永遠のトナラー 消えた彼女の行方と疑惑の隣人

二廻歩

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不審な電話

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あのちゃん大好きおじさんは仲間を売る気はさらさらないらしい。
「質問を変えます。銭湯以外で彼と会ったことは? 」
「ないよ。会ったらさすがに覚えてるさ」
即答。早すぎないか? いい加減に答えてるなこれは。 
「本当ですか? よく思い出してください」
「だからしつこいぞ! これは取り調べかよ? 」
まずいまずい。いつもの癖が出てしまった。
これはただの世間話。私が感情的になってどうする?

「ではその男の彼女は見かけませんでしたか? 」
「見かけるも何も居たことさえ知らなかったぜ。
奴め裏切りやがって。あのちゃん一筋だと思ったのに」
どうも誤解がある。男も私も特別あのちゃん好きではない。
勝手に熱狂的なファンにされては敵わない。

「では真向いの女性が失踪した件については何かご存じありませんか? 」
またしても追い詰めてしまう。やり過ぎたかな?
銭湯でただの世間話をしてるだけだったのにいつの間にかエキサイト。
まったく疲れを取りに来たのに何の気晴らしにもならない。

「ははは…… 冗談きついね。真向いと言ったらレンタル倉庫じゃないか」
「そうなんですが…… ご利用されたことは? 」
最初に見た時は意味不明だった。
男を信用してたからな。まさかこんなところに住んでるとは? でもどうやって?
人間が住めるようなところではない。考えもしないところ。

「もちろんあるが。ここのを使ったことはないよ。だって隣だぜ。
荷物なら家に置いておけばいいだろ? 違うかいお巡りさん? 」
そう言われれば返す言葉もない。
「へへへ…… 奴め彼女が居たのか。そうは見えなかったがな。
どっちみち裏切り行為だ。
俺は上がるがお巡りさんはゆっくりしていきな」

こうして最後のトナラ―は姿を消す。
これにより近隣住民からの聞き取りを終える。
それと共に捜査は終了。
男による狂言だと言うことが証明された。

翌日運命の日。
早朝。
「朝早くから申し訳ありません。実は息子さんの支払いが滞ってまして……
ぜひお母様には本人に一度ご確認を取ってもらえませんか? 」
聞いたこともない会社から怪しげな電話が掛かって来る。
これはまさか…… 
「はあ息子なら今さっき出て行ったよ。って言うかあんたオレオレ詐欺だろ?
随分大胆な手口を使うね。感心したけど騙されないよ」
「ですから息子さんにぜひご連絡をと申し上げております! 」
犯罪の臭いを消そうと必死の怪しげな相手。
「ふざけるんじゃないよ! オレオレ詐欺のくせに! 」
「待って…… 」
強制的に遮断する。

もう一度。
「うるさいね本当に。だから何の用があるのさ? 」
「今日中にお願いしたくお電話差し上げた次第です」
「あっそうかい。だったらそこにいる息子に伝えな。
お前のことはお前が勝手に解決しろとな。今日は忙しいんだ。切るよ」
「そうではなく息子さんに。これは緊急性の高い電話でして。
本日までにこちらに取りに来ていただけない場合は大変なことになりますよ」
「どうなるんだい? 」
「興味を持ちましたか? ならばすぐにでも息子さんにご連絡を! 」
「だから焦らして金を振り込ませる気なんだろ? 
魂胆見え見え何だよ。一円だってないね」
「オオ! クール…… いえそのもう支払う時期は過ぎてまして…… 」
「あんたおかしな言葉を使ったね。もう容赦しないよ。警察を呼ぶからね」
「ダメだこれは…… 失礼しました。落ち着いたら再度掛け直しますので」
「馬鹿! 誰が落ちついてないんだい? ふざけたこと抜かすな! 」
一方的に切る。

通話終了。
ついに見え隠れしていた陰謀が明らかに。
失踪事件は最終局面を迎える。

お爺さんから話しておきたいことがあると連絡をもらった。
「おおお巡りさん。座って座って」
お爺さんに呼び出される。
どうも失踪事件で伝えたいことがあるそう。
もう捜査終えたのにまだ何かあるらしい。
面倒臭いが大きな事件がある訳でもなし。見回りついでに。

「それでどのようなことでしょう? 」
あれ…… お茶と意外にも高級な和菓子が。
これは遠慮なく頂くとしよう。
「実は彼とはトラブルがありまして。それを伝えたくて」
「まさかあなたが彼女を? 」
「冗談は止してくれ! 儂はそんな人間じゃない」
それはどうかな?
「トラブルと言うのはあれは契約当日だった…… 」
お爺さんが長話を始める。

                続く
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