ると、"男装の麗人"がデキ・スギさんに似ていたの」
デキ・スギは一瞬言葉を失いつつも、やがて深呼吸を一つして答えた。
「あなたたちの調査は確かに徹底している。しかし、全て誤解だ」
彼は語り始める。
「確かに私はその界隈で、身バレしないように、何度か特別な装いをして、薬局でバイアグラを購入した。だけど、私がバイアグラを購入したのは、ある友人が自尊心に関する問題を抱えており、それを支えるためだったんだ」
部屋の中の空気が、再び緊張に満ちた。
「調べたらね。デキ・スギさんが買ったバイアグラと土羅ェ門が使っていたバイアグラが一致していたの。それにこのバイアグラね...その界隈でも評判の高い外国製のバイアグラで普通では買えない強力なものなの。ここに現物があるわ」
マサの指摘により、デキ・スギが購入したバイアグラと土羅ェ門が使っていたバイアグラが同じものであることが確認されると、一同の視線がデキ・スギに集中した。
デキ・スギはまるで言葉を失ったかのようにしばらく沈黙していたが、やがて深く息を吐き、語り始めた。
「そうだ、私がそのバイアグラを購入し、土羅ェ門に渡した。だが、私には土羅ェ門を害する意図はなかった。彼がその力を必要としていると言っていたからだ」
サンドラが新たな話を切り出すと、場の雰囲気は変わった。J・Kが使っていた美白効果のある塗り薬を持ち出し、それがデキ・スギからもらったものであること、そして、sGC刺激剤である経口服用の「アデムパス錠の粉末」が混入されていたことを明らかにした。
「バイアグラとsGC刺激剤の組み合わせは危険よ」とサンドラが断言すると、源が
「それと何が関係あるんだ」と聞いた。
マサが深刻な表情で語り始める。
「土羅ェ門は、J・Kに対して不適切な行動をとっていたの。その行動はね...J・Kの肌に触れて、それを指で舐めるの。その状態で、バイアグラを服用して、何らかの反応を示したのかもしれない。それが土羅ェ門の体調に影響を与えた可能性があるの」
この推理に、一同はさらに混乱した。デキ・スギはこの情報に顔を青ざめさせながらも、
「そんな、そんなことする動機なんて私にはないだろう」とデキ・スギは主張した。
明らかにデキ・スギは動揺していた。その様子をじっと見つめるサンドラは言った。
「もう、デキ・スギなんて偽名はやめなさい。シズカ」
この会合の目的は、土羅ェ門の死の真相に迫ることと、野火家の内情を明らかにし、真犯人を突き止めることにあった。
会合の場所は、外部の目を気にせず話ができる、サンドラの知人が経営する隠れ家的なカフェに設定された。マサとサンドラは、参加者全員が揃うのを静かに待った。そして、時間になると、土羅ェ門の息子たち(源、骨、剛)、デキ・スギ、ノビータ、そしてJ・Kが次々とカフェに姿を現した。
マサは深呼吸をし、部屋に集まった全員の目を見回した。空気は緊張でピンと張り詰めていた。
「みんな、集まってくれてありがとね。今日わね、土羅ェ門さんのご逝去の真相を、みんなでちゃんと話し合いましょうってことよ」
サンドラが話を引き継いだ。
「ほら、私たちオカマ界隈でね、あるいくつかのウワサがあるの。それがこの事件と何かしらリンクしてるかもしれないって思ってるのよ」
部屋の雰囲気はますます緊迫したものになっていった。マサとサンドラは、それぞれが持つオカマ界隈の豊かな情報網を駆使して、この謎めいた事件の解明に挑んでいた。
「ところで、源さん。"引き出しの中のタイムマシン"っていうフィリピンオカマバーを知ってる?」
とサンドラが唐突に源に質問した。
「いや...」
「このバーで知り合った人物が、後に玉の輿に乗るという驚くべき出来事があったの」
サンドラが続けて、
「そして、その界隈で少し前、"男装の麗人"が現れたって噂があるの。誰もがその美しさに魅了されてね。それが一体誰なのか、誰も知らないまま時間が過ぎていったの。だけど、最近になってその麗人が薬局でバイアグラを買っていたって話が出てきたのよ」
部屋には驚きの声が上がる。
「そいつが親父である土羅ェ門にバイアグラを渡したって言うのか」
息子の一人、骨が言うと、続けて剛がJ・Kに目を向けた
「しかし、そんな麗人...J・Kではないな」
J・Kは少し太めのオカマ。残されたのは...
部屋の緊張が一層高まった瞬間だった。マサとサンドラが、堂々と
「その麗人はデキ・スギよ」
と宣言した。その瞬間、部屋の中は静寂に包まれた。
「なにを根拠にそんなことを言っているのですか?w」
マサもサンドラも、余裕たっぷりに振る舞うデキ・スギに向けて証拠を提示し始めた。サンドラが口を開く。
「まず、あの目撃情報。ある夜に、まるで時を超えたかのような美しい男装の麗人いたという話があるわ。その美しさで多くの人々を惹きつけていたって。それがね、"引き出しの中のタイムマシン"で、デキ・スギさんの写真を見せたら、みんな似てるって言ってたの」
マサが続ける。
「そして、その後、24時間営業の薬局でのバイアグラ購入。なぜその薬を必要としていたのかは、別として、それがこの一連の出来事と無関係だとは思えない。特に、そのお店の防犯カメラの映像を見ると、"男装の麗人"がデキ・スギさんに似ていたの」
デキ・スギは一瞬言葉を失いつつも、やがて深呼吸を一つして答えた。
「あなたたちの調査は確かに徹底している。しかし、全て誤解だ」
彼は語り始める。
「確かに私はその界隈で、身バレしないように、何度か特別な装いをして、薬局でバイアグラを購入した。だけど、私がバイアグラを購入したのは、ある友人が自尊心に関する問題を抱えており、それを支えるためだったんだ」
部屋の中の空気が、再び緊張に満ちた。
「調べたらね。デキ・スギさんが買ったバイアグラと土羅ェ門が使っていたバイアグラが一致していたの。それにこのバイアグラね...その界隈でも評判の高い外国製のバイアグラで普通では買えない強力なものなの。ここに現物があるわ」
マサの指摘により、デキ・スギが購入したバイアグラと土羅ェ門が使っていたバイアグラが同じものであることが確認されると、一同の視線がデキ・スギに集中した。
デキ・スギはまるで言葉を失ったかのようにしばらく沈黙していたが、やがて深く息を吐き、語り始めた。
「そうだ、私がそのバイアグラを購入し、土羅ェ門に渡した。だが、私には土羅ェ門を害する意図はなかった。彼がその力を必要としていると言っていたからだ」
サンドラが新たな話を切り出すと、場の雰囲気は変わった。J・Kが使っていた美白効果のある塗り薬を持ち出し、それがデキ・スギからもらったものであること、そして、sGC刺激剤である経口服用の「アデムパス錠の粉末」が混入されていたことを明らかにした。
「バイアグラとsGC刺激剤の組み合わせは危険よ」とサンドラが断言すると、源が
「それと何が関係あるんだ」と聞いた。
マサが深刻な表情で語り始める。
「土羅ェ門は、J・Kに対して不適切な行動をとっていたの。その行動はね...J・Kの肌に触れて、それを指で舐めるの。その状態で、バイアグラを服用して、何らかの反応を示したのかもしれない。それが土羅ェ門の体調に影響を与えた可能性があるの」
この推理に、一同はさらに混乱した。デキ・スギはこの情報に顔を青ざめさせながらも、
「そんな、そんなことする動機なんて私にはないだろう」とデキ・スギは主張した。
明らかにデキ・スギは動揺していた。その様子をじっと見つめるサンドラは言った。
「もう、デキ・スギなんて偽名はやめなさい。シズカ」
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