魔法戦士ギン

burazu

文字の大きさ
上 下
176 / 207

暗殺兵

しおりを挟む
 スップへの進軍中にフィファーナ将軍の部隊は突如砦より竜巻の魔法が放たれ、竜巻に巻き込まれ戦力が減った瞬間に砦よりエイム達が現れ、激突の時が迫ろうとしていた。

「先程の魔法、やはりそちらであったか、じゃがスップを離れるとは思い切ったことをするのお、我らがここ以外の進軍ルートを使えばスップなど簡単におちるぞ」

 フィファーナはエイム達がスップを離れたことを無謀だと言い放つが、ムルカより言葉を返される。

「それはない、貴殿らがこのルートを使用することはすでに分かっておったからな」
「何じゃと⁉」

 補足としてヨナが説明を続けた。

「あんたらの動きをあたしの部下に調べさせていたんだよ。この砦は建物も被害を受けてるし、兵士も疲弊している。その情報をあんたらの部下が得ていた。どういうことか分かるかい?」
「斥候が得た情報をそちらが逆利用したというわけか」

 ヨナの部下は、フィファーナの斥候らしき者の動きを掴み、砦の被害と兵士の疲弊から戦闘になっても大した被害を受けずにスップへとたどり着ける、そうフィファーナが判断するとふみ、ムルカとルルーがこの作戦を考えつき、更にルルーがフィファーナに対して言い放つ。

「きっとあなたなら選択を誤ることはない、だから私達はここで迎撃すると決めたの」
「ふっふっふっ、まんまとそちらの思うがままに動かされていたわけか、じゃがそれでいい気になるなよ。そちらさえ葬ればプレツなど敵ではないわ」

 フィファーナの言葉にブライアンが返答をする。

「じゃあ、おしゃべりはここまでだ、いくぞ!」
「望むところじゃ!」

 そう言って、ブライアンは斧を取り出し、フィファーナは鉄製の扇を取り出す。

 そしてフィファーナを守るように兵士達が展開していく。兵士の中には暗殺に長けた者もいるようだ。

「ムルカ様」
「うむ、以前戦った暗殺の得意者もいるようだ」

 暗殺に長けた兵士がいる事実に気付いたムルカがブライアンに呼びかける。

「ブライアン殿、敵には暗殺の得意者がおる。私も死角をカバーするぞ」
「ありがてえがエイムやルルー達はどうすんだ?」

 ブライアンの疑問にルルーが答えた。

「私には防御魔法があるし、エイム達を守ることはできるわ。あなたとムルカ様が敵を引き付けてくれれば勝てるわ」
「じゃあ、思い切り暴れさせてもらうぞ」

 ブライアンはそう言って斧を振り回し、兵士達を吹き飛ばしていく。

「うわあああ!」

 部下が吹き飛ぶのを見てフィファーナが関心を示す。

「ほう、やりおる」

 この戦いの行方は?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

ワンコイン

夜空のかけら
ファンタジー
とある街にあるギルドで、低価格依頼を専門に受ける冒険者がいる。  ギルドからは感謝するとともに、特別なランクを設けてちょっとだけ優遇しているが、ギルド員からは蔑まれている。  特別なランクだけあって、ランクは低いものの指名依頼を受けることができる。  指名依頼料は、たったの銀貨1枚。    指名依頼料に、依頼料は含まれるという、実に安価な設定になっている。  銀貨1枚でなんでもござれと言っている主人公に対して、街の人はこう言っている。  ワンコイン冒険者 と。 *** ”小説家になろう”にも、ほぼ同時投稿しています。 (初回投稿日 2018年 12月22日 00時35分) ”彼と彼女の暴走日記”の18歳版になります。

転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。

黒ハット
ファンタジー
ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる

引きこもり令嬢はやり直しの人生で騎士を目指す

天瀬 澪
ファンタジー
アイラ・タルコットは、魔術師を数多く輩出している男爵家の令嬢である。 生まれ持った高い魔力で、魔術学校に首席合格し、魔術師を目指し充実した毎日を送っていたーーーはずだった。 いつの間にか歯車が狂い出し、アイラの人生が傾いていく。 周囲の悪意に心が折れ、自身の部屋に引きこもるようになってしまった。 そしてある日、部屋は炎に包まれる。 薄れゆく意識の中で、アイラに駆け寄る人物がいたが、はっきりと顔は見えずに、そのまま命を落としてしまう。 ーーーが。 アイラは再び目を覚ました。 「私…私はまだ、魔術学校に入学してはいない…?」 どうやら、三年前に戻ったらしい。 やり直しの機会を与えられたアイラは、魔術師となる道を選ぶことをやめた。 最期のとき、駆け寄ってくれた人物が、騎士の服を身に着けていたことを思い出す。 「決めたわ。私はーーー騎士を目指す」 強さを求めて、アイラは騎士となることを決めた。 やがて見習い騎士となるアイラには、様々な出会いと困難が待ち受けている。 周囲を巻き込み惹きつけながら、仲間と共に強く成長していく。 そして、燻っていた火種が燃え上がる。 アイラの命は最初から、ずっと誰かに狙われ続けていたのだ。 過去に向き合ったアイラは、一つの真実を知った。 「……あなたが、ずっと私を護っていてくれたのですね…」 やり直しの人生で、騎士として自らの運命と戦う少女の物語。

改造空母機動艦隊

蒼 飛雲
歴史・時代
 兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。  そして、昭和一六年一二月。  日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。  「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。

【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!

蜜柑
ファンタジー
*第13回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。ありがとうございました。* レイラは生まれた時から強力な魔力を持っていたため、キアーラ王国の大神殿で大司教に聖女として育てられ、毎日祈りを捧げてきた。大司教は国政を乗っ取ろうと王太子とレイラの婚約を決めたが、王子は身元不明のレイラとは結婚できないと婚約破棄し、彼女を国外追放してしまう。 ――え、もうお肉も食べていいの? 白じゃない服着てもいいの? 追放される道中、偶然出会った冒険者――剣士ステファンと狼男のライガに同行することになったレイラは、冒険者ギルドに登録し、冒険者になる。もともと神殿での不自由な生活に飽き飽きしていたレイラは美味しいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。 その一方、魔物が出るようになったキアーラでは大司教がレイラの回収を画策し、レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。 ※序盤1話が短めです(1000字弱) ※複数視点多めです。 ※小説家になろうにも掲載しています。 ※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。

ダンジョン配信 【人と関わるより1人でダンジョン探索してる方が好きなんです】ダンジョン生活10年目にして配信者になることになった男の話

天野 星屑
ファンタジー
突如地上に出現したダンジョン。中では現代兵器が使用できず、ダンジョンに踏み込んだ人々は、ダンジョンに初めて入ることで発現する魔法などのスキルと、剣や弓といった原始的な武器で、ダンジョンの環境とモンスターに立ち向かい、その奥底を目指すことになった。 その出現からはや10年。ダンジョン探索者という職業が出現し、ダンジョンは身近な異世界となり。ダンジョン内の様子を外に配信する配信者達によってダンジョンへの過度なおそれも減った現在。 ダンジョン内で生活し、10年間一度も地上に帰っていなかった男が、とある事件から配信者達と関わり、己もダンジョン内の様子を配信することを決意する。 10年間のダンジョン生活。世界の誰よりも豊富な知識と。世界の誰よりも長けた戦闘技術によってダンジョンの様子を明らかにする男は、配信を通して、やがて、世界に大きな動きを生み出していくのだった。 *本作は、ダンジョン籠もりによって強くなった男が、配信を通して地上の人たちや他の配信者達と関わっていくことと、ダンジョン内での世界の描写を主としています *配信とは言いますが、序盤はいわゆるキャンプ配信とかブッシュクラフト、旅動画みたいな感じが多いです。のちのち他の配信者と本格的に関わっていくときに、一般的なコラボ配信などをします *主人公と他の探索者(配信者含む)の差は、後者が1~4まで到達しているのに対して、前者は100を越えていることから推察ください。 *主人公はダンジョン引きこもりガチ勢なので、あまり地上に出たがっていません

公爵家に生まれて初日に跡継ぎ失格の烙印を押されましたが今日も元気に生きてます!

小択出新都
ファンタジー
 異世界に転生して公爵家の娘に生まれてきたエトワだが、魔力をほとんどもたずに生まれてきたため、生後0ヶ月で跡継ぎ失格の烙印を押されてしまう。  跡継ぎ失格といっても、すぐに家を追い出されたりはしないし、学校にも通わせてもらえるし、15歳までに家を出ればいいから、まあ恵まれてるよね、とのんきに暮らしていたエトワ。  だけど跡継ぎ問題を解決するために、分家から同い年の少年少女たちからその候補が選ばれることになり。  彼らには試練として、エトワ(ともたされた家宝、むしろこっちがメイン)が15歳になるまでの護衛役が命ぜられることになった。  仮の主人というか、実質、案山子みたいなものとして、彼らに護衛されることになったエトワだが、一癖ある男の子たちから、素直な女の子までいろんな子がいて、困惑しつつも彼らの成長を見守ることにするのだった。

処理中です...