永遠のトナラー 消えた彼女の行方と疑惑の隣人

二廻歩

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関係悪化

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右隣に引っ越して来た左横田さん。
せっかくご近所付き合いをしようと思ったのに相手が受け入れない。
俺の話も聞かずに拒絶する。
しかもあれだけ否定したのにも関わらず完全に危ないストーカー扱い。
改善するかと思いきや悪化しただけ。ああどうしよう?
もう一度何とか。今のうちにお隣と良好な関係を築かなければ彼女にまで害が及ぶ。
それだけは何としても避けなければならない最悪の事態。

ピンポン
ピンポン
一度ではない二度も三度も鳴らす。俺の熱意は伝わってくれたかな?
すぐに鬼の形相のお隣さんが睨みつける。
「申し訳ない。実は勘違いで…… 」
言い訳するもちっとも話を聞いてくれない。
「はい分かりました。今すぐに警察を呼びます」
冷静に怒りを抑えた口調。
駄目だちっとも分かってない。これは危険過ぎる。一度撤退すべきだな。
「失礼しました! 」
そう言って逃げ帰る。俺が退けば納得するだろう。
情けないがこれも隣人トラブルを回避する為。
熱くなって恨みを買っては意味がない。
ただ退くのが少し遅かったような気もするが。

「もう嫌だ! 俺どうにかなりそうだよ。なぜ俺を理解してくれないんだ? 」
抱き着いて弱音を吐く。
「ちょっといいかい。君ここは私の家だよ。帰る場所を間違えてないか? 」
裏の爺さんのところに逃げ帰って来た。
驚いた様子で見る。おかしいかな? でも俺は真剣なんだ。
そこだけは理解して欲しい。
「だって…… 彼女に情けないところを見られたくなくて…… 」
「だからって儂のところに来んでも。こっちも迷惑なんじゃ。
確かに揉め事やご近所トラブルは力になってやらんでもないがな。
しかしこれから町内会の集まりがあるんだ。何度も言うがはっきり言って迷惑だ」
爺さんにまで見捨てられる俺って一体?
「ほれ自分の家にに戻れ! お願いだから町内の雰囲気を悪くせんでくれ」
茶だけ出して菓子さえ寄越さない。いつものことだが。
うーん。俺も舐められたものだ。

ふう熱い。
「ほれその茶を飲んだら出て行くんだぞ」
町内会の会合まで一時間あるのに何をそんなに急いでるのだろう。
新居を紹介してもらった恩もあり頼りにしている。
ただそれ以降人が変わったように粗末な扱いを受ける。
どうしてそこまで俺を嫌う? 俺が何をしたと言うんだ?
だが直接確かめる勇気はない。
どうも俺が存在しないかのように無視する。やはり怒ってる? 何で?
紹介者の爺さんの庇護がなければ近所でますます孤立してしまう。

「ねえ俺も町内会に行ってもいい? 」
せっかくなので顔を見せておきたい。
末永く良好な関係を保つにはご近所だけでなく町内にまで幅を広げるのがいい。
引っ越して来たばかりの俺を受け入れるか不安だが進んで町内会に入りたい奴は稀。
だったら俺の入り込む余地は十分にあるはず。
「ははは…… それは良い心がけだな。どう言う魂胆かは知らんがな。
じゃがお前には参加資格はない。
まさか代理するつもりでもなかろう? 大人しく茶を飲んで帰りな」
お年寄りはお年寄りで忙しいそうだ。
良いことだがボケない代わりにクタクタで体力が削られたら本末転倒な気も。
適度な運動とほどよい休息こそが大事。
この絶妙なバランスを保ってこそ。

おっとこうしてはいられない。
銭湯に行くんだった。
二人で近所の銭湯へ。
まだ風呂に入れない。
爺さんに文句を言うべきだろうか? もうそろそろ限界だ。

「どうしたの元気ないね? 」
この頃本当に体調が優れないようで辛そう。
銭湯だって俺が無理矢理誘ってどうにか。
放っておくと数日入らないこともある。
同棲するようになってずぼらな性格が垣間見えるようなった。
もしかしたらこれが本来の彼女なのかもしれない。

でも違った。綺麗好きで毎日のように服を着替える。
それも一日に何着も。
着づらいと言って女王様のようにこき使う。
これも嫌。あれも嫌と我がままを言う。
気に入ったら何度も鏡の前で確認する。
俺も研究して綺麗も可愛いも充分に理解してるつもりだ。
笑顔も素敵で魅力的な彼女。
髪だってロングのお嬢様。
身長は見た目に反し意外にも高い方。モデルのような体形と言うと言い過ぎかな。
とは言え俺の自慢の彼女に変わりはない。

ああどれだって君にはお似合いさ。
好きな服を好きなだけ選べばいい。でもお願いだからこれ以上増やさないで欲しい。
それは彼女と言うより周りの者に言うべきこと。
似合うと思えば買うのを拒否できない。


                続く
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