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第215話 予想だにしない助け船
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「それで――その助け船というのは、ケイが正月に手伝いに行った現場の責任者と、その技術者達さ」
「え!」
佐野は信じられないという面もちでユキを見る。
あの現場責任者のつっけんどんな態度や技術者達からの、あからさまなよそ者扱いからは想像もできないからだ。
最初から最後まで村八分だったうえに、ほぼ徹夜の突貫工事。
普通なら、そこまで苦楽をともにすれば多少なりとも態度も軟化して、作業が終わる頃には笑顔で会話などを交わす――というものだが、そんなことは全くなかったからだ。
「すみません。何かの間違いではないでしょうか」
佐野は、おずおずと言う。
「失礼とは存じますが、あの現場の方々の対応たるや、それはもう……」
作業のコツなどは教えてくれたものの、最悪であった。
「いや、間違いではない。というか、ケイの、その反応は正しい。俺だって現場責任者の話を聞いた時は耳を疑った。もちろん、いい意味でな」
「いい意味?」
ますます訳が分からない。佐野の脳裏に現場責任者の仏頂面が去来して、謎は深まるばかりである。
「あの人達――つまり、現場責任者と技術者達だが、あれは全部、演技だったんだ」
「……!」
ユキのその言葉に、佐野はあっけにとられる。
「え!」
佐野は信じられないという面もちでユキを見る。
あの現場責任者のつっけんどんな態度や技術者達からの、あからさまなよそ者扱いからは想像もできないからだ。
最初から最後まで村八分だったうえに、ほぼ徹夜の突貫工事。
普通なら、そこまで苦楽をともにすれば多少なりとも態度も軟化して、作業が終わる頃には笑顔で会話などを交わす――というものだが、そんなことは全くなかったからだ。
「すみません。何かの間違いではないでしょうか」
佐野は、おずおずと言う。
「失礼とは存じますが、あの現場の方々の対応たるや、それはもう……」
作業のコツなどは教えてくれたものの、最悪であった。
「いや、間違いではない。というか、ケイの、その反応は正しい。俺だって現場責任者の話を聞いた時は耳を疑った。もちろん、いい意味でな」
「いい意味?」
ますます訳が分からない。佐野の脳裏に現場責任者の仏頂面が去来して、謎は深まるばかりである。
「あの人達――つまり、現場責任者と技術者達だが、あれは全部、演技だったんだ」
「……!」
ユキのその言葉に、佐野はあっけにとられる。
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